老人施設に潜入せよ
* * * * * * * * * * * *
妻を亡くし、新たな生きがいを探す83歳セルヒオが、
探偵事務所の求人に応募します。
ホームに入居している母が虐待を受けているのではないかという依頼者の希望により、
セルヒオがスパイとして潜入することに。
彼自身も入居者としてホームで生活し、対象者の身の回りを探ろうというのです。
隠し撮り用のカメラなど最新機器の使い方を練習するなど準備を経て、
ホームに入居したセルヒオはホームの様子を密かに報告。
ところが、心優しい彼は、いつしか悩み多き入居者たちの
良き相談相手になっていきます・・・。
本作は、ホームの協力を得て、実際のホームでスパイとは明かさずに
3ヶ月間撮影したものだそうです。
なので、作中の老人たちの話の内容や表情などはすべて実際そのもの。
中には、問題児ならぬ問題老女がいたりもします。
いつも、ママに会いたい、帰りたい、と外に出たがる彼女。
どう見ても「ママ」がご存命とは思えないのですが・・・。
彼女にはホームのスタッフが彼女の「ママ」のフリをして
時々電話をかけたりするのです・・・。
でもじっくり見ていくと、彼女だけにかかわらず、みなどこか淋しげ。
孤独の影があります。
やさしいスパイ、セルヒオの最後の結論。
この施設に虐待などない。
皆適切にケアされている。
大切なのは「虐待があるかどうか確かめてほしい」と探偵に依頼することではなく、
もっと頻繁に本人に会いに行くことだ・・・と。
納得、納得。
ユニークでステキな作品です。
<Amazon prime videoにて>
「83歳のやさしいスパイ」
2020年/チリ、アメリカ、ドイツ、オランダ、スペイン/89分
監督:マイテ・アルベルディ
出演:セルヒオ・チャミー、ロムロ・エイトケン
お年寄りのチャーミング度★★★★☆
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます