夜な夜な他人の夢に出没
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大学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は、ごく普通の生活を送っていました。
いえ、ごく普通というよりも、ややサエないうだつの上がらない感じ?
ところがなぜかある日突然、彼が他人の夢の中に現れるようになります。
彼の知り合いだけではなくて全くの知らない人、何百万人にものぼる人たちの夢の中に。
夢の中の彼は、夢を見る人が何らかの危機に陥っているにもかかわらず、
だた黙ってたたずんでいるのです。
決してその人を助けようとはしない。
ともあれ、多くの人の夢の中に現れるポールは、一躍有名人になっていきます。
ところがある時から、何もしないはずの夢の中のポールが、凶悪な殺人鬼に変貌。
人々は恐ろしい悪夢を見るようになり、
一転してポールは人々から忌み嫌われる人物に・・・。
こうなると理不尽極まりないですね。
ポール本人は何もしていないのに、人々はひたすらポールを嫌い憎むようにまでなっていく。
でも、夢の中のポールが変貌していくのには、
あるきっかけがあったことに注目すべきでしょう。
あるできごとがあって、ポールがある人物を酷く憎むシーンがあるのです。
彼が夢の中の殺人鬼に変貌するのは、その後。
つまりやはり、彼自身の感情が人々の夢に関連しているらしい。
とすればそれまで人々の夢の中で、何もせずただの傍観者であったというのは、
つまり彼が他人には無関心であったということなのかもしれません。
実の娘にさえも・・・。
物語はポールが人々の夢に影響をおよぼす現象が、科学的に研究されて、
あえて夢に干渉するマシン開発へと話は進んでいくのですが、
まあちょっとそれは蛇足なのかも知れません。
いっそもっとホラー方向へと進行していくべきだったのかも、と。
でも、夢に干渉することができるようになるというのはちょっと恐くないですか。
ポールが夢の中でおいしそうに特定銘柄のコーラを飲む。
その夢を見た人は、ついそのコーラを買ってしまいそう。
つまり、効果絶大のCMになり得るのですね。
・・・本当にそんな技術が開発されないように、祈りたくなりました。
ニコラス・ケイジは久しぶりだったなあ・・・。
<Amazon prime videoにて>
「ドリーム・シナリオ」
2023年/アメリカ/102分
監督・脚本:クリストファー・ボルグリ
出演:ニコラス・ケイジ、ジュリアンヌ・ニコルソン、リリー・バード、
ジェシカ・クレメント、マイケル・セラ
理不尽度★★★★☆
満足度★★★☆☆
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