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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

クライ・マッチョ

2022年06月04日 | クリント・イーストウッド

老人と少年の旅

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クリント・イーストウッド作品はまずほとんど公開時に見ているのですが、
本作はまた、コロナ自粛で見そびれていました。
さっそく配信が始まって、ありがたい。

本作は1975年、N・リチャード・ナッシュによる小説の映画化です。

かつてロデオ界のスターとして一世を風靡したマイク・マイロ(クリント・イーストウッド)。
落馬事故をきっかけに落ちぶれていき、今は家族もいません。
ある日マイクは、元雇い主からメキシコにいる息子ラフォを連れてくるように依頼されます。
彼の息子ラフォは13歳。
母親と共に暮らしていて、息子を父親に渡すことは拒否しているので、
無理に連れてくれば誘拐になってしまいます。
しかし、マイクは元雇い主に恩もあるため、
なんとかその希望を果たそうとメキシコへ旅立ちます。

 

さて、ラフォはろくに愛情を与えてくれない母との暮らしよりも
アメリカの牧場暮らしを望み、自分の意志でマイクと同行することに。
アメリカ国境を目指す、親の愛を知らない不良少年と
ヨレヨレカウボーイの、二人連れロードムービーとなります。



ところが移動シーンはそう長くはなくて、
車が故障し、とある田舎町に長く逗留することに。
この町で、マイクは馬の調教を手伝ったり、動物の健康相談に乗ったりして
人々に慕われるようになっていきます。
そして思わぬロマンスも・・・。
ラフォも乗馬を習ったりしてのびのびした毎日を過ごします。

ラスト、もうあまり先が長くないと思われる老人と、
これからの人生が待ち受ける少年の、
それぞれの決断が、納得できます。

ラフォが闘鶏のために飼育していたニワトリの名前が「マッチョ」で、
この旅の間、彼は常にマッチョを引き連れています。
こうしてみるとニワトリもなかなか愛らしいではありませんか。

クリント・イーストウッド監督はこの時点で91歳。
まだまだ主演として荒馬も乗りこなす格好良さ。
ちょっと前屈みでとぼとぼ歩くシーンはリアルではなくて演出なのでしょうか? 
こうなったら、長寿監督のギネス記録に挑戦するつもりで、
今後も活躍していただきたいものです。
本作は、まさにクリント・イーストウッドのためにあるようなストーリーでした。

 

<Amazon prime videoにて>

「クライ・マッチョ」

2021年/アメリカ/104分

監督:クリント・イーストウッド

出演:クリント・イーストウッド、エドゥアルド・ミネット、ナタリア・トラベン、ドワイト・ヨーカム

 

イーストウッドらしさ★★★★★

満足度★★★★.5