映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

キングコング 髑髏島の巨神

2017年08月30日 | 映画(か行)
島を守るコングが、頼もしい



* * * * * * * * * *

アメコミものや、派手なCGアクション作品が苦手だなどと言いながら、
やはり見たいものはあるもので・・・。
本作はさほど期待はせずに見たのです・・・。
でも、我ながらどこがツボなのかかよくわからないのですが、
結構気に入りました!



南太平洋のある島。
冒頭、二次大戦中の空中戦で、アメリカ機と日本機が墜落。
パラシュートでかろうじて生き延びた日米のパイロットは
そこでもなお戦闘を続けようと、殺し合いを始めるのですが、
なんとそこに巨大な生物の手が!!
このツカミがなんとも度肝を抜いてステキです。
そこからいきなり時は過ぎて、
でも現代ではなくて、ベトナム戦争からアメリカが撤退したという1970年代。
あえてこの時代を舞台にしたところが興味深い。
衛星写真により、南太平洋の未知の島の存在が確認され、
未知の生物探索を目的として調査隊が派遣されます。
地質調査のためヘリから爆弾を投下し始めたところ、
巨大なコングが現れ、ヘリを攻撃。
次々とヘリが振り落とされていきます。

ヘリコプターはすべて墜落。
かろうじて生き延びた人々のサバイバルが始まります・・・。



さて、この島はキングコングだけではなく、様々な巨大生物の住む島だったのです。
「ロスト・ワールド」を思い出します。
はじめキングコングを見ると
この巨大生物が生きるためにはどれだけの食料が必要か・・・?
などと思ったのですが、
これだけ巨大な生物がいるのなら、まあ、大丈夫なのか・・・と納得したりして。
それで、実はこの島で一番凶暴なのはコングではなく
ナゾの爬虫類と言うか宇宙生物じみてもいる、見るからに気味悪く怖いヤツ。

コングはこの怪物から島の住民たちを守ってくれていたのでした!!
ただの怪物ではなくてハートのあるキングコング。
いいですよね~。
そして、「ヒロインと心を通わせるキングコング」
という定石もちゃんと踏まえています。



一方、このコングよりもよほど好戦的な人物も描かれています。
この調査隊の護衛役できている大佐は、
ベトナムからの撤退で自らの役目がなくなったことに失望していたのですが、
この度の任務についたことで息を吹き返します。
そこでよほど隊を守り活躍するに違いないと思われたのですが、
皆が「コングはこの島の守り神なのでそっとしておこう」と言うのに
「あいつのために多くの者が死んだから復讐しなければ」との一点張り。
そんなメンツのために、余計犠牲が多くなるという・・・
ベトナム戦争の再現なんですねえ。
それで、本作中には「地獄の黙示録」を彷彿とさせるシーンが所々にあるのです。
こんなところが実に面白い!!



そうそう、冒頭シーンに思わせぶりに登場した米パイロットが、
ほぼ30年を島の原住民の村で生き延びていた、という設定も良いのだわ―。
あまり期待が大きくないところで、
意外と面白かったというパターンでした。



キングコング:髑髏島の巨神 ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
トム・ヒドルストン,ブリー・ラーソン,サミュエル・L・ジャクソン,ジョン・C・ライリー
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


「キングコング 髑髏島の巨神」
2017年/アメリカ/118分
監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ジン・ティエン
JCOMオンデマンドにて
巨大生物の表現度★★★★☆
ストーリー性★★★★☆
満足度★★★★☆