地球破滅の映像におののく
* * * * * * * *
数ある「地球最後の日」のうち、相当リアルなもののうちの一つといえると思います。
太陽のニュートリノが変異し、地球のコアを過熱。
その熱で緩んだ地殻が崩壊。
大地震、噴火、大津波。
なるほどこれでは、人類のほとんどが滅亡するはず・・・。
2012年、という微妙に近いところがミソですね。
これが2009や2010なら「ウソツキ」といいたくなるけれど、
遠すぎない未来、ちょっとドキドキさせられます。
数年前に危機を察知して極秘にサバイバルの計画を立てていた米大統領とその側近、科学者。
その一方、何も知らされない一般人の代表として、
売れない作家のジャクソンとその家族を描くあたりで、親近感を持たせます。
それにしても、この家族設定が・・・、どうしていつもこうなのでしょう。
別れた妻が子供達と共に暮らしていて、夫は寂しく1人暮らし。
定期的に会う子供達にはあまり尊敬されていない・・・。
しかし、この地球最後の日の土壇場に来て、見せる父親の底力。
それでようやく、家族の絆を取り戻す・・・。
このパターン、何回も見ているような気がするのですが・・・。
そしてまた、あまりにも映画的といえば映画的、数ある危機一髪シーン。
あまりにも、ご都合主義。
ちょっとやりすぎ・・・。
おっと、けなしたいわけではないのですが、
まあ、予告編を見たときから、
ストーリー的にはこんなものだろうと予想はついていたので、
さほど失望はしませんでした。
エンタテイメントと割り切ることです。
さて、そのストーリーの難を隠して余りあるのは、やはり、この映像なんですね。
大迫力。
大地が裂け、ビルが崩れ落ちる。
大都市が丸ごと割れて海に滑り込んでゆくシーンは、
あまりのすごさに、恐れおののいてしまいました。
高台に避難したくらいではどうにもならない、信じられない大津波。
この作品はこの映像こそが命。
ここにこの迫力がなければ、全くお笑い種のものになってしまうでしょう。
さて、実はだからこの作品、
見たいとは思っていたのですが、別に急ぐこともない・・・と思っていたのですね。
ところが先日、たまたまテレビでNHKを見ていたら、
なぜかこの「2012」のCGシーンが映し出されて、
何かと思えば、「クローズアップ現代」という番組でした。
この作品のVFX制作会社でメインスタッフの1人として活躍している日本人、
坂口亮さんの特集。
思わず、しっかり座り込んでみてしまいました。
まあ、それでにわかに興味がわいたのです。
ちょっとご紹介しますね。
坂口亮。1978年生まれのこの方。
現在ロサンジェルスの視覚効果映像作成会社デジタルドメイン社に勤務。
日本の大学在学中に、CGの勉強をするため渡米。
特に、CGで水を表現したい、という思いがあって、
そのためには流体力学の勉強が必要だった。
その数式を理解するために、彼はもともと文系だったのに、
数学の一からやり直し、オフタイムを全て費やして独学で学んだという・・・。
アメリカ社会の中で頭角を現すというのは、並大抵ではないと思うのです。
頑張っている人を見るのは、気持ちのいいものですね。
ちなみに、彼が関わった作品は、
ロード・オブ・ザ・リング、
デイ・アフター・トゥモロー、
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドなど。
特にこのパイレーツ・・・ではアカデミー科学技術賞を受賞しています。
あの、地の果て、海の果てるところで、
海水が滝になって流れ落ちているシーンですね。
(そういえば私はあのシーンで、
これではまもなく海が干上がってしまう・・・などと思ったのでした。)
彼のブログを覗いてみたら、CGの話ではなくて、
アメリカの中で日本人がしっかり自己主張していくための
ノウハウが書かれていましたよ。
・・・やはりそういうところで、苦労があるのだなあ・・・と、感じた次第。
この作品では、地割れのシーンで椰子の木が揺れて倒れていく様子とか、
ビルの崩壊の仕方とか、
街のゴミが舞いあがっているところとか・・・・、
実に細かいところまでこだわって表現しているといいます。
そんな話を聞けたのも、お得でした。
「リアルであればあるほど、CGと気づかれない、あたりまえの映像に見える。」とも言っていました。
ともかく、このようなことを先に知っていたので、
特にCGシーンは身を乗り出してみてしまいまして、たっぷり楽しみました。
だからまあ、今回は私にとってストーリーはおまけみたいなものだったので、
満足満足。
エリザベス女王も船に乗っていましたねえ。コーギー連れて。
2009年/アメリカ/158分
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート、オリバー・プラット
映画 「2012」 予告編 (Japanese Trailer)
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数ある「地球最後の日」のうち、相当リアルなもののうちの一つといえると思います。
太陽のニュートリノが変異し、地球のコアを過熱。
その熱で緩んだ地殻が崩壊。
大地震、噴火、大津波。
なるほどこれでは、人類のほとんどが滅亡するはず・・・。
2012年、という微妙に近いところがミソですね。
これが2009や2010なら「ウソツキ」といいたくなるけれど、
遠すぎない未来、ちょっとドキドキさせられます。
数年前に危機を察知して極秘にサバイバルの計画を立てていた米大統領とその側近、科学者。
その一方、何も知らされない一般人の代表として、
売れない作家のジャクソンとその家族を描くあたりで、親近感を持たせます。
それにしても、この家族設定が・・・、どうしていつもこうなのでしょう。
別れた妻が子供達と共に暮らしていて、夫は寂しく1人暮らし。
定期的に会う子供達にはあまり尊敬されていない・・・。
しかし、この地球最後の日の土壇場に来て、見せる父親の底力。
それでようやく、家族の絆を取り戻す・・・。
このパターン、何回も見ているような気がするのですが・・・。
そしてまた、あまりにも映画的といえば映画的、数ある危機一髪シーン。
あまりにも、ご都合主義。
ちょっとやりすぎ・・・。
おっと、けなしたいわけではないのですが、
まあ、予告編を見たときから、
ストーリー的にはこんなものだろうと予想はついていたので、
さほど失望はしませんでした。
エンタテイメントと割り切ることです。
さて、そのストーリーの難を隠して余りあるのは、やはり、この映像なんですね。
大迫力。
大地が裂け、ビルが崩れ落ちる。
大都市が丸ごと割れて海に滑り込んでゆくシーンは、
あまりのすごさに、恐れおののいてしまいました。
高台に避難したくらいではどうにもならない、信じられない大津波。
この作品はこの映像こそが命。
ここにこの迫力がなければ、全くお笑い種のものになってしまうでしょう。
さて、実はだからこの作品、
見たいとは思っていたのですが、別に急ぐこともない・・・と思っていたのですね。
ところが先日、たまたまテレビでNHKを見ていたら、
なぜかこの「2012」のCGシーンが映し出されて、
何かと思えば、「クローズアップ現代」という番組でした。
この作品のVFX制作会社でメインスタッフの1人として活躍している日本人、
坂口亮さんの特集。
思わず、しっかり座り込んでみてしまいました。
まあ、それでにわかに興味がわいたのです。
ちょっとご紹介しますね。
坂口亮。1978年生まれのこの方。
現在ロサンジェルスの視覚効果映像作成会社デジタルドメイン社に勤務。
日本の大学在学中に、CGの勉強をするため渡米。
特に、CGで水を表現したい、という思いがあって、
そのためには流体力学の勉強が必要だった。
その数式を理解するために、彼はもともと文系だったのに、
数学の一からやり直し、オフタイムを全て費やして独学で学んだという・・・。
アメリカ社会の中で頭角を現すというのは、並大抵ではないと思うのです。
頑張っている人を見るのは、気持ちのいいものですね。
ちなみに、彼が関わった作品は、
ロード・オブ・ザ・リング、
デイ・アフター・トゥモロー、
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドなど。
特にこのパイレーツ・・・ではアカデミー科学技術賞を受賞しています。
あの、地の果て、海の果てるところで、
海水が滝になって流れ落ちているシーンですね。
(そういえば私はあのシーンで、
これではまもなく海が干上がってしまう・・・などと思ったのでした。)
彼のブログを覗いてみたら、CGの話ではなくて、
アメリカの中で日本人がしっかり自己主張していくための
ノウハウが書かれていましたよ。
・・・やはりそういうところで、苦労があるのだなあ・・・と、感じた次第。
この作品では、地割れのシーンで椰子の木が揺れて倒れていく様子とか、
ビルの崩壊の仕方とか、
街のゴミが舞いあがっているところとか・・・・、
実に細かいところまでこだわって表現しているといいます。
そんな話を聞けたのも、お得でした。
「リアルであればあるほど、CGと気づかれない、あたりまえの映像に見える。」とも言っていました。
ともかく、このようなことを先に知っていたので、
特にCGシーンは身を乗り出してみてしまいまして、たっぷり楽しみました。
だからまあ、今回は私にとってストーリーはおまけみたいなものだったので、
満足満足。
エリザベス女王も船に乗っていましたねえ。コーギー連れて。
2009年/アメリカ/158分
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート、オリバー・プラット
映画 「2012」 予告編 (Japanese Trailer)