人骨

オートバイと自転車とか洋楽ロックとか

もうひとつの血

2007年09月26日 | ただの雑談
血で血を争えないという話をしたばかりだが、違う意見を聞いたので記憶にとどめておくためにここに記しておく。

昨日妻の実家へ遊びに行った。実家というのは育った家だ。身に付けてきた文化や精神の拠り所ともいうべき場所である。妻の実家とぼくの実家は、生活水準という意味では似ているけれど(厳密には妻の方が1ランクダッシュは上)、家の中の雰囲気は随分違う。
それには博学で話し好きで酒好きな義父の存在が大きい。
正真正銘東大出のインテリである義父は、能(!)を嗜むほか、いつも何か小難しい本を読んでいて、その度にそこから得た知識を「こういう話があったよ」と言って教えてくれる。
妻などは「お父さんのウンチク話ウザくない?」などというが、ぼくにとってはおよそ実父と全然違うタイプなのでいつも興味深い。お酌の相手をしながら義父の話に耳を傾けるのが結構すきなのだ。自分の父が下戸なので、親子で飲むという経験の無いぼくにとっては、もう一人の父親といった感もある。最近はアル中のこともあり病名こそ伏せながらも「ドクターストップでして」とかわしてきたが、今回晴れて汚名返上したこともあり、久々に相手をさせていただいた。
(大丈夫、もうぼくは泥酔しないんだよ!)

さて、わがチビの行動に、ぼくの実父に由来する遺伝を思わせる不安要素があることは先日書いたとおりだ。このことを義父に話してみた。するとこういう返答だった。

「さっき○○(妻)も、チビは私と人骨君の子供だから運動能力が無いに違いないとかいう話をしていたんだけど、わたしはそれは違うと思うね。子供にそういう話をすると、本人が本当にそういう気になる。可能性を狭めちゃうと思うんだな。わたしも小さいとき母親にリズム音痴だと言われたのがずっとトラウマでいまだに拍子をとるときに構えてしまうからね。存外遺伝なんてそういう気持ちの上の問題かもしれないでしょう」

まあ孫かわいさで言ったのが半分だとは思うが、最近なんでも血のせいにしがちだったぼくとしては、そうだなあまりチビの性格もカテゴライズしないほうが良いのかなと思ってみたりした。たとえ血に限った話をするとしても、チビにはこの義父の血も1/4流れているわけなのだから。

根拠はよく知らないけど「ぼくは112歳まで生きる、おまえたちより後に死ぬぞ」と確信している義父が、いつまでも元気であるようにと願いました。