人骨

オートバイと自転車とか洋楽ロックとか

ツーリング日記7

2005年07月30日 | ツーリングのレポート
カエルを避けながら県道80号線はどんどん山を上っていく。蒸し暑い梅雨シーズンなのであるが、なんか寒くなってきたぞ。水浸しになったタンクバッグ(もちろん防水用のカバーは付けてある…)から地図を見ると、この先では尾根を走る「茶臼山高原道路」をまたぐことになるのだが、ここへの注釈には「愛知県最高峰を目指す」なんて書いてある。高原と言えば清里なんて真夏でもクールだ。今だけはやめてくれって感じがプンプンしている。最初はこの季節にあんなん着てきてアホかと思っていたが、今になっては弟が着ているイエローコーンの冬用がうらやましい。そう、弟の上着はこのイエローコーンのウィンタージャケットだけ。カッパの上着を持っているのに着ないのだ。カラーはシルバーのジャケットは、すっかり水を吸って黒ずんでいる。おそらく大した防水効果は無いと思うのだが…。
この先は津具村というところ。普通こうやって山を上っていったなら、てっぺんを境に今度は下り始めて、一山越したらばそこに村がある、って思っていたのだが、この村は登りつめたところにある高原の村であった。登りのワインディングが終わると急に視界が開けたのだ。ちょっとショック…。しばらくのどかな村内を走り、ここから県道10号に分かれるのだが、その分岐点に非常に分かりにくい標識が立っていてどちらへ行ってよいものか分からない。一旦直進した所で心配になってすぐ止まり、弟を残し単身改めて100mばかし戻って看板を見ることにした。結局直進で間違いないのでそのまま進もうと告げた。弟は便意を催していたので、分岐点のすぐ手前左手にコンビニのSPARがあったのでここへ戻った。14時ごろだったハズだ。普通はスパーってコンビニなんだけど、ここはスーパーというほうが相応しい。ヤツが用を足している間にぼくはちゃっかり今夜のビールを買い込んでおいた。目的地はもうそう遠くない。この調子ではロクにコンビニにも出会えそうにないので、今のうちに買っておくのが得策だろう。しばらくこのスパーの前でだべっていたが、ビショ濡れの二人組は如何にも迷惑な存在であったろう…。
弟が言う。「オレのジャケットさ、防水だと思ってたんだけどなんかヤバイ気がしてきた」言わんこっちゃないと思ったが、大丈夫貴様が防水だと信じている限りそのジャケットは防水である、と励ました。
ここを後にし、県道10号へ進んでいく。ほどなくして例の有料道路の入り口を発見する。芦ノ湖スカイラインみたいなのを想像していたが、入り口を見る限りではほとんど林道状態のような感じであった。まもなく左手に「つぐ高原グリーンパーク」という道の駅が現れた。かなり広い公園状の道の駅で、おまけにバンガローみたいな宿泊施設も沢山見えた。アウトドア好きならば1日かけてタップリ遊べそうだが、この雨の中では人気は皆無であった。最悪アソコに泊まることもできそうだなと思った。そしていよいよR153へ合流。しかし雨の勢いは相変わらず。とうとう防水だと思っていたシューズの中に水が浸入、あっというまにズブズブになってしまった。これは弟と同じ失敗だ、ヤバイ。どうなってしまうあるか…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツーリング日記6

2005年07月22日 | ツーリングのレポート
新城市に入る。ここからは国道151へ道を替えることになるが、直接151へ乗らずに市役所前を通る県道を経由して市街地をショートカットする。新城といえば、2年位前に商工会の役員同士による殺人事件が起きたことで初めて名前を覚えた市である。当時東名高速を使う機会があって上り新城PAに寄った際にもああここかと思ったが、下道で現場に来れるのは初めて。記念にその現場となった商工会館を右手に見ながら通り抜けた。ちょっと道を間違えて戻ったりしながらも国道151へ乗る。まもなく織田信長対武田勝頼で有名な設楽原、長篠を通る。弟には信号待ちのたびに逐一そういった歴史情勢や地勢について説明する。ヤツにとって少しなりとも社会知識を得る機会になればという親心からであって、決してウンチク好きなわけではない、多分。途中には例の磔になった鳥居強右衛門の看板なんかもあったな。さらにJR飯田線をなぞりながら国道を進み、東栄町というところへ差し掛かる。ここのコンビニにて一服した。はっきりいって雨は本降りになっていた。これは中々過酷であるとさすがのぼくも思い始めていた。いくらフルガッパに濡れない手袋をしていても全体的にグッショリ気味。弟が相変わらず帰りてーなどというと、さすがにムカついてきた。辛いのは私も同じだから、ここを共に乗り切ろうと前向きな提案もするも、「オメーに付き合ってるだけだろうが!」とぼくの神経を逆撫でするような発言。でもよく考えると本当にそうかも知れないな、フ…。アダルトな気分に浸るのも束の間で予定通り駒を進める。ヤツには地図を示し、もうこれだけ進んだろ?目標まではこれだけ。あとわずかだ、元気で余裕でGO!と全く騙し騙しなのだが、今時こんなんじゃハムスターだって騙されないだろう。ここであえて、「ふーん、なんか余裕な気がしてきたね。」と騙されるのがこの弟の良い所である。コンビニではお約束の知らないオッサンに「今から東京かえんのか?」と応援される。チョット違うけどありがとう。特に何も買うことなく出発。
この先国道を離れ、県道80とかいうのに入ることにしている。このまま津具村というところを抜けて茶臼山高原道路とかいうのを跨いで進むのが国道153への最も近道であるのだ。ここさえ越えてしまえば今日の目的地である道の駅平谷は近い。地図を見ると、県道は緑色で細くて、いかにも頼りないではないか。おまけにクシャクシャに縮れた陰毛みたくまがっている。山道であるのは明らかであり、今日最大の難所はここになるだろうと予想している。何も知らないわが弟に耐えられるだろうか?知らぬが仏パワーで乗り切ってもらおうとも。
県道に左折する。案の定道はか細く山の中。道路には緑色の葉っぱがたくさん落ちているが、妙に鮮やかな緑色をしている気がする。近くを通り過ぎると、それらはカエルであった。口をパカッと開けて、その口の中は赤い。顔は笑っているように見えた。雨天のコーナリングでヤツを踏んだら即転倒なので、極力避ける。後を走るヤツへこれを教えるべきか…?ぼくが避けるのを見れば気付く気がするので、教えなくて良いか…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツーリング日記5

2005年07月04日 | ツーリングのレポート
浜松西インターにて高速を降りる。とりあえずは浜名湖を見よう。フラワーパーク方面から望もうと思い県道48号をニョロニョロ走るが、間違って湖西病院とかいうところへ行っちゃったりしつつ、館山寺温泉へ。ここは中々思い出深い場所でもある。旅館街のチョイ裏手がすぐに湖面というロケーション。湖岸へバイクを停める。小雨の中なんか地元の小学生の水泳の授業みたいなのが行われている。といっても子供が5人くらい。のどかなものだ。とにかく弟よ、あれが浜名湖だ。
「あのさあ浜松って言ったらウナギでしょ?ウナギ食い行こうぜ」
ぼくははっきりいって午前10時っからウナギ食う気は全然しないのだが、まあ自称朝飯ヌキの彼がそう言うのならば拒絶する理由もあるまい。湖岸を離れ、気賀方面へ向かい国道362号へ入る。そういやこの辺は何度も通ったことがあるっけ。昨年のキャンプツーリングで最初の宿の時100円ショップに買出しに来たのがこの辺りだった。三ケ日IC付近を通る。あー懐かしいぜ。どういう店で食べたいかは君が決めろと話したが、いや任せると譲られる。道路の左右に中々食事所がない。このままウナギ屋がなかったらどうしよう。雨はやや連続的となってきた。三ケ日ICのそばで給油し、その後やっと見つけた一軒に停止する。

メット越しに弟へ問うた。
「どう思う?」
「そんな大声出したら中へ聞こえんだろうが!」
確かに席の横の窓が網戸だけになっていて中に人の気配がしている。ぼくはこういう狭そうな店はあまり好きでない。年末だか正月にいった築地のすし屋もそうだが、味よりも空間の安らぎって大切だと思う。人から見られていない、って感覚が大事だよ、くつろぎの食事タイムには。と言いつつも最近蕎麦屋通いに慣れている事もあるのでまあ良いか、濡れガッパの汚い二人組みが暖簾をくぐる。想像以上に狭い店で、本当に町の蕎麦屋並み。客は誰もおらず、店のオヤジとスーツ姿の男が、なにやら仕入れの商談の最中らしい。「もう営ってますか?」と問うたらOKだというので、席につく。メニューを見たらば、やはりウナギだけあっていいお値段しやがる。時計を見れば11時前になっていたので、まあ昼飯時として悪かないかな。弟にうな重を食わせ、自分は茶ソバを頼むこととした。この店が待たすこと待たすこと。40分以上は待ったはずだ。この間に自分がなぜ奈良県を目指すのか、ということについて弟に説明した。何も知らなかった彼は興味深く聴いていたようだ。
ようやく目の前に出された茶ソバは、何を食っても美味いぼくには特筆することの無い一品。弟が食ったウナギは、なんだかよく知っているウナギとは違ってパリっとしているという。一口もらってみたが、確かに表面がパリパリしている。うろ覚えだが、確か浜名湖を境に東西でウナギの焼き方が違っていたような気がした、焼いてから蒸すか、蒸してから焼くだかよく分からないが…。このウナギは我々には未見の蒲焼だったのかもしれない。
食事が終われば12時になっていた。1時間以上足止めをくらってしまったが、ここはぼくが奢ることとし、先へ進むことにする。雨は相変わらずで小雨だがしっかり降っている。国道362号を離れ国道301号へ入り、新城市へ向かう。ここからは愛知県だ。途中東名高速を越えるあたりは中々良いワインディングが続く。ただし雨が降っているのでただマッタリと通過するのみ…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする