人骨

オートバイと自転車とか洋楽ロックとか

キャブレターの分解と洗浄3

2007年11月30日 | メンテナンス実演(VTR250)

バキュームチャンバー

びよろーん。
フタをあけるとこうなってます。バネの力はそれほど強くないので、吹っ飛ぶようなことはないでしょう。
ここはシリンダーから生じる負圧でピストンバルブが上下する仕組みです。
よく物の本には「指で上下に動かし滑らかに動くかどうか確認する」なんて書かれてますが、より確実に動作を診るためには、ぜひキャブの出口側(上の写真でいうと左側)を掃除機で軽く吸いながら(=負圧をかける)スロットルバルブを開け閉めしてみてください。負圧でピストンバルブが上下する仕組みがよく分かると思いますよ。


ピストンバルブ

ピストンバルブとゴム製のダイヤフラムは一体化しております。真中の針がジェットニードル。バルブの上下運動に合わせて、ニードルホルダーと「抜き差し」する関係です。なかなかセクシーな部品ですね、とんがってて気持ちよさそうです。あぁん。
ニードルの先端部分が、メインジェットから吸い上げたガソリンの流量を調節する蛇口の役割をしています。ニードルはキャブ本体と接触して磨耗するので、こういう機会に交換しましょう。VTRにはありませんが、ニードル取り付け位置にクリップがついてて高さを変えられるモデルも多いです。蛇口で言うと水の勢いを変えるみたいなもので、これまたキャブセッティングの勘どころのひとつになります。VTRでこれをやるには、ワッシャを咬ませて高さを稼ぐことになります。


ピストンバルブ内部

真中に見えてるフタで、ニードルをバネで押さえ軽ぅく固定してあります。左にチョコっとひねるだけで外れます。なおバネのせいか、ニードルは真っ直ぐにはなりません。微妙に曲がりち●ぽなのがご愛嬌ですね。え、くどい?



フロートチャンバーを開けたところ

ここを開けると一気にガソリン分が気化し、部屋の中は相当モワくなります。要換気。家人のヒンシュクを買うこと間違いなし。ある意味オナニー以上に一人でこっそりとやることをお勧めします。
内部の状態は、ずっと乗りつづけているだけあってきれいなものです。メインジェットとかスロージェットとかがついていますので、外せるものは外します。メインジェットを外したら、メインジェットの土台になるメインジェットホルダーも外します。なお「不明」と書きましたが、本体と一体化していて外せないジェットが1本あります。多分チョーク(スターター)系統と思いますが違ってたらごめんなさい。ジェット類はいずれも真鍮製で柔らかいので、サイズのあったドライバーで外さないとすぐに欠けてしまいます。
フロートのピンは、VT250FEは結構固く圧入されてて極細ドライバーとかを使って叩かないと抜けませんでしたが、VTRはスッと抜き差しできるようになっていました。
フロートを引き抜くと、小さなフロートバルブがぶら下がってついてきますので、フッ飛ばさないように気をつけましょう。
なお中身はキレイなものでした。ずっと乗っていたのだから当たり前でしょう。
これが始動不能の放置車両となると手強いです。ガソリンは劣化するとネバネバで緑色になりツーンと鼻をつく臭気を発します。俗にいう腐ったガソリンというヤツです。こうなると掃除のしがいがあります。また、腐るに至っていなくて一見キレイでも、ニオイからして普通のガソリンと違ってる場合は、すでに粘り始めてジェット類の穴を塞いでいるケースがあります。見た目だけでは分かり難いので、こういう場合もとにかく洗っちゃいます。


フロートチャンバーのガスケット

このガスケットゴムについてる赤茶っぽいヤツって何だと思いますか?自分はおそらくシリコングリスのカスではないかと思います。サービスマニュアルには特に油脂類を塗布する指定はありませんが、今回組み付ける時はガスケットに薄くシリコングリスを塗ってみることにしました。


ガスケットとドレンスクリュー

先にガソリンを抜くのに使ったドレンスクリューですが、ここのOリングもお忘れなく。ガスケットは再利用しません。新品交換です。部品を注文するとこのフロートチャンバーのガスケットを含め、片側キャブにつきOリング類が全てセットになってるので、2点取り寄せて全部のゴム部品を新品に替えます。


ジェット類

ここまで取り外したものを並べてみました。ジェットの番手は前後ともメインジェットは115番、スロージェットは35番です。番手というのは穴の大きさです。これまたキャブセッティングのキモです。今回は掃除が目的なのでセッティングには一切手を出しませんが、マフラーを換えたりした場合プラグの焼け色を見ながらこの番手を変えたり、上述のニードルの高さを調整したり、色々やってベストを探ることになります。自分はやったことありませんが。
ちなみに、記憶によるとVT250FEはMJは前92後90、SJは前後38でした。


ジェット、フロートを撤去したところ

今回フロートバルブも新品に換えましたが、写真で示したバルブシートもセットで部品が出ちゃいましたので、ここも交換します。タンクからキャブレターに運ばれたガソリンが最初に通る場所です。


バルブシート

アミが被さってますが、これはゴミフィルターです。ここが汚れてるということは、ガソリンタンクの中からゴミが来たということです。タンクの中が錆びているとここに砂状の錆カスがたまるので、ガソリンコックを外さなくても見当がつけられます。うちのVTRのはキレイです。良かった。

では次回はいよいよ洗いにかかります。

(つづく)
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キャブレターの分解と洗浄2

2007年11月28日 | メンテナンス実演(VTR250)

エアカットバルブ

エアカットバルブの拡大です。ダイヤフラム(ゴム製の部分。負圧でスライドする仕組み)とスプリングが一体化しています。特にいじることはないので、外して保管してください。


エアスクリュー位置にマーク

パイロットエアスクリューを取り外します。
このエアスクリューはキャブ調整の大きなキモのひとつです。
役割はスロー系の濃さ調整をすること。仕組みは簡単で、スクリューを緩めたり締めたりすることで、スローエアー用の通路を通る空気の量を変えているのです。水道の蛇口と一緒。
なおVT250系と異なり、エアーではなくガソリンの通路を緩めたり締めたりして調整する「パイロットスクリュー」を採用しているキャブも多数あります。これは「ガソリンの通路」を調整することで濃さを変えることになりますが、いずれにせよ効果は同じ。
エアスクリューの場合は締めると空気が減り混合気は濃くなる。パイロットスクリューの場合は締めるとガソリンが減り混合気は薄くなる。分かりますよね。


エアスクリュー位置メモ

そのまま外してしまうとベストにセッティングされていた空気量の位置が分からなくなってしまいますが、ネジの締めこみ回転数でそのベストの位置を記録することが可能です。これがよくキャブセッティングの項目で見かける「2と1/4回転戻し」とか言われる調整方法です。
やり方は、現在のスクリューの位置から、ネジをめいいっぱいまで締めこむのにナン回転あるかを記録するだけです。注意するのは、めいいっぱいの場所で手応えを感じたら、それ以上締めないこと。このネジは「ネジ留めのため」のネジではありませんので、余計な力を加えると余裕でツブれます。
記録のため、ドライバーと本体にマジックで印をつけ、位置を紙にメモしておくと良いでしょう(本体のマーキングは、キャブクリーナーをかけると100%消えるので)。
取り付けるときはこの記録に基づいて、一番最後まで締めてから、メモの回転数だけ戻せば良いわけです。
なおアイドリング回転数を読みながら戻し位置のベストポジションを探す方法もありますが、フルノーマルの場合は何も考えずマニュアル通りの回転数戻せばOKでしょう。VTR250-03型の場合は、マニュアルによると2と1/4回転戻しです。実際は後ろ側だけ2と1/3回転くらい締められました。写真のメモがそれです。


エアスクリュー専用ドライバー

どうでも良いのですが、このパイロットエアスクリューのねじ頭の形状は特殊です。なんというか、D型のねじ頭です。これを廻すためだけに特殊工具が必要です。ドラスタに行ったらデイトナ製のホンダ専用品(モンキー用とか書いてあった)を売ってたので買ってきました。たったこれだけで2000円もしました。とほほ。
ただしこの特殊ドライバーには良い点もあります。以前のVT250FEでは、このスクリューのネジ頭の形状は単なるマイナスねじでした。実はマイナスねじだと「1回転」がちょっと数え難いのです。実際に作業するところを想像してください。マイナスドライバーは、差した箇所から180度回転すると見た目が全く同じになりますよね?見た目は同じですが、まだ一周してません。1/2回転の状態です。さらにもう180度廻して、ようやく1回転360度です。どうでしょう、180度のところで「1回転」って錯覚しそうじゃありませんか?特殊ドライバーなら360度で1回転なのを間違えません。え自分だけ?


エアスクリューの構成

写真の通り。スクリューを抜いた時に、一番最後のOリングはしばしばキャブ本体に残りっぱなしになるので、忘れずに外しましょう。逆さにしてトントンたたけば大概はポロリと落ちると思います。

(つづく)
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キャブレターの分解と洗浄1

2007年11月26日 | メンテナンス実演(VTR250)
さて、いよいよキャブレター本体のOHにかかります。
はっきり言ってぼくのやり方はメンテ本でかじった程度の我流です。箇所によっては外道な手段を取っているかも分かりません。経験値としては、4気筒マシンのキャブを数回、VT250FEのキャブを5~6回、原付のキャブを2台分ほど直したことがありますが、いずれも不具合が出たことはなくちゃんと直ったので、まあ多分大丈夫だとは思うのですが、とにかくモグリです。またキャブの機能も完全には理解してません。この記事を見てマネされる方はその辺だけご了承いただければ幸いです。
キャブレターの内部洗浄に使うキャブレタークリーナーという溶剤は強烈です。服に着くと速攻色落ちしますし、Oリングの類にかけると余裕で溶けたりフニャけたりします。キャブ内部のあらゆるゴム類は全て取っ払って作業しているので問題ないのですが、プラスチックの箇所で何箇所か分解不能のパーツがあり、ここはやむを得ずそのまま薬品を使います。このことは、ひょっとしたら誤りなのかも分かりません。
が、自分はこの点を気にせずイってます。溶剤に浸しておく時間にもよると思いますので、放置時間はなるたけ短く済ませています。

それでは参ります。
先ず、前回の最後に書いた「さら」とキャブを分離します。「さら」とキャブ本体はプラスねじ4本で接続しています。ねじには「タングドワッシャー」という特殊なワッシャーが付いており、先端部を折り曲げてねじ頭を覆うようになっていますので、まずはこのワッシャを折り曲げてねじ頭を露出させます。
このワッシャの意味は、おそらく「万一走行中にボルトが緩んでも、抜け落ちてキャブに吸い込まれることが無いように」だと思われます。以前乗ってたVT250FEも同様でした。ただしVTRにはゴム製のエアファンネルがついてますので、仮にネジが外れても滅多なことではファンネルの中にまでは落ちないと思います。VT250FEにはファンネルが無かったので、確かにネジが抜けたら走行中にバルブに落っこちて人生終了な予感がします。とはいえ、まずネジが外れることはないと思われますので、保険みたいなパーツなんだろう、等と色々勘ぐっております。
で、このねじは相当固く締めこまれておりますので、万力を持っているのでなければ、車体に固定されている間(キャブを取り外す前)に一旦緩めておくのが良いでしょう。自分はキャブを外したあとで分離に掛かり、結局ねじ頭を1箇所ナメました。ナメてどうしても外せなくなり、やむなくタガネで切り込みを入れ貫通ドライバーでガシガシ叩いて力づくで外し、ネジをぶっ壊しました。これだからプラスねじは嫌いです。組み付け時にはホームセンターで買ってきた六角ねじに4本とも交換しました(同じことをVT250Fの時もやった記憶があります)。

左側

「さら」のネジを外せたら、写真左から2番目のマルのネジを緩めます。すると前後のキャブはプラプラになるので、「さら」から分離させます(写真は分離後です)。前回も書きましたが、キャブ本体と「さら」の間のネジ部には小さいなピンがはまってますので、失くさないように保管してください。
続いて写真の残りの部分の3箇所を撤去してください。
一番左は「エアカットバルブ」というそうです。この部品の意味は分かりません。これはVT250FEには無かったパーツです。次モデルのVT250FGあたりから採用されていた気がします。写真に写ってませんが、もう片方のキャブにも同じものが着いていますので、両方取り外します。
右から2番目は、前回も登場したアクセルワイヤーのホルダーです。
一番右はアイドリング調整ねじです。外すときに、ついでですから右に左にねじを回してみてください。アイドリングねじの仕組みがよく分かると思います。「アイドリング回転数をあげる/さげる」ということは「アクセルを開く/閉じる」のと同じことなんですね。


右側

こちらもマルのホースを全部引っこ抜きます。細いホースは左右にねじると抜けたりします。固着してる場合は、ガソリンタンク取り外しで説明した要領でドライバーを使ってください。


リンクロッド

前後2基のキャブを連結するリンクロッドを取り外します。
VTはアクセルワイヤーが後側キャブのスロットルバルブに直結していて、このリンクを介して前側キャブのスロットルバルブにもシンクロして2気筒同時に動かす仕組みです。後述しますが、気筒間の同調はこのリンクで調整することになります。リンクロッドは前後2箇所固定されています。割りピン、金属ワッシャ、プラスチックワッシャが挟まっておりますので、ワッシャの順序をしっかり覚えておきましょう。こうやって写真を撮りながら作業すると、組み付け時に元の状態が分からなくなった場合に重宝します。

これで前後のキャブが分割できます。
ガソリンホースのジョイントが間に挟まってますが、引っ張れば抜けます。

(つづく)
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キャブレターの外し方

2007年11月17日 | メンテナンス実演(VTR250)
前回はガソリンタンクを外しましたが、続いてエアクリーナーボックスを取り外します。エアクリーナーボックスにはけっこう色々なものがくっついていて面倒です。

順番に写真のマル印に留めてあるものを外していってください。
まずはメインハーネスと、なんかよく分からない環境対策部品のホースと、冷却水のドレンホースです。

エアクリボックスのクランプ1


メインハーネスのこの箇所は、突起を指でつまんだりプライヤで軽く掴めばあっさり抜けます。や・さ・し・く・つ・ま・ん・で・ね。

エアクリボックスのクランプ2


前後2個あるイグニッションコイルですが、後側のイグニッションコイルを外します。向かって右側のボルトは、写真の下のほうに写ってるなんだか分からない環境対策部品のクランプも兼ねています。なおコイルの配線とプラグキャップは抜かずにひとまずそのまま放置しておいてOKです。

イグニッションコイル(後)


それから、ブローバイガス還元ホースを抜きます。このバンドはツマミがあってプライヤーで掴めるので、抜きやすいです。

ブローバイガス還元ホース1


こちら側のホースも抜いてください。真ん中のマルはウインカーリレー。これもクランプから外します。

ブローバイガス還元ホース2、ウインカーリレー

何故ブローバイ還元ホースが2本あるのかよく分かりませんが、環境対策でしょう。他にクランクケースからの排出孔はなく、オイルキャッチタンクが存在しないので、ブローバイガスは完全に吸気側に戻しているようです。このあたりは多分初期型には着いていない仕組みだと思います。00年排ガス規制、部品は増えるわ手間は増えるわでうざいです。詳しくはサービスマニュアルに書いてあったと思うのですが、興味ないので読んでません。むしろ勝手に規制解除しちゃおうかなとか考えます。自分はDQNなので環境とかエコが大嫌いです。
ウインカーリレーは、配線はそのまま放置で、クランプから外すだけでOKです。ハイフラッシャー(ウインカーの点滅が早いヤツ)とかを入れたい方はこの部品を交換するとDQNドレスアップが図れます。素敵ですよ。


ここまで外したら、エアクリーナーケースのネジ6本を取っ払ってフタを開け、中に載せてあるエアクリエレメントを撤去。

(写真略。というか撮り忘れた)


さらに、エアクリエレメントを載せてある土台になるプラスチックパーツのネジ4本も抜いてください。奥まっているのでネジ落下に注意。最悪なことにキャブの中にネジを落としたとしても、アクセルを開けない限りベンチュリ内部のスロットルバルブで引っかかってますので、慌てずに取り除いてください。

(同じく写真忘れ。カンタンなので無くても良いでしょう)


で、今まで色々な部品がくっついていたのは全てこの「エレメントの土台」(以下、土台と呼びます)です。まだ土台から外すものが残っています。
土台の後の裏側にキャブレター本体からホース2本が刺さってます(2つ上の写真「ブローバイガス還元ホース1」の赤マルの右下に見えます)ので抜いてください。これはキャブのフロート室からガソリンが溢れた時に排出するためのホースで(コケた時漏るガソリンはここから)、単純に土台に束ねて刺して留めてあるだけです。遠慮なく引っこ抜いてください。
続いて土台前方の裏側にイグニッションコイル(前)がくっついています。コイル(後)はさっき外しましたが、コイル(前)は外すよりもぶら下げたまま土台ごとを撤去する方がラクなので、そうしました。フロントシリンダーのプラグキャップを抜き、コイルの配線を抜き(写真。上側が青色端子)ます。
とうとう土台がフリーになりますので、これを撤去してください。ようやくキャブレターご本尊様と対面です。

コイル前


続いて、ここから先はキャブ本体にくっついているものを取り外します。
まずはチョークバルブ。正確にはスターターバルブと言います。前後2気筒分あるので、2箇所あります。ゴムブーツを被っているので、引っ張ってこうやって剥いてあげて下さい。チンポみたいだって?言われると思ったよ。

スタータバルブのブーツの皮を剥いて


剥いたらスパナをかませて緩め、あとは指先でクルクル回して抜いてください。引っこ抜くとバルブが現れます。このバルブはまず汚れないので、洗う必要なしと思われます。自分は取り外さずにそのままにしておきました。
フリーになった2本のチョークケーブルは適当にまとめておきましょう。

バルブがとびだします。はいはい亀頭ですよ。


それからアクセルワイヤーを取り外します。ワイヤーは引き側と戻り側の2本があります。写真のマルのところのクランプのネジを緩めて…

アクセルワイヤー装着状態


プラプラになったら、こうやってズラしてフリーにします。

アクセルワイヤーをクランプから外したところ


あとは先端のタマの部分を抜いてやります。こちらはタマタマです。タマの部分を「タイコ」と呼ぶそうです。タイコは切れやすい場所ですので、プライヤー等は使わずに頑張って手先だけで外してください。手が油で真っ黒になりますよ!

ワイヤーの先端をホルダーから外した


つづいて、キャブレターをシリンダーに接続しているインシュレーターのバンドを緩めます。前後2気筒とも緩めてください。各気筒2本ずつネジ止めされています。何も考えずに全部緩めましょう。

インシュレーター


さあ、ついにキャブレターをおっぱずします!もう一度周囲を見渡して、繋がってる部品がないことを再確認してください。
ぐりぐり引っ張ればあっけなく外れます。コツとしては、最初に前バンクだけ引っこ抜く感じで車両後ろ側へ引っ張るようにするとスムーズでしょう。直4マシンだとこうは行きません。VTって素敵だなァと思う瞬間です。

ところで下の写真はすでに摘出後OHが済んだ状態のもので、しかもキャブの上に載ってる「銀のさら」(以下、「皿」と呼びます)を誤って左右反対向きに着けてしまった時のどうしようもない写真なのですが、撮るべき写真を撮り忘れたので(正確には、撮ったんだけどあまりにピンボケで使えなかった)この写真で説明するので、よく見てください。
何が言いたいかというと、キャブレターを外す時はこのようにお皿を載せたままの状態で行ってください。言い換えれば皿ごと引っこ抜いてください。

キャブレター本体と、皿(ただしこの写真は皿が前後左右逆に着いてます)


取り付けるときも同様で、キャブ本体に皿をセットしてから、車体に装着します。VTのキャブは皿が載って初めて完全体なのです!。4気筒キャブだと頑丈な金属製のステーみたいなのでキャブを繋いでありますが、VTのキャブではこの皿がその役割なのです。気筒間の同調もこの皿が載っていないと合わせられません。
また、外す時「どうせ全部バラすから良いや」と思ったとしても、実は皿と本体の間に挟まってるピンが脱落しやすく、無くなっちゃったり、最悪シリンダー内に落とすケースが考えられます。実際に昔乗ってたVT250FはキャブOH時にクランクケースの上あたりからこのピンが出てきました。多分前のオーナーがぼくみたいな素人作業でバラした時に、キャブがまだシリンダーにささっている状態で先にお皿を外してしまったためでしょう。

さて、キャブを抜いたら最初にすることは、キャブレター内部のガソリンを捨てることです。火気厳禁!タバコ吸うヒトも今だけはガマン!数年前、自宅のガレージでメンテ中に焼死したライダーのニュースがありましたよ。
ガソリンはフロートチャンバーにたまっていますが、今そういう細かいことは考えずないでただ捨てましょう。上の「インシュレーター」の写真の真ん中へんに写ってるマイナスネジを緩めてください。ガソリンがおしっこみたいにシーっと出てきます。2気筒分とも抜くこと。

さてあとは室内での作業です。キャブレターを室内に持ち込むと、家の中はマジでガソリン臭いです。家族からクレームが来ないように換気には気を使いましょう。



各部にフタをする

今回キャブレターの洗浄は翌日以降に持ち越しでしたので、しばらく車体だけ裸んぼでお休みさせることになります。そこで抜いてしまったホース類や、むき出しになったシリンダーの吸気ポートとかを、キッチンタオルやガムテープで全部塞ぎました。ホコリや湿気を防ぐためです。あまり長期間ほったらかしてシリンダーの中を錆びさせたら最低ですので。

なお、間違ってもこの状態でクランキングさせないこと。自分は保険のつもりでバッテリーを外して(ついでに補充電)、ギヤは必ずニュートラルにしておきました。

説明が最後になりましたが、大雑把なキャブとエアクリの部品構成は、上から順にこういう感じです。1~3がエアクリに、4と5がキャブに、それぞれ属するカンジです。

1.エアクリボックスの蓋

2.エアクリーナーエレメント

3.土台(色々なものがくっ付いている)

4.皿(ひとまずキャブと連結させたままにしておくこと)

5.キャブ



今回はここまで。
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ガソリンタンクの外し方

2007年11月04日 | メンテナンス実演(VTR250)
さいきん涼しくなったので、休日の移動にはもっぱら昨年買ったMTBばっかり使っている。健康のためには悪くないだろう。それから、かつてなら季節を問わず泊り込みでツーリングだったんだけど、妻にチビを押し付けっぱなしなわけにもいかず、この頃バイクは乗る機会自体が減っている。かくして早くも冬眠状態だ。
乗らない間にメンンテナンスでもやるかということで、アイドリングが微妙に不安定なVTR250人骨号のキャブレターをOHしてみることにした。
最近このウェブログをグーグル検索等で訪れVTRのメンテ記事を参照してくれる方も多いので、今回は色気を出して経過を丁寧に写真撮影してみた。同好の士の一助になれば幸いである。
ということで、初回はガソリンタンクを撤去するところまで。
メンテナンスに手を出し始めたころは、ガソリンタンクを外すという行為は結構感動モノだったものです。なるたけ丁寧に書きます。
なお自分のVTRは03型であって、全てこれに準じて記載します。
初期型(W型)は00年排ガス規制適用前のため、03型とは異なりタンクの下が相当スッキリしていて作業ももっとラクだと思います。これに対して2型(Y型)は、03型とおよそ同一だと思います。
それからジェットの番手等は置いておき、キャブレターそのものの構造は歴代VTで大体同じ、というか96%くらいは同じです。とりわけ自分はVTRの前にVT250FEに乗っていたこともあり、VTRではなくてVT250FEのキャブをいじりたい人にとってもお役に立てる(かもしれない)という期待をこめながら記述することにいたします。です。はい。

※ ※

まずはタンク下部のホース類を抜きます。
タンク裏側にはガソリンコックがあります。「ON」「RES」とか切り替えるアレです。
はじめに、このコックから伸びているホースが2本あるので抜きに掛かります。それぞれ「燃料ホース」および「負圧ホース」です。
ただし2本とも、コック部分で直接抜くのではなく、コックよりちょっと先にあるホース分岐のジョイント部分で引き抜くことになります。

「燃料ホース」は読んで字のごとくガソリンタンク内にあるガソリンを燃料系統へ送るためのもの。作業時のコックのレバーの位置は「ON」のままでも「OFF」でも「RES」でもどこを向いていても構いません。抜いた時に少量のガソリンが漏れてきますが、ホースの中にたまったガソリンだけなのですぐに止まります(数週間エンジンかけてなければ既に揮発してて何も出てきません)。
万一漏れが止まらない場合は「OFF」にすれば止まりますが、コック内部が故障している証拠です(ダイヤフラムというゴム部品を交換すれば大抵直ります)。

ガソリンホースはここの分岐部分で抜いてください。

ガソリンホースのジョイント


その拡大がこちら。

ガソリンホースのジョイント拡大


このマル印の所で抜きます。
クリップがついているので、これを細めのプライヤー(ラジオペンチ)で左側へずらしてください。


ホースの抜き方


写真に写ってる黒い棒はマイナスドライバーです。クリップは既にずらしてあります。
ホースはただ引っ張るだけでは抜けません。引っ張るのに併せて、マイナスドライバーの先端部分をヘラ代わりにホースの先端へねじ込み、ホース断面に水平に重ねて、抜く方向へ向けてググッと押してください。写真の赤線がホース断面の延長で、赤矢印の方にヘラの力を加えます。これで抜けます。

固着していて抜け難い時に無理して引っ張るとホースが破ける場合もありますが、奥の手としてここへCRCを吹くとスルリと抜くことが出来ます。ただしCRCはゴムを侵すので、このことを念頭に付着後早々と拭き取るのがベターでしょう。
なお自分は今まで何も考えずにCRCを吹きまくり、全く拭き取りもしませんでしたが、燃料ホースに用いられている耐油ゴムはそのまま数年を経てもビクともしない様子です。


続いて「負圧ホース」。ガソリンコックの開閉を自動で行うためのもの。このホースは抜いても何も出てきませんのでご安心を。抜けたら、試しにコックのバルブを「ON」か「RES」の状態にして負圧ホースを口でくわえて吸ってみてください。吸ってる間だけ「燃料ホース」からガソリンが流れ始めます。仕組みは「オートコック」で検索してください。


負圧ホース


このマルの分岐のところで抜いてください。抜き方は燃料ホースと同じです。


さてもう1本、ガソリンコックとは別にタンクに直接刺さっているホースがあります。これは給油時に溢れたガソリンや、タンクキャップから侵入した雨水等を放出するためのドレンホースです。タンクキャップを外すと見える穴がここに繋がっています。
タンクを外す時はこのホースも抜いても良いのですが、ぼくはこのドレンホースはタンクから外さずにそのまま引き抜くことが多いです。


ガソリンコックのドレンホース

分かり難いですけどこのホースです。
下端部はスイングアーム付近にてクーラントのオーバーフロウホースと一緒にクランプされて車両外へ放出するしくみです。


スイングアーム付近から引っ張り出します

こうしておくとタンク取り外し時に抵抗がありません。


ホース類の処理が済んだら、固定ボルトを取り外します。3本のボルトを普通に外すだけです。

タンク前


タンク後


これも初心者の方のために書きますと、写真の「タンク前」みたいなところに車載工具等のスパナは入りません。バイクのメンテを行うならソケットレンチを購入しましょう。最初は安物で十分です。ぼくも1999年に2000円で買ったソケットレンチセットを今年まで使っていました。今でもその中から便利なピースだけ引き続き使ってます。


タンク撤去後

あとはどかすだけ。ガソリンが満タンだと非常に重いです。自分は灯油ポンプ(100円)を1本ガソリン専用に用意していて、これで事前にガソリンをクルマに移し替えてから作業しています。また、取り外したタンクを地面に置くと前方にかなり傾きます。出来れば、傾いたまま置いてもタンクキャップまでガソリンが来ない程度まで中身を減らしておくのがベタ~でしょう。万一キャップからガソリンが漏れると火事のおそれがあります。あるいは、傾かないように台でも使って固定できればOKです。
ガソリンは火気厳禁です。当たり前のことではありますが、ホントガソリンは怖いですよ!脱線しますが、庭に生えたキノコを処分しようと思ってガソリンをヤクルト1杯分ばかりかけて燃やしたことがあります。とんでもない勢いで火がついてビビりました。

さてタンクが外せました。もし初めてのあなたがここまで来れたなら、これからは自分で「エアクリーナーの交換」や「冷却水の交換」ができます。それから「プラグ交換」もタンクがはずせた方が確実です。

タンクの取り付けは、ガソリンコックからぶら下がったままのホースを通す場所が少々面倒です。
現在タンクとエアクリとキャブを室内保管しているので、取り付けるときに追加で説明いたします。

今日はココまで。
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ファー・イースト・マン

2007年11月02日 | 日本史の雑談
ぼくは日本の歴史が好きだ。何故歴史が好きなのかと言うと、廃墟とかミイラといった残骸全般が好きなのと同じ理由からだ。今となってはその名残を留めるだけとなった、盛んであった過去へ、思いをはせるのが好きなのだ。平家物語でいう無常観にも似ている。盛者必衰。ライズ・アンド・フォール。そのあわれさが、どこか心をひき付ける。
歴史というのは、ある意味全部が過去の残骸だ。残骸というのは、決して残滓ではない。素晴らしき仲間たちの、価値ある命の営みの痕跡だ。残骸すなわち歴史の上に我々は乗っかって暮らしている。そして、今日この世に姿かたちをとどめている人の体、彼らの喜びや恨みや涙、手にした道具や、利用した物質、全てがいずれ歴史になる。今この世を生きるぼくたちのことは、いわば時間というタイトルの本の1ページに記されているに過ぎない。それがどんなにばかげていても構わない。とにかく手抜き無くページが埋めてあればそれで良い。1ページで出来ることは1ページ分だけであり、2007年は2007年以上でも以下でもない。繰り返すけど、歴史とは人間の営みそのものにほかならない。どういう時間が過ぎても、それがすなわち歴史なのだ。
歴史から「学ぶ」というのは、ぼくはおこがましい物言いだと思う。先人の歴史から教訓を得られるほど、ぼくたちは偉くも立派でもない。ぼくたちが歴史に対して出来るのは、ただ「知る」ことだけであると言いたい。「歴史は繰り返す」という諺こそなかなか的を得ていると思う。

※ ※

前置きが長くなったけど、日本の歴史を知ること。とりわけここ数年ぼくは古代史への興味が高い。
古代史は、日本人が文明らしいものを持った最初の時期であるから、古くて謎だらけだ。ぼくらのご先祖さまはどうやってこの国の大モトを作ったのか。そいつはジョジョ並みのロマンホラーであるッ!とりわけ古墳なんていう、城砦でもない住居でもない、宗教的・権威的・装飾的な巨大建築がワラワラと作られた不思議な時代に惹かれる憧れるゥ。
古代に関して色んな本を読んできた。読書(小説)はほぼ全くしないぼくだけれど、歴史関係の書籍の読書量は実はソコソコあったりする。史実として明らかなこともあれば、たまに発掘される残骸(歴史的価値があるとして出世魚のように「遺跡」という立派な名前になる)から新しい事実がわかったりもする。事実が分からない箇所については、学界の定説もあれば、さまざまな史料に基づいて自説を唱える在野の研究も多い。同じ出来事も時代によって意味あいが変わることもある。
個人的には、意味なんて後世の人間がとって付けただけで、本当は歴史に意味なんていらないと思う。

そんな中でも尽きない話題のひとつが、日本人のルーツの問題だ。古代史を紐解くうえで避けて通れないテーマである。考古学のほか人類学(形質・文化)や言語学等色々な方面から考証がなされている。詳細は割愛するが(というより、ぼく自身小難しいハナシは分からない)、支配者階級に関しても民衆に関しても、古代において、半島や大陸と大規模な混血やオキカエがあったであろうということは現在では学会でも通説なんだそうだ。
そういや、これまでも何度か紹介してきた故鈴木尚東京大学名誉教授(古人骨のエキスパートで、面白い著作が多い)は、明治維新以降の日本人の高身長化という形質変化を引き合いにしながら、縄文人と弥生人は同一の人種が変化したものと主張していたっけ。だけど晩年はこの考えを改めたと聞いている。
我々日本人の祖先は紀元前後に半島・大陸からやってきた人間と、従来から日本に住んでいた縄文人とのごちゃまぜらしいのだ。少なくとも今はそう思われている。

※ ※

「あ、そう。」
で済めば良いのだけど、民族と国家の問題は複雑だ。とりわけ、最近の日本は中国・韓国に対して悪い感情を抱く人が多い。またその逆も然りと言える。かくいうぼくだって、外人から「おまえら日本人は最低だ」とか言われたら、同じことを言い返すだろう。そういう外人はキライだ。ぼく自身も、中国韓国については一般的な「日本敵視」という悪印象が拭い去れないので、大雑把にいって中国も韓国もキライである。
だけど実際に会う人間となると話は別だ。例えば妻の友人に中国人がいるが、ぼくはその人はむしろ好きだ。彼が親日家だからかも知れないけど、ケンカごしでない相手に対しては、こちらからもケンカする理由は全くない。難しいゴタクはおいておいて、単なる人と人なのだ。
それにぼくら日本人は中華料理を美味い美味いといって食うし、キムチも焼肉も美味しい。食文化については中国も韓国もとっても素敵だと思う(ぼくは犬は食わないけど)。個人レベルと、社会レベルの話とでは、やっぱり違うわけだ。頭ごなしに「嫌中嫌韓」叫ぶ前に、もうちょっと冷静になったほうが良いとは思う。
ということで、この「日本人のルーツ」という話題になると口をつぐむ人や、逆に声高に日本国民の純血性を叫ぶ人とに分かれるそうだ。天皇家の陵墓は宮内庁による管理で立ち入りはおろか学術調査も一切禁止…なんていうハナシも、憶測を呼ぶ原因だ。
俗な右っぽい言い方をすれば、「こともあろうか天皇陛下のご先祖が韓国人だなんて?!」というわけ。
同じく「天皇なんて韓国人なんだから廃止しろ」なんて話も聞く。
あなたはどう思いますか??

ぼくはというと、結論からすれば「どうでも良い」と思います。
どうでも良いというのは、投げやりに「そんなん興味ねーからどうであっても構わない」という意味ではなくって、ナチュラルにどうであっても別に良いのではないですか、ということである。
ぼくはもうちょっと無機質に、たとえば地球はどうやって誕生したのかみたいな視点から話した方が良いのではないかな、と思う。
もし本当に「日本人の祖先は半島や大陸からやってきて日本に国家を作った」のだったとしたら?

※ ※

古代から続く天皇家の歴史というのは、日本という国家の歴史そのものである。これは大変素晴らしいことだ。確かに武家政権下の朝廷の歴史は地味だけど、とりあえず千何百年も脈々と受け継がれてきた王統というもののは、日本国民の歴史のシンボルとして誇りに思ってよいのではないでしょうか?
2000年くらい前の半島と大陸と日本にどういう事情があったにしても、少なくとも8世紀以降は日本には日本固有の歴史がある。天皇家の血筋こそ、その生きた傍証ではないか。
それだけで良い。大王が百済出身だとか呉の末裔だとか、そういうことはどうでも良い。なんら我々のアイデンティティを損なうものではない。問題はルーツではなく、支配体制を軸として日本という国がどのように運営されてきたかなのだ。一般に歴史とはそのように認識されているはずだ。なぜルーツまでが固有のものであり、あるいは隣国に対して優位なものである必要があるのだろう?
ちなみに「アメリカの歴史」ってどうなってるんだろう?英国人入植以前とそれ以後でどう扱っているのか気になる(誰か知ってたらおしえてください)。
幸い日本には、我々のご先祖様がどうやってこの地に落ち着いたのか分からないくらい昔から、日本人が日本人として住んでいた。蝦夷の皆さんにはお気の毒ですけど。これが一般的な日本史の範囲だと思う。

こう考えれば、かつて根っこが繋がっていた日韓両国は、感情論を控えてもうちょっと友好的になれると思うんだけど、どうだろうか。朝鮮半島は、かつては今の韓国とは別の国家だった。「わが先祖は倭国を撃退した!」と胸を張るのだって、ちょっとヘンな話ではないか?日本人にとって嘆くべきことではないし、韓国人にとって喜ぶべきことでももちろん全くない。
日本も韓国も、とりあえず「どっちが先に謝れ」は辞めといて、もうちょっと建設的に研究を深める価値がお互いにあるのではないかな。

※ ※

しかしぼくに限って言えばもっとシンプルで、ルーツが何であっても、例えば縄文人は我々の先祖ではなかったにしても、そこに残骸があればそれだけで良いのだ。墓穴から出てくる人骨は、限りなくいとおしい存在だ。
もしぼくがアメリカ人ならば、ネイティブアメリカンが置いていった残骸も含めて等しく歴史と感じるだろうし、興味の対象とすることであろう。
言葉を変えて繰り返すけど、ぼくにとって歴史は人間の命の営みの証、たったそれだけだ。
歴史という言葉の定義を議論するとキリがないみたいだけど、ぼくは国家とか政治とかそういう歴史の一面を作った人間の「属性」については、あまり気にならない。それらはなべて等しく時間の流れの中の1ページに過ぎないのだから。これは今日現代の日韓関係・日中関係にも置き換えられる。

他方で憎しみあい貶めあうことも人間の性の一つであるからして、とりわけ嘆かわしいことでもないと思う。ただ、ぼくと同じようなことを考える韓国人・中国人がいるのならば、ぜひお友達になってみたいものだ。
コメント (2)
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