人骨

オートバイと自転車とか洋楽ロックとか

2月23日のこと

2008年02月24日 | ただの雑談
ただ単に最近のことや今日あった出来事とか今思ってることを書かれても、読むほうとしては全くつまらないものだと思うが、このウェブログはあまり読者のことを考えていない自分の日記というのが本来の位置づけであるので、たまにはそういうことを書いてみよう。

※ ※

結局、顔面のオペを受けてきました。

「瞼の下」と「歯茎」(かなり上の方)と「眉の横」の合計3箇所に切開を入れ、割れた頬骨にアクセスし元の位置に戻した後に、プレートで固定、縫合して終了。全身麻酔だった。本格的な外科手術を受けたのは初めてだったが、切る場所がかなりエグいにも関わらず、術後ほとんど痛みはなく、また傷跡も「線」程度にしかならないというから、大した技術だと思う。

またプレート素材には、何とかお願いしてチタンではなく「吸収性」という溶けて無くなるものを使ってもらった。これで将来綺麗な骨を残すことが出来るというものだ。
しかし医師の立場としては、なんでもチタンと比べれば剛性に劣るため曲げ加工がしにくく使いづらいのだそうだ。手術室に横たわった時にも「極力吸収性で臨むが、難しい場合はチタンにします」という条件付きであったが、おかげさまである。
骨へのアクセスのため、頬の筋肉の一部を骨から剥がしたんだそうで、未だに頬全体に疼痛がある。一方外から見える縫合傷に関しては、手術3日目から顔も洗えたし、4日目からはバンソウコウ等も付けずに傷跡剥き出しでさっさと仕事に復帰している。食事にもそれほど不自由はなく、手術翌日からポテロングを食ってました。

現在は術後10日ほど経ったが、抜糸が済んで眉横の傷跡にのみテープを貼られた状態だ。抜糸後はこのテープを貼りつづけることで傷跡を目立たなくできるらしい。だが瞼の方は地形的にテープは貼れない様子だ。女性だったら大変だと思う。口の中の縫合は溶ける糸を使ったので、都合1月ほどそのまま放置すればよいという。腫れも大分引き、目立つのは内出血のアザくらいである。

なお骨折によって眼窩下神経とかいうのが圧迫されたらしく、転んだ翌日からずっと唇が痺れていた。この痺れも術後に大分改善されたが、後遺症として残る可能性があるとかないとか。あまり生きていくのに困る部分でないのでどうでも良いと思ったが、鼻水が垂れても全く分からないことに気付いた。これだけチョット困る。

切開した瞼は、ちょうど痙攣の持病がある箇所であった。手術後は腫れが引いても痙攣が起きなくなったのは、嬉しい副作用と言える。

さてこれまで手術なんて受けたことも無い自分としては、内容を聞いただけでかなりビビっと来てしまったため、顔面の骨折という新たな知識ジャンルに関してインターネットで情報収集を試みたところ、意外な事実にぶちあたった。それは世の中にはびこる「外見コンプレックス」である。
というのも、この頬骨の手術について調べたところ、骨折治療よりも美容整形のサイトに多く遭遇したからだ。頬骨の手術といえば、骨折よりも「削りたい」という美容で語られることが多いのであった。

実際に美容整形なんてそうそう受ける人が居るものなのだろうか。しかし、かの2ちゃんねるにも「美容整形板」とかがあり、そこでは経験談がたくさん語られていることが判明した。ちょっと覗いてみたら、真面目に悩んでる女性が励ましあいながら整形してたりしてて、あまりに微笑ましくて、ここはあの悪名高い2ちゃんねるなのかって思うくらいであった。
また女性だけでなく、男性にも身長とかチンポとか色々コンプレックスの種は尽きないこともわかった。
思えば自分は外見にはコンプレックスは特に無いので(コンプレックスを感じないだけであって、決して美男子なわけではない)、そういう意味では幸せな性格だなと思った。
コンプレックスは外見ではなくコミュニケーション能力の欠如と奇妙な変態性格だけである。

それから手術後に思ったのは、コミュニケーションにおいて「笑顔」というのは大切だなあということ。実は今自分は笑えないのだ。笑うと口の中の縫合が突っ張って裂けそうになり、痛いからだ。笑うべき場所で笑わないと何だか気まずい思いをする。しかしそんな会話のシーンで自分の周囲を見ると、意外に笑っていない人も多い。自分は笑顔の安売りをしすぎていたのかもしれないな。笑顔が多いのは良いことかもしれないが、あんまりヘラヘラしてると安っぽい印象がするのは確かだろう。等々余計なことを考えてみる。

※ ※

今日は本当は休みだったけど仕事に出かけたので、通勤がてら久々にVTRにまたがってみた。今まで気づかなかったけど、フルフェイスは結構顔を締め付けるらしく、頬骨が折れた身としてはなかなか痛かった。早く元気になって走り回りたいものです。

その後自宅で、妻が買ってきたキッチン棚を取り付ける。作業は私に外注するという前提で、勝手に買ってこられてしまったシロモノだ。
道具は揃っているのだが、タイルには中々ドリルの歯が立たないという困難に直面。試みに穴を開けたい箇所へセロテープを張ると、これが的中でピタリと狙い通りの場所へ固定することができ、無事に穴をあけられた。ステンレス製で結構重たい棚であるのだが、外れないかどうか非常に気がかりである。DIYしか取り柄のない自分にとって失敗は許されないのだ(家庭内での立場に響くから)。

※ ※

以上。
明日棚にモノが載るのが心配である。
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壊れた骨

2008年02月04日 | ただの雑談
土曜の終電終了後、雪の降りはじめ。その日のミッションを終えた自分は、ひとしおの充実感とともに、家を目指して小一時間の道程をチャリンコで漕いでいた。
ただし寒く、そして眠い。うっかり歩道の段差で滑って転倒した。
しこたまこめかみを打ち、しばらく起き上がれなかった。

「うむむむ、くっそぉ…!」

自分の体に雪が積もっていく…。ああこのまま眠ってしまいたい。

それでも気力で立ち上がり再度帰路へ着くが、敵は寒さと睡魔に加えて苦痛までが加わり、2駅ばかり走ったところであえなく棄権決定。
某駅前にてタクシーにすがりつく。汚いけど乗せてくれるかな…。

「いやいやお客さん、救急車にしたほうが良いよ!」

「何故?」

顔に吹き付ける冷たい雪のせいで全く気づかなかった。バックミラーに映った自分の顔は、惨殺死体のごとく血まみれであった。カッパも血だらけ、魚屋さんのエプロンみたいだ。

冷静に考えてみた。タクシーにも乗れない以上、寒い眠いし痛い自分を今すぐ救ってもらうには、病院に行くしかないみたいだ。運ちゃん曰く、すぐそこに救急もやってる大きい病院があるという。

駅前交番で道を訪ねる。私の顔を見た瞬間、警官3人が顔色変えて立ち上がった。

「どうされました?!」

「…えーと」

「車に轢かれたの?!」

「…道を聞きたいだけなんですが…」

ドラクエ的に言うと残りHPがヒトケタ状態なんで、これ以上彷徨したくない。決して間違えないように、慎重に道を聞く。

「本ッ当に救急車呼ばなくて良いの?」

何度も念を押されたけど、信号3つの距離ならチャリですぐだし、救急車なんて悪いし待てないから断ったよ。

病院を訪ねる。救急病院の待合室は明るく広くてパラダイス。泥酔して仰向けでお休み中のリーマンの姿が目に入った。あんなんで迷惑掛けちゃカッコ悪いよなあプププと思いながら、血痕を残してウロウロしている自分が一番迷惑だったかもしれない。受付を済ませ診察室へ。レントゲンやらCTスキャンを受ける。


結果。
こめかみを縫われた。何針かって?聞いてないから分からない。何故ならそんなことはどうでも良いからだ。

ドクターが机の引き出しから頭蓋骨の模型を取り出し説明を始めた。「あ、その模型ちょっと欲しいかも」と思ったのも束の間、なんてことだろう!私は顔面を骨折していたのだ。具体的には頬骨骨折というご診断。若干カオつきが変わっているらしく、場合によっては要手術だそうだ。

「だ、だ大事な頭蓋骨がァァAAAAHHHH------!!」

鼻血が噴き出した。本当に止まらない。骨折のせいで溜まっているらしい。

「手術が要るかどうかは微妙ですね。もっと軽度なら勧めませんし、もっと重度なら勧めるところです。微妙なところです。した方が良いかもなあ、いやそうでもないかな。どうする?」

「(どうする?って言ったって…)あの、手術って顔面がこうブラックジャック先生みたいに傷だらけになっちゃうんですかね?」

「いやいや、口の中からやるから平気ですよ!顔面を触るのは、二重まぶたの整形手術程度ですからキズなんて気になりません」

「ブー!」

「大丈夫、全身麻酔ですよ。寝てるだけ」

「なんかこう、金属プレートとかが体内に残っちゃったりするんですか?」

「いやいやチタンだから大丈夫です。チタンという金属は(略」

とうとうサイボーグか。マンマシーンか。

結局、次回の診察で「オペ」にするのか「放置」にするのかが決まる。
心の底からションボリして、タクシーで家に帰った。

家で鏡を見たが、敗れたボクサーのようにキズだらけなのを除いて特に何かが変わった様子は無い。不思議なことに、骨が折れているというのに大した痛みもない。うーん、ほっておけば良いんじゃないの?

翌朝。一面の銀景色には目もくれず、腹が減ったので大好きな貧乏食パンにチーズを載せ頬張る。

「…ぎぃ…ニャァァァ!!!」

痛い!アゴが痛い!ムチャクチャ痛い!
く・食えない!

今日仕事へ出かけると、目の周りがパンダのようにうっ血していた。
両目の眼窩を指でなぞると、右側だけ下のほうが明らかに出っ張って突き出している。おかげで右目が下から押し上げられ、ちょっと上にずれていることに気が付いた。
そうか折れているのか、いま実感した。


こんなかんじ


赤線の部分が折損し、内側へ向かって、上の方へ向かって、陥没しているそうだ。また、鼻の横、丁度折れている線上に穴があるのが分かるだろうか。ここは上顎骨というそうで、穴は神経が通る穴なんだそうだ。ここがやられているそうで、今現在も鼻と上唇それぞれ右半分の感覚が無い。麻酔を打ったときとか、シビレて動けない足に似ている。典型的な頬骨骨折のパターンらしい。

こんなことをわざわざウェブログに晒すのは他でもない。
これは自らへの戒めである。不注意もあるが、日頃のとんでもなく悪い行いに対してバチがあたったのに違いない。
私のせいで酷い目や哀しい目に遭った罪も無い人のため、私はこの試練を甘んじて受けます。

一方でこれからどうなってしまうのか分からない現在の状況が、何だかワクワクして落ち着かない。

私はいま、唯一口に出来る食物である「ヨーグルト」をすすりながら次の診察の日を待っている。

ああ。
コメント (10)
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