土曜に「チーム@アンタ新年寒中BBQ大会」というのをやってきた。
チーム@アンタについては以前も触れた記憶があるが、要するに職場内の浮き草や右翼の集まりである。ぼくのようなロクデナシを「副隊長」として大事に扱ってくれるし(理由は知らない)、隊員の誰かが旅行に行くとよくおみやげを買ってきてくれるため、ぞんざいにはできない。
先日も息子にクリスマスプレゼントが届いた。「隊長」ことO君はぼくの住む町と隣接する町に住んでいるのだが、例によってわざわざクルマでポストまで届けてくれたのだ。
(これ)
その後隊長はこともあろうか朝鮮軍事境界線DMZに旅行に行って、これまた貴重なオミヤゲを買ってきてくれたりしている。
そんなわけで今回「寒中BBQ」なのだが、ぼくはご存知の通り人格障害寸前腐れDQNで著しく協調性に欠けるため、「人と一緒に食事をする=酒を飲む」という図式しか頭に無い。それ以外の時間はできるだけ一人でいたいから(アンタの顔ぶれはかなり親しいのにも関わらず)、現地集合までは単独行動。今回は現在自分の中でホットな「自転車」で出かけることにした。ちなみに場所は江東区の夢の島。ウチからの距離はよく分からないけど、多分40kmくらいではなかろうか。これくらいの距離なら往復しても問題ないのだが、酒を飲んで運転して帰ることは出来ない。よって帰路において先日もお話した「輪行」に初トライすることにしたのだ。
準備としてまず専用の輪行袋というのを購入した。ぼくが買ったのが
コレ。値段に注目してもらいたい。やはりあまりに特殊でニッチな商品なせいだろうか、異様に値が張るでしょう?渋々の購入であった。メーカー側にとってはかなり利益率が良さそうである。中には取扱説明書が入っていた。それによると実行する前に練習することが勧められていたのだが、BBQには時間もあるからぶっつけ本番にすることにした。とりあえず前後輪を外した経験があれば十分だろう。
さて当日現地にて。買出し作業は、ぼくだけチャリなので免除していただいた。合流するとさっそく準備開始。アウトドアオタクでもある隊長がクルマを出しており、道具一式を貸してくれる。どうせ今回も何か新しい道具を披露するつもりに違いないと踏んでいたが、およそその通りであった。ぼくはアウトドアそのものにはそれほど詳しくもないしあまり興味も無いから詳細は割愛。
ナベと焼肉が同時に用意される。肝心の酒類を見ると、500mlのビール3本、日本酒720ml1本、白ワイン1本のみ。人数は5名。隊長は運転する都合飲まないので実質4名。ぼくだけでビール3本とワイン1本は飲めるキャパシティを有しているため、内心
(なんだ、全然酒足りないじゃん!)と不満であったのだが、途中でガスコンロのボンベが切れたため、ぼくが近場のコンビニまで買出し役を買って出ると同時に焼酎を1本買い足しておいた。これなら大丈夫だろう。
しかし皆の飲むペースを見ていると、乾杯用のビールがいつまでも紙コップに残っている様子。昼間だしそれが大人というものなのか、あるいは隊長に気を使っているのか、それともみんなあまり酒が好きじゃないのか、よく分からないが場の空気を読むということを知らないぼくは構わず一人で飲み続けた。この顔ぶれの中では自分が一番年長者なのだが、なりふり構わぬ。それが私の生きる道。DQNなのは十分承知、覚悟の上である。人間関係を取るか、酒を取るか。ぼくは躊躇なく後者。
ということで心行くまで十分に泥酔し、以降何をしていたのかもよく覚えていない。
一昨年の猿島遠征と同様である。ただし今回は立ちションだけはするまいと決めていた。
ちなみにBBQ卓は20以上はあったと思うが、全く無人。鬼のように寒い。ぼくはバイクの冬用ジャケットを持ってきた(着てチャリを漕いだら暑過ぎるから、わざわざ背負って)ので余裕だが、手が冷たいし鼻水は止まらん。吹きすさぶ海風のせいで、とにかくモノが吹っ飛ぶ。隊長は「まあ我々の向かうところは常に向かい風ですから」とニヤニヤするだけで全く動じず。職場で集めてきた聖教新聞を皆に配る隊員とそれに見入る各隊員。キムチ鍋に「汁付きおでんセット」「轟轟戦隊ボウケンジャー チーズ入りウインナー」等を遠慮なく放り込む隊員。野菜類を「この方が男らしいっす」とか言いながら全く包丁を使わずにねじり切る隊員。アンタッチャブルというのはどういう意味なのかよく分からないけど、ぼくがいてもそれほど不自然ではないのがありがたい。
やがて閉園時刻。BBQの片付けを尻目に自転車収納に取り掛かる。隣の無人BBQ卓を用い、ここへ輪行袋を広げその上にチャリンコを逆さまに乗せて、前後輪を撤去。フレームのリアホイールステー部(?)には、ホイールを抜いた代わりに「エンド金具」という保護金具を取り付ける。収納自体はなんとかなったのだが、どうしても付属のベルトの使い方が分からない。絶対必要なんだけどいくら取り説を読んでも理解できないのだ。「人は酔っ払うと紐の結び方が分からなくなる」ということが今回証明された。ちなみに酒のせいもあってか、収納前に前後輪を外した状態でしばらく置きっ放しにしているうち
チャリンコは風で吹っ飛ばされ地面に落下した。壊れたかも知れないが、泥酔しているからあまり気にしない。その後ちゃんと車輪がガタもなく付いたから大丈夫だろう。8万円程度のチャリというのは、その道にハマッてしまった後は買い換えられる運命だし、ハマらなかった場合はやがてメンテナンスフリーで酷使されるか、放置されるだけの存在だから、構わないのだ。物欲キングな自分としては、自画自賛ながら非常に合理的な考え方といえよう。
隊長のクルマに積んでもらい最寄の新木場駅から袋に詰めたチャリンコとともに電車に乗り込む。ベルトの意味が分からないからスグずり落ちてきて大変である。かなりでかい荷物なので電車の中では邪魔になる。よって、これはネット等で適当に得た情報の受け売りであるが、
1.最後尾もしくは最前部の運転席・車掌室前に自転車を置く
2.混んでいる時間帯を避ける
これだけは守ることにした。
当日の時間の都合上「2」は最初からOK。「1」も運良くその場所が空いていたので確保。もと鉄っちゃんだった自分としては、最後尾でなくとも要するにクハに乗れば良いんだろうと思ったのだが、それ以上に大切なのは混まない箇所に置くということだと理解した。実際袋に詰めたチャリというのはかなりデカく、そして重たかったからだ。場違いなところにあるモノというのは邪魔なものだ。外では普通に見えるチャリも、メンテナンスのため室内に持ち込むと異様にデカく見えるからな。一応公衆の面前ではなるたけDQNを晒さぬよう泥酔者ながら細心の注意を払う。
駅に着くとエッチラオッチラと改札までこれを担ぎ、改札外で組み立て開始。まだ酒が抜けてないから前輪の向きを間違えて装着したりしたが、とにかく初輪行は無事に遂げられた。
実はぼくがのんきに遊んでいる間家を守っていた妻には、その後夜の用事があったことが判明している
(詳細不明)。帰りを待っていた彼女に、駅から電話を入れる。
「今チャリを無事駅から解放したので、あとは随時組み立て自宅へ戻るのみ。組み立てにかかる時間は達人なら5分だけどぼくは初めてだから倍~4倍はかかると思うので、帰宅時刻を適宜考慮のうえ外出準備するこ…」
「ロレツがヤバイからタクシー使ってでも今すぐ戻って来い」
新幹線やら飛行機やらを使って、バイクじゃ滅多にいけない場所へチャリンコを担いで出かけることを想像してみる。
新しい旅に出てみたくなるじゃあないか…!
(ちなみに妻は翌朝6時半に帰宅している)