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登山国道ツーリング

2008年09月18日 | ツーリングのレポート
秘境ツーリングへ出かけた3名(私と課長とSクン)で再度の原付ツーリングを行った。今度は1泊2日である。事前に計画していた通りの運びである。

目的地は「登山国道」。福島の甲子温泉とかいうところにある、国道289号が分断されている付近である。
峠越えのため、広い国道が突然林道みたいに細くニョロニョロした山道になることは、比較的よくある。
ここでも峠というか山脈というかに遮られて国道が急に山道になるのだが、山道は山道でも単なる山道ではない。純然たる徒歩専用の登山道が、国土交通省管轄の国道なのだという。
登山道に国道のカンバンが掲げられているシーンはネット等でしばしば紹介されている。

課長は所謂酷道マニアなのでこういうのに目が無い。目が無いどころか、この現場も既に訪問済だそうだ。しかし前回訪問時写真撮影に失敗しており、そのためリベンジに燃えているところだという。
しかもこの「登山国道」は2008年9月に廃止される。最新の土木技術を駆使して山をくり抜いた新しい国道トンネルが完成しているためだ。
「今行かずしていつ行く!」
という微妙な気負いとともに、我々は甲子温泉を目指すことになった。

温泉を目指すというとのんきであるが、実は温泉には泊まらない。そこからさらに直線距離100kmほど南下して宇都宮市内に宿を取っているのだ。これは単に2日目にラクに帰りたいからとのことでそうなった。初日行程は400kmになるだろう。
400kmと言えばかなり走る方だなあ。現場は福島県。栃木との県境近くだから福島では南の方だが、それでもかなり遠い。

実は私は今回ルーティングとタイムキープの担当となった。このため距離や時間を計算してみた(ひとりならこんなことはしないけど)。
残り2名は千葉県から出発し、私だけ多摩から出発する。都合、集合場所は茨城県の「道の駅しもつま」に朝10時となった。
私など集合場所までいきなり100kmあるではないか。他の2名はその6~7割だろう。しかし走り方等を考えると私にはハンデがあって丁度良いようだ。私は所謂バカスク同然のDQN走りであるからだ(渋滞してても早く着く)。

前回はコレダにボアアップを施して秘境に臨んだが、この日のためさらに色々と手を施してある。

まずかねてご紹介の通りリアサスをプリロードつきの社外品にリプレイスしている。
またフロントに関しても、フォークのオイルシールを交換した際に固めのオイルを入れると共に、15mmほどイニシャルを噛ませてプリロードを固めている(方法は別途紹介したいと思います)。
またフロントブレーキにおいても、シューも純正より幅の大きい他車種用のものに更新し、制動力の微増を図った。
さらには10年選手だったタイヤをとうとう交換した。
ボアアップ&最終減速比変更によって最高速度があがり、いつもスピードメーターを振り切っているので具体的な数字は分からないが、速度は少なくとも70km以上は出ていることであろう。その速度に耐えうるだけの対策となっているかどうかは分からないが、確実に車両の寿命を縮めているのは間違いない。しかしコレダはモルモットなので気にしないことだ。


当日の天気予報は微妙だったが、暑いこともあって多少雨がぱらつく程度なら無問題ということで、ほぼ雨天決行という計画だ。

朝7時ちょっと前にひとり家を出る。和光市から圏央道高架下国道の298号に出て草加へ至り、草加から国道4号を下り、庄和インターで16号に乗りかえ、下総利根大橋有料道路とかいうのを渡って国道294へ至るというルートである。
オール下道で所要時間は2時間半であった。距離はちょうど100km。アベレージ40km/hで走れたことになる。

下妻物語に出てきたジャスコ等を見学してから10時の集合時刻丁度に道の駅に向かう。間もなく他の2名もほぼ時間通り合流できた。

ここで「クラッチが重い」と訴える課長に、クラッチワイヤーを捻じれ方向へさらに捻って取り付けるという民間療法を施したあと、すぐさま出発。

国道294を北上し、R408→R4と北上を続け、途中ファッションセンターしまむらで買い物をしつつ(謎)、矢板市の片岡というところから脇道の県道へ入り、那須方面へ。
このあたりの蕎麦屋で昼食をとる。予定通り13時までに昼食を終えることができた。

那須になると道もとても空いていて、ほとんど60km/hペース。やはり原付は2種に限る!とても気持ちが良い。

さていよいよ那須岳に向かって坂道を登り始めると、コレダはトルク不足に陥った。加速しない。アクセル全開で失速していく。高速寄りのギア比に変更したのもさることながら、やはり50�にヒゲが生えただけのバイクでは無理もないか…。S君のスーパーカブ90も同様であった。カブは4サイクルだし、ギア3速しかないし、S君が80kgもあるからだろうか。
その点課長の125は全然余裕そう。やはり原付二種は乙種(90~124cc)に限るかもしれない。

続いて有料道路のボルケーノなんとかという山岳スカイラインに突入。クルマは1000円以上のところ原付は50円とかである。これは走らなければソンである。全編ワインディングである。
登らないため全く遅い。ほんとに「ただ通ってるだけ」という走り方しか出来ない。
下りになったので、ちょっと色気を出して飛ばしてみた。VTRと同じ感覚でコーナーに突っ込もうとして思わず冷や汗をかく!ブレーキが全く効かない。。
渾身のフルブレーキでなんとかガードレールに激突せずに済んだ。この時握ったブレーキレバーはハンドルグリップまで当たった。レバーの遊びは結構少なめだったのに。このブレーキでは飛ばせないなあ。
以降下り坂が長く続いたが、用心してレロレロと走りました。コレダスポーツはあまりスポーツではないことが分かった。
スカイラインとかいう名前の割には展望スポットの類が無い。途中に駐車場という看板があったため小便休憩がてら寄ってみたら、そこはだだっ広いスキー場の廃墟だった。まあとりあえず廃墟なら訪問しておくかということで、私と課長は内部潜入(S君は近づこうとすらしない)。


ハイハイ廃


しかし私が言うのもなんだが、単なる廃店舗の趣でありどうということもない場所であった。元駐車場なのか分からないけど広い原っぱのようなところで秋風をたっぷりチンポで受けながら立ち小便。Who's nextのジャケットそのまんまであった。


小便終了


さてついに国道289へ至る。目的地は国道の分断地点である。
が、実はその手前の国道上にかなりハードな萌えスポットがあるのだ!
それは「きびたきトンネル」という。トンネルの内部からバイパストンネルが生えていて、もともとあった本来のトンネルは内部で廃止されているという奇形道路である。これは本来のトンネルが諸般の事情によって廃止されてしまったために出現した珍現象なのだ。詳しくはネット等で調べてほしい(私より何倍もお詳しいその手の方がおられます)。
トンネル通行中に確かにその部分を目視することができた。
ここは帰りに寄ることとして、まずは登山国道を訪れることになる。

14時半には現地に到着。想定到着時刻より1時間早いのでタイムキーパーとしてはホクホクである。登山道入り口は、大黒屋という老舗旅館の駐車場の先にある。一見そこは旅館敷地であり、「入っちゃって良いの?」という感じありありなのだが、既に場所を知っている課長を先頭にズイズイとバイクで侵入。かなり秘境感あふれる温泉宿だ。
車上からはるか眼下の谷の方を望んだ時、河原にあると思われる露天風呂へ向かう女性を発見した。1秒以内に、彼女が全裸であることに気づいた。一瞬我が目を疑い思わずのけぞりそうになったが、もう1秒経たないうちに彼女がとってもシニアであることが分かったため、この時平常心を失うことは無かった。


ここから先も国道(この先にも国道看板アリ)


で登山国道がこれである。
確かに、写真のとおり旅館敷地の通路にしか見えない場所に国道の看板があって、その先の登山道にも同様の看板がある。何故このようなところに国道であることを主張する必要があったのかはよく分からないけど、ともあれ国土交通省様に管理されている登山道を歩くというのも一興ではなかろうか。
課長が「看板くん」との再会を喜び大興奮していたが、私はそんなことより、この山の向こう側から、魔物と戦いながらほうほうの体で山道を超えて歩いてきた登山者が、ここで温泉宿に出会ったらドラクエ並に感動するだろうなという妄想ばかりしていた。
だけどこの宿が実はトラップでさ、部屋で休もうとすると突然襲われて中ボス戦になっちゃったりしてさ、でも実は敢えて全滅しないと先へ進めない仕組みなのに、うっかりムカついてリセットしちゃったりしてさ。
等々ストーリーを考えているうちにこの場を去ることとなった。続いて先ほど通過したきびたきトンネルへもどる。出口側からも拝見したのだが、やはり敢えて危険なトンネル内部側からアプローチすることとなった。


きびたきトンネルと廃トンネル


トンネル内分岐へ戻る。廃道の入口の方には土嚢がズッシリ積まれていて一見通行不能であるが、人一人分スリ抜けるスペースはある。その向こうに広がっていた景色がこうである。


土嚢の裏の楽園


トンネルを2つ抜けると、本来そこに架かっていたはずの橋が、無い。
私はこの日初めて平常心を無くすほど興奮した。多分70年代のブラック・サバスのライヴを観れたのと同じくらい興奮したと思う。
名残を惜しみながら、15時半には退散。今来た道をひたすら引き返す。宿泊地の宇都宮に着いたのは19時近かった。市内の激安居酒屋で3人で飲んでからビジネスホテルに泊まった。

翌日は、特に見るべきこともないため、私が以前行ったことのある常陸国小田城(神皇正統記で有名)ならびにナントカ鉄道廃線との複合遺跡を皆さんへ紹介し、水海道市の吉田城(現役の城)を訪れてその場で解散となった。後者については、以前からR294から見えるあの城は一体何なんだろうと思っていたのだが、今回初めて謎が解けました。


鉄道と城跡の複合遺跡、小田


解散後も行きと同じルートであったが、特に笹目通りに入ってからは渋滞が激しかった。ここはいつも通り鬼走りで18時には帰宅。
課長にS君、お疲れ様でした。


吉田城
コメント (5)
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