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レズビアンと性フェロモン

2006年05月29日 03時00分40秒 | セクシュアリティ雑感
 毎度のgay.comの記事にでていました。元論文は『アメリカ科学アカデミー紀要(ProNaAcSci)』です。

 そもそも人間に性フェロモンなるものがあるのかどうか、長い間疑問視されてきました。フェロモンとは、同種の他個体に対して化学物質によって情報伝達をする物質のことです。たとえば、ゴキブリは糞に含まれる物質に集まってきます(集合フェロモン)。アリは餌を見つけた後の帰り道に道しるべになる物質を地面につけながら帰ってきて、仲間はそれをたどって餌にたどり着きます(道しるべフェロモン)。ミツバチの女王バチは自分が女王であることをにおいによって仲間に知らせます(女王物質)。カイコのオスはメスが出す物質に近寄っていきます(性フェロモン)。
 とまあ、だいたいフェロモンによって起こる反応は、まだ脳が十分に発達していない動物たちが取るものだと思われていたわけです。

 それが脳の活動を画像化する装置を用いて、物質に対する脳の活動を記録してみたところ、どうも人間の脳もフェロモンに反応しているようだということが分かりました。わきの下に脱脂綿をはさんでおいて、それをかがせたときに、ストレートの男性は女性のにおいに反応し、ストレートの女性は男性のにおいに反応した。人間では、反応が脳のレベルでは起こっているけれども、直接行動としては現れないので、検出が難しいんですね。さらに2000年にアメリカの研究チームが、フェロモンを受け取る受容体が鼻の嗅覚細胞で作られていることがわかって、ヒトもフェロモンに反応することがはっきりしました。そして、男性フェロモンは男性ホルモンから、女性フェロモンは女性ホルモンから作られることがわかりました。

 受容体の遺伝子を発見したチームが調べてみたところ、ゲイの男性は、ちゃんと男性のにおいに反応をしたわけです。

 今回の結果は、レズビアンにおいて、ゲイよりは弱いけれども、同様の結果となりました。
 ストレートの女性は、男性フェロモンにも女性フェロモンにも同程度の心地よさを感じるのですが、レズビアンは女性フェロモンのほうに心地よさを感じたのです。これは男性の反応と同様です。
 つぎにホルモンのにおいをかがしてみました。
 ストレート男性とレズビアンは男性ホルモンのほうがイラつくとし、ストレートの女性は女性ホルモンのほうが気に入らなかったのです。

 さらに脳の反応を調べてみました。
 ストレートの男性では男性ホルモンのにおいは嗅覚野で処理され、女性ホルモンは性的刺激に関与する海馬で処理されました。ストレート女性では、逆で女性ホルモンは嗅覚野で処理され、男性ホルモンが海馬で処理されました。
 レズビアンでは、両方とも嗅覚野で処理されたそうです。どちらも直接、性的刺激と結びついてないのかな? ここは不思議なところです。

 
 

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