脅迫者
1951年/アメリカ
リメイクされない理由
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『孤独な場所で』(ニコラス・レイ監督 1950年)の翌年にハンフリー・ボガートが主演した作品である。脚本は意外と手の込んだものであるが、演出に切れがない。証言者として裁判所に連れてこられていたジョー・リコが、向かい側の建物から狙われて銃で撃たれて殺されかけ、外にいた、ボガートが演じる検察官のマーティン・ファーガスンが現場に駆けつける際に、階段で一気に駆け登ることなく、のんきに裁判所のエレベーターを使うなど、全体的に登場人物の動きが緩慢である理由が、当初はブレテイン・ウィンダストが監督を務めていたにも関わらず、病気のために途中からラオール・ウォルシュに監督が交代されたこととの関連はよく分らない。
‘青い瞳’が事件を解く鍵となっているこのモノクロ作品こそリメイクされるべきだと思うのであるが、何故か1976年に制作された『The Enforcer』の邦題は『脅迫者』ではなくて『ダーティハリー3』である。しかしシーンの引用はされているようで、例えば、ジョー・リコが裁判所の洗面所の窓ガラスを割って、壁伝いに逃げようとするシーンは、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(ブラッド・バード監督 2011年)において、クレムリンの爆破に巻き込まれて病院に担ぎ込まれたイーサン・ハントがロシア諜報員のアナトリー・シディロフから逃れるために、病院の壁伝いに逃げるシーンと同じ構図で撮られている。
『脅迫者』のプロットの要の「殺人ビジネス」の成り立ちは奇妙なものである。首謀者であるアルバート・メンドゥーサがジョー・リコの手腕を買って‘請け負い殺人’のビジネスを始める最初の犠牲者は2人がたまたま入っていたカフェのオーナーで、メンドゥーサが殺すのであるが、オーナーを殺して誰から500ドルの報酬をもらうのかがよく分らないのである。この脚本の不備がリメイクされない要因なのかもしれない。
テレビニュースにおける知の未成熟(GALAC/ぎゃらく) - goo ニュース
福島第一原発では、原子炉建屋のたまり水がタンクの容量の限界に近づいたために、
浄化した水を敷地内で散水していた。以前の会見で、「安全だというなら飲んでみせろ」と
記者に迫られていた内閣府の園田康博政務官が昨年10月31日、その水の安全性を
証明するために浄化水を飲んでみせたことに対して、この日の夜のどのニュース番組も
このパフォーマンスを懐疑的に扱った。確かこの手のパフォーマンスの元祖は、1996年
8月のO157騒動の際に菅直人が記者会見の場でカイワレのサラダを食べることで、
安全性のアピールを図った辺りからだと思う。最近でも2011年3月24日に都水道局の
金町浄水場(葛飾区)の水道水から乳児の基準値を超える放射性ヨウ素が検出された
問題で、石原慎太郎知事が安全性などを確認するため視察した際に、同浄水場で取れた
水道水をコップ1杯飲み干すというパフォーマンスを見せている。要するに「売り言葉に
買い言葉」という以前に、“人体実験”こそが一番分かりやすい“土壌”が出来つつあるのだ。