MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『大空港』

2018-07-01 00:54:50 | goo映画レビュー

原題:『Airport』
監督:ジョージ・シートン
脚本:ジョージ・シートン
撮影:アーネスト・ラズロ
出演:バート・ランカスター/ディーン・マーティン/ジーン・セバーグ/ジャクリーン・ビセット
1970年/アメリカ

ダイナマイトが爆破してもびくともしない飛行機について

 今改めて本作を観なおしてみると、どうしても違和感が残るシーンとして失業中の土木作業員のD・O・ゲレーロが自身に旅行保険をかけてアタッシュケースに現場から盗んだダイナマイトを仕込んで機内で爆破させ、機体の一部に穴があいたものの、機体自体の運航に支障はなく無事にリンカーン空港に着陸するのであるが、ダイナマイトが爆破しても機体に致命的なダメージがないというのは考えられないのである。
 そこでこの物語の元になった事件が何だったのか調べてみたら、1962年5月22日に起こったコンチネンタル航空11便爆破事件(Continental Airlines Flight 11)を見つけた。航空史上、民間ジェット旅客機が破壊活動により墜落した初めての事件で、機体がボーイング707で、保険金目当てで、トイレでダイナマイトが爆破したというところまで同じで、機体が空港に戻れたか途中で空中分解したかが最大の違いなのである。
 さらに原作となったアーサー・ヘイリーの『大空港(Airport)』(1968年)を調べてみたらシカゴ・オヘア国際空港(Chicago O'Hare International Airport)、つまり事件が起こった空港がモデルであると書かれていた。つまり本作はダイナマイトが爆破しても機内はびくともしないということをアピールする意図で製作されたのではないだろうか。


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