MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アメリカ アメリカ』

2018-09-11 00:15:24 | goo映画レビュー

原題:『America, America』
監督:エリア・カザン
脚本:エリア・カザン
撮影:ハスケル・ウェクスラー
出演:スタティス・ヒアレリス/フランク・ウォルフ/ハリー・デイヴィス/リンダ・マーシュ
1963年/アメリカ

「愛」と「同志」の尊さについて

 主人公でギリシャ人のスタヴロス・トポウゾグロウは親友でアルメニア人のバルタン・ダマディアンの死をきっかけにアメリカに行く決心をするのだが、家族から資金を得て、とりあえず敷物商を営む従兄弟のオデッセ・トポウゾグロウを頼りに彼が住むコンスタンチノープルに向かう。しかし旅の途中でトルコ人のアブダルに騙されて全財産を奪われてしまう。
 オデッセイの元にたどり着いたスタヴロスは手っ取り早く大金を手に入れるために街の金持ちのアレコ・シンニコグロウの娘のトムナと結婚させようとするのだが、あくまでもアメリカに行きたいスタヴロスはその申し出を断り、オデッセイと絶縁してしまう。
 しばらく港の運搬夫としてコツコツとお金を貯めて行ったのだが、銃撃戦に巻き込まれて重傷を負ったこともあって再びオデッセイの元を訪れて、トムナとの結婚を受け入れることにする。しかしアメリカへの想いは断ちがたく、スタヴロスはトムナに本心を話すと、結納としてもらったお金を渡航費に使ってアメリカ行きの船に乗ってしまう。
 スタヴロスはアメリカで働けるようにオデッセイの店で知り合ったアルメニア系アメリカ人のビジネスマンのアラトン・ケバビアンに雇用先を斡旋してもらっていたのだが、妻のソフィアとスタヴロスの関係を疑ったアラトンに約束を反故にされてしまう。
 そんな時、スタヴロスと一緒に乗船していた知り合いのアルメニア人のホハネス・ガルダシアンが肺結核を患い、誤って船から落ちてしまうのだが、ホハネスの雇い主とスタヴロスの利害が一致してスタヴロスはホハネスとしてついに念願のアメリカに上陸するのである。
 下心を持って付き合った人たちとはトラブルに見舞われるのであるが、結局、トムナの「愛」、あるいは裸足でアメリカに向かっているのを偶然目撃して無償で靴を与えたホハネスのような「同志」には助けられるというのが本作のメインテーマだと思う。

 絶望しているスタヴロスがデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ(Dexys Midnight Runners)のケビン・ローランド(Kevin Rowland)に似ている。たまたまだとは思うけれど。


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