原題:『翔んで埼玉』
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
撮影:谷川創平
出演:二階堂ふみ/GACKT/伊勢谷友介/ブラザートム/麻生久美子/島崎遥香/中尾彬
2019年/日本
画面の色彩の「白っぽさ」の原因について
『あの日のオルガン』(平松恵美子監督 2019年)同様に本作は埼玉県を主な舞台としているが、当然実話ではない。
コメディー作品としては優れているのだが、どうも気になるのが「画質」である。例えば、同じフジテレビが製作に関わっている『マスカレード・ホテル』(鈴木雅之監督 2019年)の色彩の艶やかさと比較するならば、本作の露光過多の白っぽい画面をどのように捉えればいいのだろうか? それが演出意図だとするのならば「伝説パート」と「現代パート」の露出比を区分して撮影するべきで、色彩を艶やかにすることで「伝説パート」をよりまがい物に見せることができたように思うのである。あるいはそれほど期待されていなかった作品に課せられた低予算によるものなのか、あるいは東宝と東映という映画会社の作風の違いによるものなのか興味が尽きない。