MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『マイ・サンシャイン』

2018-12-22 00:51:56 | goo映画レビュー

原題:『Kings』
監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
脚本:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
撮影:デヴィ・シザレ
出演:ハル・ベリー/ダニエル・クレイグ/ラマー・ジョンソン/レイチェル・ヒルソン
2017年/フランス・ベルギー・アメリカ

原題が複数形になっている意味について

 邦題ののどかさとは裏腹に、本作は1992年に起こったロサンゼルス暴動がモチーフになっている。きっかけの事件となった前年の黒人男性のロドニー・キングが白人警官たちにボコボコにされているヴィデオは見た憶えがあったものの、さらに13日後にラターシャ・ハーリンズという15歳の黒人の少女が韓国系アメリカ人のトウ・スンジャに射殺されていたという事実は知らなかった。
 ところで原題である「キングス」とは何を指すのか勘案するならば、もちろんロドニー・キング(Rodney King)であるのだが、原題は複数形なのだからロドニー・キングだけではないのである。本作の中で「キング」といえば残りはバーガーキング(Burger King)しかない。つまり本作はあれだけ無法地帯と化したロサンゼルスで「ロドニー」のような黒人だけでなく白人や韓国人もボコボコにされている中においても、「バーガー」のように美味しい食事を提供してくれるところは無傷でいられるという、2つの「キング」の対照性が描かれているのである。


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