現在、東京国立博物館 平成館において『マルセル・デュシャンと日本美術』という特別展
が催されており、デュシャンの初期の作品を観ることができる。
『芸術家の父親の肖像(Portrait of the Artist's Father)』(1910年)
『デュムシェル博士の肖像(Portrait of Dr. Dumouchel)』(1910年)
『チェス・ゲーム(Joueur d'échecs (The Chess Game) )』(1910年)
初期のデュシャンの作風はナビ派といったところだろうか。
『チェス・プレイヤーの肖像(Portrait of Chess Players)』(1911年)
チェスをしている2人の兄弟を描いた上の作品から一気にキュビスムへと作風がシフト
していく。中心に描かれたチェスの駒によりこのチェスが現実のものではなく、精神的な
チェスを暗示しており、デュシャンの「キュビスム」は平面にとどまることなく立体と
化していく。