原題:『The Florida Project』
監督:ショーン・ベイカー
脚本:ショーン・ベイカー/クリス・バーゴッチ
撮影:アレクシス・サベ
出演:ブルックリン・キンバリー・プリンス/ブリア・ヴィネイト/ウィレム・デフォー
2017年/アメリカ
ディズニー・ランドに「住み損ねた」人たちについて
批評家には高評価を受けている本作なのだが、それほど良いとは個人的には思わなかった。例えば、主人公で6歳のムーニーが冒頭で友だちのスクーティたちと唾を吐いて駐車している車を汚したり、母親のヘイリーが激怒して使用しているナプキンを下着の中から掴みだしてモーテルのドアのガラスに投げつけたりとやりたい放題の言動が酷過ぎ、加えて頻繁に上空を飛ぶヘリコプターの騒音などもうるさく、確かにカラフルな画面とムーニーを演じたブルックリン・キンバリー・プリンスの熱演により確実にラストで感動を得られるとしても、そこまでたどり着くのにどれだけの観客が耐えられるのだろうかと疑問が生じてしまう。
原題の「フロリダ・プロジェクト」とはディズニー・ランドの開発段階の仮の名称らしいのだが、要するにムーニーたちは「ディズニー・ランド」を目指し、住み損ね、挫折した「敗者」なのであるが、そのような夢に破れた人たちは数え切れない。