現在、東京都美術館で催されている『ムンク展 - 共鳴する魂の叫び』ではエドヴァルド・
ムンク(Edvard Munch)のテンペラ・油彩、厚紙による『叫び(The Scream)』(1910年?)を
観ることができる。『叫び』が展示されている「魂の叫び - 不安と絶望」と名づけられた
部屋が妙に暗くて、列ができていたので並んで観たのであるが、イメージと違って実物は
意外と色褪せていたことに驚いた。
これはもちろん盗難などに遭って損傷を受けたためなのだが、そもそもムンク自身が
艶の出るワニスを嫌い、敢えて風や雨や雪に作品を晒す「荒療法(drastic treatment)」を
作品に施していたのだからやはり天才の考えることは違う。