原題:『Ashanti, Land of No Mercy』
監督:リチャード・フライシャー
脚本:スティーヴン・ゲラー
撮影:アルド・トンティ
出演:マイケル・ケイン/ビヴァリー・ジョンソン/カビール・ベディ/ピーター・ユスティノフ
1979年/アメリカ
全体的に残念な結果しか残せなかった作品について
世界保健機構(WHО)に所属するイギリス人医師のデイヴィッド・リンダビーと妻で医師でアフリカ系のアナンサが西アフリカの小さな村で村人たちに予防接種を行った後に、一人で湖で泳いでいたアナンサが現地の住人と間違われて奴隷商人のスレイマン一味に誘拐され、デイヴィッドがマリクの力を借りて追跡することからストーリーは動き出すのであるが、物語は最後まで弾けることなく消化不良で終わっている。それは例えば、「007」のような娯楽作品のように観るならばストーリー展開が地味に見えるし、『アラビアのロレンス』(デヴィッド・リーン監督 1962年)のような「時代劇」として観るならば、国連の存在意義や「誘拐」と「奴隷売買」の違いなどが深く掘り下げて描かれていないからである。
本作のテーマソングである「Don't Lose the Feeling」はJimmy Chambersという歌手が歌っており、彼は「ロンドンビート(Londonbeat)」のメンバーの一人だと思うのだが、とても上手いとは思えず、しかし曲自体は悪くないために出演者の一人であるBeverly Johnsonがこの曲のディスコヴァージョンをリリースしているのだろうか。