MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『はじまりのみち』

2013-06-03 23:12:51 | goo映画レビュー

原題:『はじまりのみち』
監督:原恵一
脚本:原恵一
撮影:池内義浩
出演:加瀬亮/田中裕子/ユースケ・サンタマリア/濱田岳/宮あおい
2013年/日本

「田中」の「めぐみ」

 加瀬亮が演じる木下惠介が思わず指で輪を作って覗いてしまう、学校の先生と子供たちは『二十四の瞳』(1954年)の、便利屋のカレーライス好きは『破れ太鼓』(1949年)の引用の伏線となるなど、本作は木下惠介監督作品の素材が散りばめられたものとなっている。もちろんそれはメインとなる惠介と彼の母親である木下たまの疎開先である浜松市の気賀までの徒歩による長い道程のシーンにも当てはまることで、軍服を着た惠介と、病気を患い話すことも歩くことも困難でリアカーに乗せられている、田中裕子が演じるたまは、『陸軍』(1944年)において軍服を着て出征する伸太郎を、息子の名前を叫びながら田中絹代が演じる母親が‘歩いて’息子の後を追いかけるという夢のようなショットにつながり、2人の田中が似ているだけにさらなる感動をもたらすのである。
 引用が多用されているこの作品の感動が‘恵一’の作品のものなのか‘惠介’の作品のものなのか微妙ではあるが、佳作であることは間違いない。


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才能を引き出す事の危うさ

2013-06-03 00:43:28 | 邦楽

桜田淳子さん、16年半ぶり公の場…相澤さん通夜(サンケイスポーツ) - goo ニュース

 今改めて振り返ってみると、サンミュージックプロダクションにはなかなかの“強者”が

揃っていたことに驚かされる。統一教会に入信した桜田淳子や、覚せい剤で逮捕された

酒井法子ほど世間を騒がせたわけではなくても、数々の男性と浮名を流した松田聖子や

「普通のおばさん」に戻ってしまった都はるみや自死してしまった岡田有希子なども在籍

していた事を考えると、代表取締役会長だった相澤秀禎の眼識の確かさのみならず、親身

になって本人の素質を開花させる才にも長けていたと思われるが、素質を開花させるという

ことは、同時にその人の負の面も引き出してしまったのではないのかと思う次第である。


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