MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『インポッシブル』

2013-06-16 21:21:21 | goo映画レビュー

原題:『The Impossible』
監督:J・A・バヨナ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
撮影:オスカル・ファウラ
出演:ナオミ・ワッツ/ユアン・マクレガー/トム・ホランド
2012年/スペイン

人種と経済の関係性

 イギリス人の医師であるマリア・ベネットとスコットランド人で仕事で日本に出張している夫のヘンリーがルーカス、トーマス、サイモンの3人の息子を連れて2004年のクリスマス休暇を過ごしたタイのリゾート地で遭遇した、スマトラ沖で起こった大地震により発生した巨大津波が巻き起こす物語は「白人優位」という批判が見受けられるが、これは人種の問題というよりも経済力の問題と捉えるべきであろう。もちろんタイトル通りに「ありえない出来事」が度重なる幸運により可能になったことは全くの偶然であるにしても、マリアが自身の判断で現地の医師に抗生物質を注射させたことは、医師としての知識があったためであり、一方、携帯電話を巡る静かなる‘攻防’において、ヘンリーが携帯電話を借りることが出来た理由は、他の被災者たちにはヘンリーのように助けを求められる相手がいなかったように見える。電話を受けたヘンリーの父親が手配したからこそ保険会社が用意したベネット一家専用のチャーター便で一家は助かったのである。もしも経済的に余裕がなければ、父親と離れ離れになったトーマスとサイモンのように他の被災孤児たちと一緒にトラックでまとめてどこかへ連れ去られた可能性もあったはずで、2人は寸前のところでルーカスとヘンリーと再会でき、両親の‘経済力’のおかげで助かったのである。


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日本の“ミドル・エイジ”

2013-06-16 00:30:18 | Weblog

日本の人権大使、国連委員会で苦笑に「黙れ」(読売新聞) - goo ニュース
日本の大使が「シャラップ!」=国連拷問禁止委で暴言(時事通信) - goo ニュース

 日弁連代表団の一員として会場にいた小池振一郎弁護士によると、アフリカの島国である

モーリシャス代表が、取り調べ時に弁護士の立ち会いを認めない日本の司法制度を「中世

のものだ」と批判した事に対して日本政府代表として出席した上田秀明人権人道担当大使

が「この(刑事司法)分野で日本は最も先進的な国の一つだ」と反論したところ、会場から

苦笑が漏れ、怒りのあまり上田大使は、「笑うな。なぜ笑うんだ。シャラップ、シャラップ」と声

を上げたらしい。英語で複数形の「ミドル・エイジズ(中世)」とすべきところ、単数形で

「ミドル・エイジ(中年)」と発音したために、「日本は中年でない」と言ったと受け取って笑った

人もいたとみられるようだが、国連の委員会のような場で「シャラップ」のような乱暴で非礼

な表現を使う事は語学力以前の非常識だし、何よりも、日本の取り調べにおいて、“容疑者”

に対して「シャラップ」と言って脅して黙らせていることを身をもって証明してしまっており、

“ミドル・エイジ”が日本の司法制度の“ミドル・エイジズ”を暴露しているところが情けない。


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