兵庫芸術文化センターに広上淳一指揮京都市交響楽団
兵庫公演を聞きに行った。
最初に演奏されたのはウォルトンのスピットファイア 前奏曲とフーガ
鮮やかなブラスで曲が始まる。
弦楽器もよく鳴っている。
英国風の哀愁がメロディーに漂う。
行進曲風の音楽が展開する。
演奏がすこしずつ勢いを増していく。
コンサートマスターがソロを弾くところも
美しく音が出ていると思った。
曲の終盤に向かって音楽がだんだん高揚する盛り上げかたも
うまかった。
次に演奏されたのはバイオリン ボリス ベルキンさんで
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第一番
第一楽章
チェロとコントラバスが暗く入る。
バイオリンも陰鬱な旋律を奏でる。
バイオリンは陰鬱な旋律を比較的淡々と奏でている。
そこに色々な楽器の合いの手が入る。
バイオリンのメロディーはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を
思わせる。
バイオリンの音が割りと淡々としていることが
演奏の情緒を作るのにいい効果をもたらしているように
感じられる。
広上淳一さんも指揮棒を持たずに押さえ気味にオーケストラを
ドライブしているように感じられる。
他のバイオリニストだったらもっと悲痛に音が出るで
あろうところも比較的淡々と音が出ている。
それを感じたときちょっと一本調子かも?と思った。
第二楽章
ちょっとバイオリンの突っ込みがあまいように僕には聴こえる。
第一楽章では淡々としていていいと思ったバイオリンが
ここでは逆に僕にとっては少し物足りないように感じる。
ただ広上淳一さんはここではオーケストラを積極的に
緊張感を持ってリードしておられると思った。
それにともなってバイオリンもだんだん気合いが入ってくる。
でもなぜか指揮者に比べてバイオリンが物足りないように
僕には思えてしまう。
音楽が進んでdsch音階で音楽が盛り上がっていくところも
なぜか僕には物足りないように思えてしまった。
第三楽章
広上淳一さんは指揮棒を持ってこの楽章を始められた。
交響曲を連想させるような暗いけれど壮大な音楽が始まる。
最初の導入が終わると広上淳一さんはまた指揮棒を手放した。
バイオリンが入る。
どういうわけか第二楽章でバイオリンが物足りないという
意識が勝手に僕の中に定着してしまって
なんかここでもちょっと物足りなく感じてしまう。
なぜだかバイオリンが表面的に鳴っているだけのように
思えてきてしまう。
なぜなんだろう。ちょっとわからない。
技術的なことはわからないけれどバイオリンのソリストが
ショスタコーヴィチのどこに共鳴して演奏をなさっているのか
ということがあるいは大きいのかも知れないと思った。
音が小さいところになって緊張感を欠く演奏という
イメージが僕の中で勝手に膨らんでいってしまう。
カデンツァを聴いているとやはり比較的淡々と
音楽が進んでいるようでそれがソリストの方の方針なのかも知れないと
思った。
第四楽章
音楽が緊張感を持ちながらも少しおどけたように展開する。
広上淳一淳一さんの指揮に比べて
なんかバイオリンが物足りなく思えてきてしまう。
しかし、ここではバイオリンがかなり広上淳一さんに
引っ張られているように思える。
もうあまりバイオリンのソリストのことは考えないで
オーケストラの音に意識を集中していると
広上淳一さんの指揮でショスタコーヴィチの交響曲第10番など
聴いてみたいなと思ったりした。
20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
ブラームスの交響曲第一番。
第一楽章
少しハイトーンで演奏が始まる。
ティンパニーはソフトに鳴っている。
それがちょっと印象的だった。
主部も少しゆったりした入りかただった。
なんか広上さんはブラームスの演奏を慎重に
安定感を持って進めておられるように思える。
提示部を反復した。
このあたりまで演奏を聴きすすんでくると
広上さんはそれなりの高揚感をもたせつつ安定して
演奏を進めておられるという印象が定着してくる。
オーボエの音色の美しさが耳につく。
三連符で切り込んでいくところは広上さんもそれなりに
気合いを入れておられるようだった。
展開部に入って演奏が伸びやかになってくる。
だんだんと演奏に伸びやかな広がりが出てくる。
音楽が進むにつれて演奏が高揚してくる。
この盛り上げかたはいいなと思った。
音楽がトーンダウンしたところでは旋律がたっぷりと鳴っていた。
第二楽章
オーボエの響きが美しい。
弦も美しいけれどもう少しふくよかだったらなと思わなくもない。
オーボエがロマンチックで懐かしさの漂うような旋律を
奏でる。
いかにもブラームスの旋律という感じで美しい。
広上さんは低い弦が音を出すときにはそちらの方に
ダッシュで歩みより指揮台の面積をフルに使っておられる。
しかし、演奏は安定感をもって進んでいくように思える。
できればバイオリンのソロにもっと色気があればなあと思ったりも
したけれど色気と言っても個人の好みだしとも思った。
第三楽章
クラリネットがたっぷりとメロディーを歌っている。
全体にクラリネット、オーボエ、フルートをはじめ木管の響きが
美しいなと思う。
管楽器と弦楽器がうまく絡み合いながら
音楽が高揚していく。
トランペット、ホルンも柔らかい音を出していると思う。
このあたりは演奏全体を管楽器が引っ張っているように思えた。
第四楽章
なんか弦楽器はそれほどでもなく普通の始まりかたという感じ。
ピチカートは遅いテンポを設定しておられる。
遅いテンポにピチカートが持ちこたえているかどうか
ぎりぎりかもと思った。
アルペンホルンは少しドライな響きかなと思った。
それにフルートが美しく続く。
三本のトロンボーンのコラールは美しく決まった。
ここが美しく決まるとなんか胸がすっとする。
弦のテーマは朗々と鳴っている。
木管によるテーマの演奏も美しい。
ゆっくりめのテンポで少し重々しく音楽が進む。
広上さんは指揮棒を持たずに指揮しておられる。
たぶん、演奏にそれなりの柔らかさを持たせるためかなと
思ったりする。
かなり演奏が進んできてもテンポの変動はあまりない。
音楽が柔らかく動くところでは広上さんは
指揮台の上で曲線を描くようにダンスをしておられるようだ。
演奏が終盤に来るとだんだんと自然に音楽が盛り上がってくる。
きっとその過程に素人にはわからない工夫があるのだと思う。
音楽の終結部は言葉にはできない雄大さがあってよかったと思う。
兵庫公演を聞きに行った。
最初に演奏されたのはウォルトンのスピットファイア 前奏曲とフーガ
鮮やかなブラスで曲が始まる。
弦楽器もよく鳴っている。
英国風の哀愁がメロディーに漂う。
行進曲風の音楽が展開する。
演奏がすこしずつ勢いを増していく。
コンサートマスターがソロを弾くところも
美しく音が出ていると思った。
曲の終盤に向かって音楽がだんだん高揚する盛り上げかたも
うまかった。
次に演奏されたのはバイオリン ボリス ベルキンさんで
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第一番
第一楽章
チェロとコントラバスが暗く入る。
バイオリンも陰鬱な旋律を奏でる。
バイオリンは陰鬱な旋律を比較的淡々と奏でている。
そこに色々な楽器の合いの手が入る。
バイオリンのメロディーはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を
思わせる。
バイオリンの音が割りと淡々としていることが
演奏の情緒を作るのにいい効果をもたらしているように
感じられる。
広上淳一さんも指揮棒を持たずに押さえ気味にオーケストラを
ドライブしているように感じられる。
他のバイオリニストだったらもっと悲痛に音が出るで
あろうところも比較的淡々と音が出ている。
それを感じたときちょっと一本調子かも?と思った。
第二楽章
ちょっとバイオリンの突っ込みがあまいように僕には聴こえる。
第一楽章では淡々としていていいと思ったバイオリンが
ここでは逆に僕にとっては少し物足りないように感じる。
ただ広上淳一さんはここではオーケストラを積極的に
緊張感を持ってリードしておられると思った。
それにともなってバイオリンもだんだん気合いが入ってくる。
でもなぜか指揮者に比べてバイオリンが物足りないように
僕には思えてしまう。
音楽が進んでdsch音階で音楽が盛り上がっていくところも
なぜか僕には物足りないように思えてしまった。
第三楽章
広上淳一さんは指揮棒を持ってこの楽章を始められた。
交響曲を連想させるような暗いけれど壮大な音楽が始まる。
最初の導入が終わると広上淳一さんはまた指揮棒を手放した。
バイオリンが入る。
どういうわけか第二楽章でバイオリンが物足りないという
意識が勝手に僕の中に定着してしまって
なんかここでもちょっと物足りなく感じてしまう。
なぜだかバイオリンが表面的に鳴っているだけのように
思えてきてしまう。
なぜなんだろう。ちょっとわからない。
技術的なことはわからないけれどバイオリンのソリストが
ショスタコーヴィチのどこに共鳴して演奏をなさっているのか
ということがあるいは大きいのかも知れないと思った。
音が小さいところになって緊張感を欠く演奏という
イメージが僕の中で勝手に膨らんでいってしまう。
カデンツァを聴いているとやはり比較的淡々と
音楽が進んでいるようでそれがソリストの方の方針なのかも知れないと
思った。
第四楽章
音楽が緊張感を持ちながらも少しおどけたように展開する。
広上淳一淳一さんの指揮に比べて
なんかバイオリンが物足りなく思えてきてしまう。
しかし、ここではバイオリンがかなり広上淳一さんに
引っ張られているように思える。
もうあまりバイオリンのソリストのことは考えないで
オーケストラの音に意識を集中していると
広上淳一さんの指揮でショスタコーヴィチの交響曲第10番など
聴いてみたいなと思ったりした。
20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
ブラームスの交響曲第一番。
第一楽章
少しハイトーンで演奏が始まる。
ティンパニーはソフトに鳴っている。
それがちょっと印象的だった。
主部も少しゆったりした入りかただった。
なんか広上さんはブラームスの演奏を慎重に
安定感を持って進めておられるように思える。
提示部を反復した。
このあたりまで演奏を聴きすすんでくると
広上さんはそれなりの高揚感をもたせつつ安定して
演奏を進めておられるという印象が定着してくる。
オーボエの音色の美しさが耳につく。
三連符で切り込んでいくところは広上さんもそれなりに
気合いを入れておられるようだった。
展開部に入って演奏が伸びやかになってくる。
だんだんと演奏に伸びやかな広がりが出てくる。
音楽が進むにつれて演奏が高揚してくる。
この盛り上げかたはいいなと思った。
音楽がトーンダウンしたところでは旋律がたっぷりと鳴っていた。
第二楽章
オーボエの響きが美しい。
弦も美しいけれどもう少しふくよかだったらなと思わなくもない。
オーボエがロマンチックで懐かしさの漂うような旋律を
奏でる。
いかにもブラームスの旋律という感じで美しい。
広上さんは低い弦が音を出すときにはそちらの方に
ダッシュで歩みより指揮台の面積をフルに使っておられる。
しかし、演奏は安定感をもって進んでいくように思える。
できればバイオリンのソロにもっと色気があればなあと思ったりも
したけれど色気と言っても個人の好みだしとも思った。
第三楽章
クラリネットがたっぷりとメロディーを歌っている。
全体にクラリネット、オーボエ、フルートをはじめ木管の響きが
美しいなと思う。
管楽器と弦楽器がうまく絡み合いながら
音楽が高揚していく。
トランペット、ホルンも柔らかい音を出していると思う。
このあたりは演奏全体を管楽器が引っ張っているように思えた。
第四楽章
なんか弦楽器はそれほどでもなく普通の始まりかたという感じ。
ピチカートは遅いテンポを設定しておられる。
遅いテンポにピチカートが持ちこたえているかどうか
ぎりぎりかもと思った。
アルペンホルンは少しドライな響きかなと思った。
それにフルートが美しく続く。
三本のトロンボーンのコラールは美しく決まった。
ここが美しく決まるとなんか胸がすっとする。
弦のテーマは朗々と鳴っている。
木管によるテーマの演奏も美しい。
ゆっくりめのテンポで少し重々しく音楽が進む。
広上さんは指揮棒を持たずに指揮しておられる。
たぶん、演奏にそれなりの柔らかさを持たせるためかなと
思ったりする。
かなり演奏が進んできてもテンポの変動はあまりない。
音楽が柔らかく動くところでは広上さんは
指揮台の上で曲線を描くようにダンスをしておられるようだ。
演奏が終盤に来るとだんだんと自然に音楽が盛り上がってくる。
きっとその過程に素人にはわからない工夫があるのだと思う。
音楽の終結部は言葉にはできない雄大さがあってよかったと思う。
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