ケンのブログ

日々の雑感や日記

リスクのとらえ方

2022年06月27日 | 日記
購読している全国紙の人生案内のコラムにこんな相談が出ている。

「40代の男性。大学一年の娘が教師への道を視野に入れ塾のアルバイトを始めました。

週一回は帰宅が午後11時ころになり義母は心配で眠れないそうです。妻も同調して娘を非難。

義母に預かってもらっているのだから、義母の考えを尊重すべきだと言います。

過保護ではありませんか。妻に18歳は成人だと反論しても襲われてもいいのかなどど返してきます。

娘と話し合えば 気の優しい子だけにバイトを辞めると言い出しそうです。

これからも娘が義母や親の管理下に置かれるのかと思うとぞっとします。父親の私が感じているのだから娘はもっと感じているかもしれません」と。

この相談を読んで僕が感じることは 娘さんの気持ちを案じる優しいお父さんだなということ。

娘さんはお父さんには恵まれた。それだけは言えると思う。

僕は予備校に勤めていたので 勤務時間そのものが本部ではあっても午前10時から午後7時だった。

ただ、午後7時に帰る人はあまりいなくて、みんなの平均的な退社時間は午後8時くらいだったと思う。

もちろん夏期講習の準備期間など忙しいときは午後9時や10時に退社することもざらで、そうなると帰宅時間は 午後10時から11時くらいになる。

一年を平均にならせば 週一回くらいは帰宅が午後11時になるという感じだったと思う。


女性の社員も状況は同じだった。

僕は本部の勤務が長かったからそうだったけれど、現場にいると勤務時間そのものが正午から午後8時 くらいになる。

しかし、現場にいたら午後8時に校舎を閉められるはずもなく 施錠は早くて午後9時過ぎになると思う。

当然帰宅時間は午後10時 11時になる。

そして、女性の現場責任者も結構 僕が勤めていたところでは多かった。

それは もちろん まいにち午後5時に家に帰れる仕事があったら それは理想だけれど、今どき そんな仕事がはたしてあるかどうか。

あと 妻の方は午後11時に帰宅するような時間帯に行動して襲われたらどうするの と夫に返してくると出ている。

犯罪白書を見ると 性犯罪は僕が検索しても見つからなかったけれど 殺人に関しては 確かに午後6時から午前0時までの発生率は高い。

しかし、午後6時から9時の時間帯と 午後9時から午前0時の時間帯を比較すると 午後9時から0時の方が 高いとはいうものの 圧倒的に高いというわけではなく 午後6時から9時も意外と高い。

 比率であらわすと6対7の割合で午後9時以降の方が 午後6時以降より高いという程度の差になっている。

午後11時の帰宅が特に危ないという 統計的根拠は ある程度はあるけれど、決定的な根拠にはならないように思う。

もうひとつ リスクの比較ということ考えると それは確かに午後11時に帰宅すると 午後6時前に帰宅するよりは襲われる統計的確率は高くなる。

しかし、娘さんに危ないからと言って塾のバイトをあきらめさせてしまうと 逆にそれで人生の目標や 自己決定権を奪われてしまった という心理的に負の感情を娘さんに与えてしまうリスクもある。

そして、そういう 若いときに自由意志を奪われたという感情は 結構 人生の長きにわたって尾を引くこともあるということが僕くらいの年齢になると経験的にわかってくる。

犯罪被害というリスクと 自由意志を奪うというリスクとどちらのリスクが大きいか。

これは 個人の価値観としかいえないけれど、さてどうなのだろう。

人間が他の動物と異なる点は 自由意志があるということ そして 創造力があるということ と言った人がいた。

自由意志と造像力はたぶん密接に関連しているのだと思う。

僕自身は 犯罪率が少なくとも相対的には高い時間帯に帰宅することで生まれるリスクよりも自由意志を奪うリスクの方が気になる。

犯罪と言っても たとえば痴漢は 夜よりもむしろ朝の通勤電車で発生することが多いことも統計的にはっきりしている。

そして、いわゆる重大犯罪は 互いに顔見知りという関係の下で起きることが多いことも統計的に示されているサイトがあった。

創造力ということで言えば 調べてみると いわゆる性犯罪にあいにくい方法というものがいくつかネットにも紹介されている。

たとえば 内またでうつむいて立っているよりも 足を開いて正面を見据えるように立った方が 狙われる確率は低い。

露出の高い服は避ける。ハイヒールは動きが鈍くなるからよくない。歩きスマホは論外。
防犯ブザー いつでも110番できる心構え。などが紹介されている。

こういうことを意識して生活するだけでも いわゆる たくましさが育つようにも思う。

また、身の安全ということに関しては究極的にはイエスのこんな言葉がある。

「あなたがたのうち、だれが思いわずらったからとて、自分の寿命をわずかでも延ばすことができようか。

 
そんな小さな事さえできないのに、どうしてほかのことを思いわずらうのか。

野の花のことを考えて見るがよい。紡ぎもせず、織りもしない。

しかし、あなたがたに言うが、栄華をきわめた時のソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。」と。(ルカによる福音書12章25節から27節より引用)

もちろん 犯罪にあう確率を下げるために 警察のホームページなどに出ている対策を講じることは必要と思う。

それはともかく 一日一日 無事に過ごせますように それを第一に願っていきたい。






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