ケンのブログ

日々の雑感や日記

ドビュッシー弦楽四重奏団京都公演

2017年09月23日 | 音楽
京都コンサートホールにドビュッシー弦楽四重奏団演奏会を聴きに
行った。
今日は小ホールの方で聴いた。
いつも大ホールでオーケストラを聴いているけれど
小ホールもいい感じだなとおもう。
オールモーツァルトプログラム。
最初に演奏されたのはディベルティメントK.138
第一楽章
柔らかい音色だなとおもう。
和声も柔らかく響いているなとおもう。
第二楽章
メロディーをたっぷりと歌っている。
彼岸の音楽のように聞こえる。
素晴らしい第二楽章と思った。
第三楽章
軽快に、そして鋭く音楽が流れる。
曲の要所でファーストバイオリンとセカンドバイオリンの方が
互いに目配せをしておられるのが印象的だった。
次に演奏されたのはクラリネットに小谷口直子さんを
むかえてクラリネット五重奏曲K,581
小谷口さんは明るいグリーンの衣装で出てこられた。
音楽とお衣装に何か関連があるのかどうか
それは僕にはちょっとわからない。
第一楽章
柔らかいメロディーとハーモニー。
クラリネットの音は深く美しく響く。
天国のような音楽。
クラリネットの音は形容しがたいほど美しい。
クラリネットの高音部と低音部で
これほど音色が違うのかと認識したのは
生まれて初めてのような気がする。
低音部は深く、高音部は天に抜けるように美しい。
この美しさは生演奏でなければわからないとおもう。
ファーストバイオリンも旋律を美しく歌っている。
半分、向こうの世界に行ってしまっているような音楽。
カルテットと小谷口さんのテンションがよくあっている。
第二楽章
演奏が始まる前、ファーストバイオリンの方と
小谷口さんが目配せをして微笑んでおららたのが印象的だった。
ファーストバイオリンのかたはクラリネットの方に
目配せをしながら弾いておられる。
ファーストバイオリンとクラリネットのからみが美しいと思った。
チェロもとてもうまくて安定している
それなのにチェロが表に出すぎないところがまたなんとも言えずいいなと思う。
第三楽章
チェロの方もクラリネットに目配せをしながら弾いておられることに気づく。
ファーストバイオリンが鋭い音を出してそれをビオラとチェロが受ける。
その掛け合いが耳に心地よく聴こえる。
小谷口さんも時々自分から他の奏者に目配せをしておられる。
奏者の動きを見るとメヌエットは舞踏の音楽であることを感じる。
第四楽章
明るく透明。透き通るような音楽。
クラリネットの音色の深さを改めて思う。
急に音楽が深く沈む。
そのコントラストが美しい。
また、音楽が楽しくなり、クラリネットが譜割りの細かい音を
転がすように吹いておられる。
また、音楽が静かになる。
楽しいところと深いところのコントラストが美しかった。
小谷口さんが演奏の途中で微笑んでおられる場面があった。
いい、演奏だったなと思う。
休憩をはさんで次に演奏されたのが
レクイエムK.626
チェロの方以外は立って演奏される。
レクイエムのカルテットバージョンを聴くのは初めて。
深い世界の音楽なのだけれど音色が柔らかいというのが
演奏の基調になっているように思う。
柔らかさを基調に演奏に色々な変化をつけておられるように思えた。
演奏の途中でチェロ奏者の姿勢がとてもよいことにようやく気づいた。
一生懸命プログラムを見ながら聴いていたのだけれど
8曲目以降は今、何曲目が演奏されているのかわからなくなってしまった。
こういう曲を聴くときに僕にありがちなパターンになってしまった。
7曲目は映画アマデウスでかなり聴いたので印象深かった。
プログラムの解説によるとモーツァルトの筆はこの曲の
8小節目で終わりとなっている。
映画アマデウスではモーツァルトがサリエリに自分が歌って
楽譜を口述筆記させる場面だったかなと演奏に関係ないことを
考えてしまった。
鋭い音形と柔らかい音形のコントラストが素晴らしいと思った。
鋭いところも突っ込みすぎないところが奥ゆかしくていいなと思った。
最後の音楽はバッハの教会音楽のような感じだなと思った。
コンサートのチケットを買うときにはレクイエムを
こういう形で聴くとがっかりするかなと心配したけれど
全然そんなことなかった。素晴らしい演奏だった。
曲の終わりくらいになってチェロが柔らかくてうまい
それでいて表にそれほど出てこないのがいいなと改めて思った。
アンコールにハイドンのop.51のソナタ7番が演奏された。
エンディングがピチカートになっていてハイドンらしいユーモアだなと思った。
今日は小さいホールの前の方で聴いたのでプレーヤーの目配せなどが
よく目に入って今まで知らなかったことをいろいろと知ることができたような気がする。
コンサートが終わって京都植物園ゲート前で空を眺めたら
薄曇りの雲が幾重にも重なりその中に青空も本のほんの少し見えて綺麗だった。
家に帰ってからお彼岸の日にこんな演奏会に行けて本当によかったな
としみじみ思った。