
午前の農作業を終えたお昼に縁側にいたところ、目の前の裏山にひょいと「ニホンカモシカ」がご来臨になった。一瞬、イノシシが通り過ぎようとしたかに見えた。好奇心の強いカモシカの目と目が合った。慌てて近くにあったカメラのシャッターを切る。ニホンカモシカは、英語名は「Japanese serow」という日本固有種でもあり特別天然記念物に指定されている。
氷河期からの生き残りと言われるニホンカモシカは、基本は単独行動かつがいかだ。4頭以上の群は作らないところは、群れで行動するシカとは違う。また、体毛も、雪が多い地域では白い毛が多いが、雪がたまにしか降らない地域では、茶色・灰色・黒色が多く、保護色となっている。7~8mくらいの近さだった。カモシカの目撃は2年に1回くらいしかない。
そのうちすぐに、興味がなくなったようですたすたと山の上のほうに移動していった。最近は熊の出没で人間が襲われるニュースが頻繁だが、カモシカは人間を襲うことはない。食べ物も、牛の仲間だから草木の葉・芽・樹皮などの草食だ。平和的な穏やかさが心を癒してくれる。バイバイと手を振ってみたが振り向いてはくれなかった。一瞬の出来事だったのは残念だが、余韻が午後の農作業を支えてくれた。