山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

きらびやかな品格の花

2023-07-19 22:17:08 | バタフライガーデン

 雑草の海となったバタフライガーデン。そこにひときわ目立つ花が咲いていた。二年目の「ヒオウギ」(アヤメ科)だった。昨年、種まきしてまもなく花が咲いたのでびっくりしたのを想い出す。種を蒔いてもなかなか花を咲かすのは至難の業であることを実感していたからだ。

           (画像は、hana300.comから)

 ヒオウギの葉は、扇の形をしていることから名前がつけられた。平安時代の歴史書『古語拾遺』によれば、厄災が村を襲った時、このヒオウギで扇いだら元に戻ったと記載されているという。そのため、祇園祭のときにこのヒオウギを民家の軒先に飾って「魔除け」にしている。疫病忌避の祇園祭らしい伝統だ。したがって、京都ではヒオウギが生産され24000本の出荷があるという。

              

 俳人の石田破郷は「射干(ヒオウギ)も一期一会の花たらむ」と詠んでいる。つまり、ヒオウギは朝に花が咲いても夕方には花が閉じてしまう一日花だからだ。破郷らしい謙虚な人生句でもある。ユリのような煌びやかな花も一日で終わってしまう儚さがありながら、翌日には新たな花が続いていく希望の花でもある。ヒオウギの生薬名は「射干(ヤカン)」といい、それを「射干(シャカン)」と呼ぶと、「シャガ」の花をさす。紛らわしい。

      (画像は、京風庵大むらcomから)

 ヒオウギは檜の薄い板2~30枚を綴った扇だ。宮廷で儀式のときなどに用いられた扇で、和宮様によれば日常では使われず、高貴な方が持っているものだそうだ。そういえば、宮中の御成婚の時の写真には十二単を着てこれを持っていたような気がする。

       

 ヒオウギの園芸品種では、黄・白・紫もあるようだが見たことはないし、原野にも咲いていたそうだがそれも見たことはない。近年は各地で激減しているという。また、「ヒメヒオウギスイセン」という似通った名前の花もあり、混同されることが多い。この花の高貴な品格の周りは混とんとしているが、本人は今年も雑草にめげず懸命に命をつないでいる。

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 謎だらけの羽衣だが…?? | トップ | ちょっと見ではイチモンジみ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

バタフライガーデン」カテゴリの最新記事