高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
うっそうとした茂みがうずくまり
秋の装いが透けて見える木立から
風もないのに葉が散りはじめたか。
母を看取ってからの半年が過ぎ
まだ暖かいのかもう肌寒いのか
介護の時間から解き放たれたが。
筆跡の途切れたメモ用紙が残り
生まれてから死ぬまでの沈黙が
表裏で深く綴じ合わされたまま。
学生の名前と顔が一致しなくとも
名前を書き忘れた演習課題を前に
戸惑いながらも過去の筆跡を探す。
やっと恵まれた子宝と妻に先立たれ
定年間近の空港清掃員アブ・ラーイドは
決死の覚悟で隣家の不和家族に向き合う。
誰かを諭したり救ったりしようにも
受身のお節介を焼くようにしてしか
歩けない原っぱを夢見て風が吹き抜け。
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
うっそうとした茂みがうずくまり
秋の装いが透けて見える木立から
風もないのに葉が散りはじめたか。
母を看取ってからの半年が過ぎ
まだ暖かいのかもう肌寒いのか
介護の時間から解き放たれたが。
筆跡の途切れたメモ用紙が残り
生まれてから死ぬまでの沈黙が
表裏で深く綴じ合わされたまま。
学生の名前と顔が一致しなくとも
名前を書き忘れた演習課題を前に
戸惑いながらも過去の筆跡を探す。
やっと恵まれた子宝と妻に先立たれ
定年間近の空港清掃員アブ・ラーイドは
決死の覚悟で隣家の不和家族に向き合う。
誰かを諭したり救ったりしようにも
受身のお節介を焼くようにしてしか
歩けない原っぱを夢見て風が吹き抜け。