「高屋敷の十字路」の各ページの更新コメントならびに関連〈ニュース&トピック〉拾い読み。
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
ストトンと
抜けおちた
晴れ間から
舞い降りた
野鳥が運ぶ
山野草の種
踏みしだく
年毎に違う
無名の花壇
腰をかがめ
覗き込んだ
望遠レンズ
暖かい風が
撫で過ぎる
首から背筋
腰を落とし
しゃがんで
立ち忘れて
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
泳げずとも
風呂に入り
感じる浮力
病は気なら
分けられる
病気と気分
体内自然が
隠し持った
産地記憶を
手探りする
老い衰えの
質や時間が
辿り着いた
足腰屈んで
崩れた姿勢
弱さ梃子に
上り下りる
日々の階段
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
枯れた欅を
鉢植えから
抜き乾かし
放置の形に
整形された
玄関の片隅
祖父が残す
形見の様な
手触りだが
形見の品の
銅の火鉢に
差し置いて
座りの悪さ
様にならず
床の間にて
嵌め台座に
禁煙由来の
箱焼き灰皿
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
物と事など
区別できる
年頃までは
昆虫少年や
植物少女の
会話のよう
左右の違い
を見分ける
体つきから
ふらついて
上下の働き
循環すれば
体内展開の
フィールド
ワーク開始
気分と病い
仕分ければ
根本姿勢に
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
起きて半畳
寝て一畳の
山小屋の夜
戸や襖など
全て外して
陽に干す畳
柱が支える
屋根と床を
吹き抜けて
山小屋から
見下ろした
夏の大掃除
干からびた
家父長制が
塒を巻いて
掃き出され
埃まみれの
家族解体図