「高屋敷の十字路」の各ページの更新コメントならびに関連〈ニュース&トピック〉拾い読み。
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
どうやら梅雨空に行き場を探しあぐね
濡れそぼった1羽の鳩が電線にとまり
両手を合わせた黒いシルエットのよう。
母の納骨を済ませてからは日に一度は
老境にさしかかった頃の祖父みたいに
仏壇に向かうようになってしまったが。
3歳で父を亡くして父性体験が無いが
長男にとって母に死なれるというのは
みずからの無意識の由来を無くすこと。
長女の場合は無意識の由来が父にあり
母は意識の座にとどまりつづけるから
その死に際して無意識の揺らぎ少なく。
敗戦時に一人息子を殉職で失ったうえ
二人目の妻にも先立たれたりしていた
祖父が朝晩のお勤めを始めたのはいつ。
小学生の五、六年の頃だったかそんな
祖父の姿が奇異に思えたりしたのだが
無意識の拠り所を失った父性はどこへ。
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
町内に核家族しか住まわせないような
家が建つ度の作業停電からの避難先を
探し求めて晴れ間の街中をふらふらと。
昼下がりに小火騒ぎのあった中華飯店に
あやうく入りそこなったりしたあげく
池田満寿夫展でスルーした常設展示へ。
探しても入館者が見当たらないくらいで
見慣れた作品がほとんどだったとはいえ
いつもとは違ったみたいな居心地あふれ。
南アのW杯サッカー会場から夜な夜な
地鳴りのように伝わってくるブブゼラの
大合唱からしばし解放されたひととき。
予想とは違いヨーロッパ勢がつぎつぎ
一次リーグから敗退を重ねているのは
ひょっとして彼らの聴覚が狂わされて。
虫の音や風の音を愛でることができる
わがアジア勢にとってチームの戦術の
妨げどころか“騒音”で集中がより高まる。
高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
雨が上がった庭先で見かけた飴色の隊列が
道路沿いのアルミフェンス土台のブロックを
這い渡って庭を横切り壁伝いに床下へ行進。
昆虫の屍骸そのほか庭や畑の掃除屋部隊の
進軍をくい止めようと敷地内への入り口から
床下の風抜き窓まで駆除剤を散布しておいた。
蟻の侵入隊列の途切れを翌朝に確かめたら
ブロック上部に這い上がらない蟻の流れが
わが家の塀際を素通りして右隣の敷地へと。
どうも右隣の庭先も素通りしていったい
何所からやってくるのかたしかめないで
行進先を作戦変更させたみたいなことに。
羽蟻の大量発生じゃあるまいし白蟻対策は
やったばかりだからほっとけばよいものを
あまりの大群につい過剰反応したみたい。
通りすがりのご用聞きがクルマを止め
何やってんのと挨拶がわりに声をかけ
なんと応えていいやら苦笑いするだけ。