高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
一日ともたない三月の晴れ間を読んで
世話になっている庭木職人がやってきて
雪吊りが外された庭を吹き抜け家鳴り風。
吹き千切られそうに揺れる梅輪が呟く
慣れない下の世話の一コマの吹き出し
感情に走るから実の娘の世話にならぬ。
甲斐性が無くできないと嘆くお袋の
どうにもならない老いのダイヤ改正で
日々どこに居着いているのかも不案内。
部屋を出るとき切り忘れた室内暖房で
夜間の気温低下でしょんぼりしていた
サイネリアが生き生きと花開きはじめ。
ヨメが用意した食事やおやつを目前にし
ようやく姿勢を保ち直そうとしはじめる
お袋の部屋だと常温暖房の花置き場だが。
食以外に関心が向かなくなってしまって
部屋において眺めた花の名前の響きが
“シネラリア”と聞こえることもなさそう。
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
一日ともたない三月の晴れ間を読んで
世話になっている庭木職人がやってきて
雪吊りが外された庭を吹き抜け家鳴り風。
吹き千切られそうに揺れる梅輪が呟く
慣れない下の世話の一コマの吹き出し
感情に走るから実の娘の世話にならぬ。
甲斐性が無くできないと嘆くお袋の
どうにもならない老いのダイヤ改正で
日々どこに居着いているのかも不案内。
部屋を出るとき切り忘れた室内暖房で
夜間の気温低下でしょんぼりしていた
サイネリアが生き生きと花開きはじめ。
ヨメが用意した食事やおやつを目前にし
ようやく姿勢を保ち直そうとしはじめる
お袋の部屋だと常温暖房の花置き場だが。
食以外に関心が向かなくなってしまって
部屋において眺めた花の名前の響きが
“シネラリア”と聞こえることもなさそう。