あみものOTOKO

人と人とのつながりを 大切にしたいです。

眠れる森の美女

2009-10-24 19:45:45 | 日記
ふとしたいきさつから、私の手元に、アンティークなタティング糸が、入りました。

今から 100年以上も前の糸だという事で、100年以上もの年月、この糸は、ずっと眠りに付いたまま、糸としての命を吹き込まれることなく、眠り続けています。

まるで、シャルル・ぺロー原作の 「 眠れる森の美女 」 オ―ロラ姫のように、100年も眠り続け、めったに、タテイングという森の奥深くに入り込む事も無く、手に取る事も無い、男性の手元に、彼女達は、今、ここに 私の手元にいます。

タティングの森の オーロラ姫にキスをして、100年もの眠りから目覚めさせて、美しい姿を蘇らせ、人の眼に触れさせても良いのでしょうか・・・・

タテイング用の糸として生まれたものの、100年以上も、眠ったままの姫は、ただの縫う糸や、刺繍の糸の代用品では無く、また、このまま、朽ち果てるまで眠らせておくのではなく、タテイングとして、その美しさを生かすべきだと、考えました。

100年の年月は、表面だけみても判るように、かなりのダメージを与えています。糸をほどいてしまうと、形無く崩れ去ってしまうかもしれません・・糸の長さも、これだけの量しかなく、足りないからと、補う事は出来ません・・・

私に、その資格も、力量も、あるのかどうかすら判りませんが・・・・

今、この糸を目覚めさせなければ、男の手によって、タテイングとしての命を吹き込まれる事は・・・この先、ないかもしれません・・・・

タテイングという森に、足を踏み入れて、7年・・・、森を彷徨い、眠っているオーロラ姫を見つけました・・・

童話の世界に迷い込んでしまったような・・・不思議な感動を覚えます・・