毎日新聞 11月21日 朝刊 9面 経済がわかる 企業がみえる より
副題:うまいビールついで40年 タンクの洗浄こそ命
昨日に引き続き、ライオン銀座七丁目店の海老原さんのお話。
今日のこのコラムが、またとても面白かった。
新聞にも写真が載っているが、銀座七丁目店には高さ約1.5mの
ステンレス製の大型タンクが6本在る。
このタンクは、その大きさ故持ち運びが出来ないために、
(何せ、大ジョッキ約1600本分のビールが入るというのだ!)
すえつけた店舗で洗浄を行う必要がある。
これが結構な大仕事なために、現在では工場に持ち帰り、機械洗浄出来る
小型のタンクに殆ど変わってしまい、銀座七丁目店のような大型タンクは
新橋ライオンと、他1店に各1本ずつしか残っていないそうだ。
その大型タンクの洗浄には、1本約40分かかる。
セ氏2度に保たれた貯蔵庫での作業は、体に厳しいと思う。
しかも、その洗浄プロセスたるもの、あだやおろそかではない。
最後には洗い残しが無いことを、試験紙まで使って確認するというのだから、
恐れ入る。
しかも、洗浄はそれだけではない。
毎日閉店後に、タンクとサーバーを結ぶ30mもあるポリエチレン製の
ホースも、専用のスポンジと水できれいに洗う必要があるのだ。
食品に関する不正や偽装が横行している世の中で、
40年もの間、これらの洗浄を実直に繰り返し、なおまだ情熱を燃やし続ける
海老原さんの、旨いビールを出したい、という思いに圧倒される。
同じ手間隙かけるのでも、返品された包装紙の賞味期限シールを
取り替えるのとでは、大違いだ。
海老原さん曰く、
「サーバーまで手入れの行き届いたビールを送るのが仕事の八割。
つぐのは、ほんの一部分なのです」
く~、格好いいではないか。
ホールで、お客様の視線を浴びながら、ジョッキにビールを注いでいく。
その一番目立つ場面を敢えて仕事のほんの一部分と言い切り、
本質は、バックヤードにこそあるとする、その美学に心打たれた。
#なんだか、「さよなら 絶望先生」モードが少し入ってきたぞ(笑)。
本当にいい仕事というものは、そういうものなのだろうな、と思う。
目立つところ、派手なところも勿論大切だが、
そこに行き着くまでに必要な一つひとつの工程にこそ、
その仕事の真髄があるのだろう。
自分の仕事を振り返ってみたとき、
人から見えるところでしか頑張っているのではないか、
見えないときには、どこかで自分をごまかしていないか?
…ビールを飲んで、反省します。
付記
ただ、今日のコラムで、一つだけ納得できないところがあった。
海老原さんは、この大型タンクの洗浄は
「自分でやらないと気がすまない」
として、部下にも任せていないそうだ。
自分の仕事に責任感を持つのは当然だが、上司がそれでは、
部下はどうすればいいのだろう?
職務に忠実であるあまりに、部下がそのスキルを学ぶ機会を
スポイルしてしまっているのではないか?
もっともこれは、海老原さんに、その気にさせるほどの部下が
まだ現れていない、ということなのだろうか?
#ライオン銀座七丁目の皆さん、すみません。
単なる無責任な妄想です…
勿論、お客様にお出しする商品を扱う以上、失敗は許されない。
しかしながら、部下を育成することも上司の仕事ではないか?
このお店が、海老原さんの個人所有であれば、自分の意思で閉店も出来るが、
そうでは無いのだから…。
その点だけが、心に引っかかってしまった。
副題:うまいビールついで40年 タンクの洗浄こそ命
昨日に引き続き、ライオン銀座七丁目店の海老原さんのお話。
今日のこのコラムが、またとても面白かった。
新聞にも写真が載っているが、銀座七丁目店には高さ約1.5mの
ステンレス製の大型タンクが6本在る。
このタンクは、その大きさ故持ち運びが出来ないために、
(何せ、大ジョッキ約1600本分のビールが入るというのだ!)
すえつけた店舗で洗浄を行う必要がある。
これが結構な大仕事なために、現在では工場に持ち帰り、機械洗浄出来る
小型のタンクに殆ど変わってしまい、銀座七丁目店のような大型タンクは
新橋ライオンと、他1店に各1本ずつしか残っていないそうだ。
その大型タンクの洗浄には、1本約40分かかる。
セ氏2度に保たれた貯蔵庫での作業は、体に厳しいと思う。
しかも、その洗浄プロセスたるもの、あだやおろそかではない。
最後には洗い残しが無いことを、試験紙まで使って確認するというのだから、
恐れ入る。
しかも、洗浄はそれだけではない。
毎日閉店後に、タンクとサーバーを結ぶ30mもあるポリエチレン製の
ホースも、専用のスポンジと水できれいに洗う必要があるのだ。
食品に関する不正や偽装が横行している世の中で、
40年もの間、これらの洗浄を実直に繰り返し、なおまだ情熱を燃やし続ける
海老原さんの、旨いビールを出したい、という思いに圧倒される。
同じ手間隙かけるのでも、返品された包装紙の賞味期限シールを
取り替えるのとでは、大違いだ。
海老原さん曰く、
「サーバーまで手入れの行き届いたビールを送るのが仕事の八割。
つぐのは、ほんの一部分なのです」
く~、格好いいではないか。
ホールで、お客様の視線を浴びながら、ジョッキにビールを注いでいく。
その一番目立つ場面を敢えて仕事のほんの一部分と言い切り、
本質は、バックヤードにこそあるとする、その美学に心打たれた。
#なんだか、「さよなら 絶望先生」モードが少し入ってきたぞ(笑)。
本当にいい仕事というものは、そういうものなのだろうな、と思う。
目立つところ、派手なところも勿論大切だが、
そこに行き着くまでに必要な一つひとつの工程にこそ、
その仕事の真髄があるのだろう。
自分の仕事を振り返ってみたとき、
人から見えるところでしか頑張っているのではないか、
見えないときには、どこかで自分をごまかしていないか?
…ビールを飲んで、反省します。
付記
ただ、今日のコラムで、一つだけ納得できないところがあった。
海老原さんは、この大型タンクの洗浄は
「自分でやらないと気がすまない」
として、部下にも任せていないそうだ。
自分の仕事に責任感を持つのは当然だが、上司がそれでは、
部下はどうすればいいのだろう?
職務に忠実であるあまりに、部下がそのスキルを学ぶ機会を
スポイルしてしまっているのではないか?
もっともこれは、海老原さんに、その気にさせるほどの部下が
まだ現れていない、ということなのだろうか?
#ライオン銀座七丁目の皆さん、すみません。
単なる無責任な妄想です…
勿論、お客様にお出しする商品を扱う以上、失敗は許されない。
しかしながら、部下を育成することも上司の仕事ではないか?
このお店が、海老原さんの個人所有であれば、自分の意思で閉店も出来るが、
そうでは無いのだから…。
その点だけが、心に引っかかってしまった。
観光名所化してるのもイイかもです。