猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

豊田市美術館の牧野義雄展

2008年01月30日 | Weblog
牧野義雄という画家を知っていますか?

いま、豊田市美術館で愛知県・挙母村(今の、豊田市)出身の画家・牧野義雄の展覧会をやっています。
1893年(明治26年)にアメリカ・サンフランシスコに渡り働きながら絵を学び、その後ニューヨーク・パリを経て1897年にイギリスに渡ります。
下済み生活が続きますが、出版界において除々に作品が認められて、ロンドンの街並みやそこに住む人々を叙情的に描いた水彩画が評価され「霧の画家」とも呼ばれました。
また彼の随筆も評判になり、20世紀初頭のロンドンで一躍時代の寵児となりました。
日本に帰国したときは1942年で、72歳になっていました。
(この部分は豊田市美術館発行の図録の要約です)

今、世の中は団体展一色のような感じですが、出展するには100号以上の大きな絵でなければなりません。
こういう傾向には前から疑問を持っていました。
世の中では小品は絵にあらずといった感じですが、牧野義雄展を観ると絵の原点といったものに出会うことが出来、改めて絵は大きさではなくて「絵は心だ」ということを思い知らされました。
牧野は50号くらいの油彩も描いてはいますが、一貫して3号か6号の水彩画で勝負してきたのです。

会期は1月8日~3月30日までなので、牧野義雄に出会って絵の心を堪能していただきたいと思います。

(スケッチは名古屋・金山駅コンコース風景です)


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