猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

日展はなぜ面白くないのか?

2007年01月27日 | Weblog
今日、日展をみてきた。
一般大衆を集めた、集客力の高い展覧会である事においては、成功していると思う。

しかし、少しでも芸術に興味を持ち、感性がある者には「あまりにも技術先行で、心に響くような絵がない展覧会」なので大いに不満なのではないだろうか?

まず、洋画は毎回同じパターンの絵が多すぎて、明らかにマンネリ化している。
芸術は稚拙であってもいいから「意外性・変化・新鮮さ・心の叫び」を求めている。日展は、新鮮さとか変化を求めないのだろうか?
特に人物画は「肖像画のオンパレード」でいわゆる「上手」であるが、面白みがない。

元気がいいのは、日本画と工芸である。
日本画は、視点がフレッシュで実に楽しい。
工芸は日本人の感性が、今の時代にフィットした作品が多く、気持ちが和む。
彫刻で、出色なのが亀淵元昭さんの「チンバンジー」である。
実に存在感があって、観る人がみな楽しんでいるようだ。

帰りに「ルソー展」をみてきたが、絵の原点をみたような気がした。
今の時代の絵は、あまりにも「感動」がなさ過ぎる。
技法中心になってしまっているのだ。
専門化した絵くらい、つまらないものはない、ゴッホでもゴーギャンでもるルソーでも実に親しみのある稚拙な描きかたに魅力を感じるのだ。
絵の原点に戻ろうではないか。
とにかく、「心に響く」絵を描いて欲しい。


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