猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

小説「斜陽」の舞台は保存すべきだった

2009年12月27日 | Weblog
太宰治の小説「斜陽」の舞台となった雄山荘が全焼と聞いて驚いた。
太宰治の恋人である太田静子さんが戦時中に住んでいたところだ。
静子さんの日記をもとに「斜陽」が書かれたときいている。

静子さんとの間に生まれた治子さん(作家)はつい先日、NHKの番組
でこの別荘を訪れたばかりである。この番組は私も興味深く見ていた。
昭和初期に建てられた別荘は斜陽の舞台となっただけでなく建物自体が
建物自体が中国風の建築様式を取り入れた貴重なものであった。

神奈川県と保存について話し合いが行っていたようだが、放火のために
全焼したと聞いて本当にショックだった。

こういう建築物を人気作家の舞台として保存管理してオープンにしてい
たのなら、太宰ファンが連日見学に来たいたと思う。
どこの国でも、国民的な財産となった小説の舞台は保存している。
国も神奈川県も何で迷っていたのだろうか?

「斜陽」は中学生の時に想像しながら読んだイメージが、不思議と今で
もはっきり頭の中にある。
別荘の庭とか家の中のイメージはいまだに消えていない。
しかも、その別荘のイメージは、先日治子さんが訪れた時の映像通りの
ものであったのも不思議でならない。

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