歌舞伎の世界では家を継いで行かねばならない。
亡くなった市川団十郎は12代目だった。
会社を経営している家を継ぐ、ということも同じだ。
いずれにしても、こういう運命からは逃れるわけにはいかない。
役者や経営者になるということが、決まっているのだから。
団十郎の息子の海老蔵が、暴行事件に会ったとき、
団十郎のいかにも無念そうだった顔が忘れられない。
そういう試練を乗り越えたものが、一流の役者になって行くのであろう。
「家を継ぐ」ということは、こうした幾つもの試練を乗り越えていった者が
初めて受け継ぐことが出来るのではないだろうか?
団十郎は言い後継ぎをもったものだと思う。