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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

吉田松陰全集 第8巻&第10巻

2015年11月12日 | 書籍などからの熟語抜萃
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●第10巻は量的に少ないので第8巻と同時掲載します。
●これで、松陰全集(第1巻~第10巻)からの熟語抜萃は全部完了です。「書籍などからの熟語抜萃」カテゴリーにすべて登録してあります。
●なお、いつもの4辞典での掲載有無なども調べました。説明が必要と思われる熟語などには当方による説明・解釈を加えてあります。
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<吉田松陰全集 第8巻>
・御苫塊中をも憚らず、一賀申し上げ候。萬萬御海涵祈り奉り候なり
(参考)<全集第6巻から>―松陰詩稿、詩文拾遺等から-
冬夜沈々燈滅するの後、想う君が苫塊眠る能わざるを。
苫塊(センカイ)>:中国では忌中に苫(とま)を敷き塊(つちくれ)を枕にして寝た。*君は悲しみの服喪で眠れないだろうとの意。
*親の喪に服するとき、敷物として用いるとまむしろと、枕として用いる土のかたまり→服喪中ということ。
・海涵(カイカン):(相手の罪を)寛大に許す。=失礼の点、ご海容ください。
・吾れ死せば本藩は悉く淪胥(リンショ)と覚え候
*相率いてともに亡ぶの意。詩経・小雅:「彼の泉流の如し、淪胥して破るることなからんや」
・慷慨極まり語に倫次なく候・・・倫次なく:まとまりがない *広辞苑:人倫の順序。長幼の順序。
・小生、礫全、在囚仕り候・・・(注釈:なすこともなく) *4辞典に当該熟語なし・・・「甎全(センゼン)」の応用か?
黄茅彌(弥)望と申す様、相成り候は必然・・・(注釈:見渡す限りすべてのものを自分と同じように一様化すること) *「彌(ビ)」は対象外。*「惟だ、荒瘠斥鹵の地は、彌(弥)望 皆 黄茅白葦のみ、此れ即ち王氏の同なり」(唐宋八家文巻23・・・)
・甚だ曠礼(コウレイ)の至りに御座候・・・(注釈:失礼)
曠礼の罪多謝・・・
・御怪咎(カイキュウ)下さるまじく・・・(注釈:不審におもうな、という意味) *辞典になし。「“怪”云々」とする造語か?
・天下摸稜(モリョウ)の世の中・・・(注釈:事があいまいであること・・・)
 *初唐の蘇味道が国事を聞かれたとき、ただ、牀稜(ショウリョウ:腰掛けのかど)をなでて、はっきり返事をしなかった故事にもとづく。
 *大字源:あいまいに返事して決定をくださないこと。 「模稜」とも書く。
・よろず御怪殺(カイサツ)下さるまじく・・・(注釈:あやしむこと) *辞典になし。「“怪”云々」とする造語か?
・俗人或いは怪恕致し候・・・(注釈:あやしみあるいは気の毒に思って同情する) *辞典になし。同上。
・長者を凌忽(リョウコツ)し人の疾惡を取るなかれ・・・目上の人をあなどり無視して、人から嫌われるようなことをするな。
 *大辞源:あなどりないがしろにする。 「陵忽」とも書く。
・是の時に当り、坐(いなが)ら勤王の諸侯のみ御頼み思し召し候ては、涸轍の鮒が江漢の救いを待ち候とか申す様にて誠に事に及ばざる事に御座候。
 ・・・江漢揚子江や漢水の救いを待つ・・・実際には起こりえないことを空頼みすることのたとえ。
・多事仍仍多言する能わざるなり・・・用件が多いので長々と申し述べることができない
 *「仍仍(ジョウジョウ)」:(大漢和)①志を得ないさま ②多いさま ③頻々たるさま
・天下正論の起仆(キフ)必ず此の一挙に之れあるべき・・・起るか倒れるか
賤恙(センヨウ)・・・わたくし(め)の病気。 (⇔ 貴恙)
・大臣の槃楽怠敖いかんいかん・・・大いに遊び楽しみ、なまけおごること
・時、春寒、国の為に愛嗇を加えれよ・・・ご自愛ください
養老乞言は学校の事かと覚え申し候・・・養老の礼を行うとき、その老人たちより善言の行なうべきことを聞くこと(礼記・文王世子編)。
叩馬の諫、博浪の椎、古の男子の腹を見よ。
 *「叩馬(コウバ)の諫」:伯夷・叔斉が武王の出陣を諌めた故事
 *「博浪の椎(ツイ)」:張良が秦の始皇帝に力士に命じて鉄椎を投げさせた故事。
・「・・・に薙染(テイセン)せられて・・・」・・・出家。
包荒の量を用いることも容易・・・人の言を聴き入れる器量があること
 *大辞源:汚れたものを包み入れる。転じて、他人の意見などを受け入れ度量が大きい。
・己の不能は愚者の不逮(フタイ)・・・不逮:及ばないところ。ふつつか。
・二十左右(ソウ)の美婦が孀居(ソウキョ)して節を守るは実に六ケ敷きもの・・・
 *左右(そう):(ここでは)ばかり。年齢が定かでないときに数詞として用いる。
・古の国を治むる者は罪人を孥悪(ドオ)せず、悪(にく)むこと其の身に止まる・・・妻子まで憎まないこと
・海上異候、御保嗇(ホショク)専一に存じ奉り候・・・睡眠など十分とること。ここでは健康を保つ意。

<吉田松陰全集 第10巻>
刎紙(フンシ)・御刎紙・・・はねがみ。文書などの上に返事の文句を書いた小さな紙片を貼りつけたもの。
・大井川を渡り候て一左右(イッソウ)之れあるべく・・・左右(ソウ)は、たより・知らせ。ご一報これあるべく・・・。
草薙(ソウテイ)禽獮(キンセン)亦今だ晩(おそ)しとせず・・・草を刈り鳥を捕えるごとく(征伐すること)
・上皇を奉迎せんと欲するの意を臂暁(ヒギョウ)す・・・たとえさとす
・懼るべきに候はずと式代(シキタイ)せしとなん・・・頭を垂れて礼をすること。会釈。挨拶。
 *この「式代」は4辞典になし。「式退(シキタイ)=お辞儀をする」ならあり。松陰の間違いか(^^;)それとも誤植か?漢字源には「式体(シキタイ)」でも「おじぎ」の意味あり。
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