漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

<29-2向け模試>の補足説明 ~隧~

2017年08月20日 | 漢検1級高得点獲得のためには
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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(注意)<29-2向け模試その1~その5>の解答に触れている部分があるので、これからチャレンジしようとされている方はスルーして下さい。
ーはじめにー
・模試に関するコメントを寄せていただいた方、自身のブログなどに解答内容などを開示していただいている方には、あらためて感謝申し上げます。
・とても参考になるとともに、模試を作ってよかった(お役に立てた)と思えることもありました。本記事は、コメントやブログへの返信だけでは言葉足らずだったことを補足するため、また、他の方へ、さらに参考となるかもしれない内容もあるため、(お礼の意味も込めて)、ここに開示するものです。


蹊隧」の音読み・・・

・やはり、隧道(ずいどう)の“ずい”の音インパクトが強いので、多くの方(かどうか知らないが)は“・・・ずい”を選択してしまうようだ。
・私も「隧」の関連熟語を調べてて、もしかしたら、出題のこれも“・・・ずい”で読んじゃう人が多いかも知れないと思い、出題したわけです。

・結論から言えば、「隧」は、トンネルを意味する「隧道(ずいどう)以外の熟語は、すべて“すい”読みのようだった(大字源)。
・ただ、その後、ちょっと気になったので更に調べたところ、
 (漢検2)では、
 「隧道(ズイドウ):山腹・海底・地下を掘り抜いた道。トンネル。
           「スイドウ」と読めば、棺を埋めるために斜めに掘り下げた墓への通路。」
  となっているだけだが、他の国語辞典などでは、“ずいどう”“すいどう”どちらでもトンネルの意味でも読んでいるようだ・・・が、ここは漢検2で“ずいどう”で覚えておくべきだろう・・・

 *なお、大字源では、“すいどう”と“ずいどう”は違う取り扱い・解釈(後者は、“国語”で、トンネル等の意。)となっている。

 (国語辞典など)
 
「隧道(スイドウ)とは・・・」
  デジタル大辞泉
  1 《「ずいどう」とも》トンネル。2 棺を埋めるために、地中を掘り下げて墓穴へ通じる道。はかみち。
  大辞林 第三版
 〔「すい」は漢音〕 ① 地中に掘った、墓室に通じる通路。  ②「 ずいどう 」に同じ
  広辞苑
  「隧道(すいどう)」①墓の中に斜めに掘り下げた通路。はかみち。②山腹や地中をうがって通した道。あなみち。トンネル。ずいどう。
  *広辞苑では“ずいどう”で調べると、この熟語は出てこない・・・。

 (漢和辞典(大字源))
 「隧道」:①スイドウ:棺を埋めるために、斜めに掘り下げて墓穴に通じる道。②ズイドウ:(国)トンネルなど、地中に掘った道。

・大字源では、国語としての「隧道(ずいどう)」以外は、以下のとおり、すべて“すい”読み、あるいは、“すい”読みと思える熟語だった・・・
 隧路(すいろ):地中の道。トンネル。隧穴。 *同じ“トンネル”という意味のようだが、こちらは“すいろ”。・・・国語ではないということか・・・
 蹊隧(けいすい):(略。模試の解答参照)
 墓隧(ぼすい) :墓に通じる道。墓道。
 
 陬隧(すうすい):(読みフリあるも意味掲載ナシ・・・“かたいなかのみち”という意味だろうか・・・)
 門隧、丘隧、径隧、古隧、郊隧、障隧、大隧:(読みフリ、意味とも掲載ナシ・・・だが、意味を類推するに、すべて“すい”読みのような気がする)

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漢検1級 29-2向け模擬試験問題 その5(最終)

2017年08月20日 | 模擬試験問題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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●“至高の五大鍋”第5弾!!(笑)・・・29-2向け模試(その5)、今回が最後です。現時点での習熟度や実力の判定にお役立てください。
●難易度は(その1)>(その5)≒(その4)>(その2)≒(その3)ぐらいでしょうか・・・前回(その4)並みかと・・・
●ハッキリ言って、漢検漢字辞典(第1版)をベースに学習されている方には不向きな模試です。初合格を目指す方であれリピーターであれ、少なくとも、漢検辞典(第2版)や他の漢和辞典・国語辞典などもベースに学習を続けられていて、より高みを目指そうとされている方に向いている模試だと思います。
●さて、最後の(その5)のお味は如何でしょうか・・・“恐いもの見たさ”の方も含め、チャレンジはどなたでも大歓迎です(笑)・・・
●模試も“咀嚼”(笑)する時間が必要なので、早めに開示いたしました・・・本番まで、まだ日はたっぷりとありますが、お役に立てれば幸いです。
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(注意)本模試配信後、今回の<その1>~<その5>に関する補足説明等の記事を配信していくつもりです。したがって、本模試(その1)~(その5)について、ゆっくりやろうと思われている方は、以降の本模試に関する記事はスルーするようにしていただいたほうが良いと思います・・・解答に関する補足なども書いていく予定ですので・・・。まだ本模試の閲覧が一定数続いているようですので念の為のお知らせです。

<29-2向け 漢検1級 模擬試験問題 その5> 

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.古人の意を知って説懌する 
2.帝徳、遠覃し、天維宏布す
3.師、溘焉として逝く  
4.書を挟筴す 
5.抛甎引玉をもって和韻を請う 
6.妻孥にまで哂笑さる  
7.手抃し拍子を合わせる 
8.敬して抑搔す  
9.孤藐を撫恤する 
10.原隰、芒芒として士女祁祁たり  
11.震百里を驚かすも匕鬯を喪わず
12.宦官に閹奴を用いる
13.王師、驒驒として進む 
14.乱蟬嘶譟し、黄昏を欲す
15.黠獪な臣下に翻弄さる  
16.噦噫を頻発す     
17.綢緞の絹布を敷く 
18.天下に札癘多し    
19.老羸、溝壑に転ず  
20.牙檣捩柁し、青楼遠し 
21.とてもしい顔つきをしている 
22.捩摺の花が咲いている  
23.相い見て欣然とし、談話、日をる 
24.昼をくばかりの明るさだ 
25.液体の底にが沈んでいる 
26.心のれた奇人といえる
27.小川で魚をう  
28.やっとここまでった 
29.子ども達が彼方此方でんでいる 
30.牆を踰え隙をつ  

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.エビ色の優雅な友禅を着す 
2.混乱のさなか、センカに巻き込まれた 
3.重三とは、ジョウシのことである 
4.妻からのセイビの礼で、なぜか疑懼した
5.突進前に一斉にトキガシラを挙げた
6.春の日のワクたる雰囲気が好きだ
7.ソダを焼べて焚火をする 
8.この理論は君をもってコウシとする
9.シャコは鶉と雉の中間の体形をもつ鳥だ
10.校正してエンジを削除した
11.彼は文壇のキョハクである
12.大学者のことをセキジュという
13.喫茶でワビを楽しむ
14.反省してワビを入れる
15.先人の遺業をカイコウする
16.天門カイコウとは万物生滅の理だ
17.心、コウコウとして眠れず
18.コウコウと寺の鐘が鳴り響く
19.スギの花粉で目が真っ赤だ
20.これは何フィートの長さだろうか

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.自分自身に引け目を感じ、不満を持つ。
2.天空。また、弓形・半球状のもの。
3.美徳を成し遂げること。
4.主君が臣下に自由にされていることをいう。
5.多くの人が、がやがやと話しあうさま。
<語群>
(はんかん、ていりゅう、そんとう、きび、じけん、せいび、こうてん、きゅうりゅう)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )一呼 ( 2 )皓歯 ( 3 )剛吐 ( 4 )北斗 ( 5 )同音
万目( 6 ) 竜頭( 7 ) 兵戈( 8 ) 瓶墜( 9 ) 狐死( 10 )
<語群>
(そうじょう、なんき、がいさい、しゅきゅう、しんぴ、しょうけい、しんせつ、げきしゅ、じゅうじょ、まんり)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.非常にぜいたくなことのたとえ。
2.非常にたやすいことのたとえ。
3.偉大な人物のこと。
4.取るに足りない小細工。
5.無能でとりえのない人のたとえ。
<四字熟語群>
( 雕文刻鏤 冢中枯骨 渭川漁父 孔翊絶書 彫虫篆刻 中流砥柱 発蒙振落 漿酒霍肉 )

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.天魚 2.望潮魚 3.竜葵 4.海鷂魚 5.埃及 6.虎掌 7.鳶尾 8.続断 9.文珠蘭 10.牛津

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.彷彿 - 2.彷う 
イ.3.摶飯 - 4.摶める 
ウ.5.煕笑 - 6.煕ぶ
エ.7.櫟釜 - 8.櫟る  
オ.9.抒溷 - 10.抒む 

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
1.酷暑 2.払晨 3.仕官 4.山趾  5.霊地 
6.碩謀 7.暁暾 8.戦袍 9.徽猷 10.苟禄
<語群>
(しんぎ、けいべん、しそ、ぜんぼう、ぼんけい、ぜってん、ぼうばん、きかん、こうゆう、じゅうい)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.腹中にリンコウ有り 
2.イケン、節を一にす 
3.スンコウは黄河の濁を治する能わず  
4.大国を治むるはショウセンを烹るがごとし
5.君子に侍するにサンケン有り 
6.クドウを行く者は至らず  
7.エイフを請う  
8.江河はロウシを満たす能わず  
9.強弩の末、ロコウに入る能わず 
10.千鈞の弩を以ってカイヨウを射る 

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
29-2-5
(A)(第二 家庭の児)
「・・・長門は山陽の1.セイスウに僻在す、而して萩城連山の陰を蔽い、渤海の衝に当る。その地海に背き山に面す、卑湿隠暗。城の東郊は則ち吾が松下村なり。松下の村たる、南は大川を帯ぶ、川の源、渓間数十里、人能く窮むるなし、蓋し平氏遺民の隠匿する処。その東北二山の大なる者は唐人山と為す、朝鮮俘虜の鈞陶する処。小なる者は長添山と為す、松倉伊賀の廃址なり。山川の間人戸一千、士農あり、工商ありと。これ彼が自ら語れる故郷の光景なり。彼は実に天保元年八月四日を以て、萩城の東郊松下村護国山の南麓に生る。
 彼の父杉百合之助は敬神家にして忠摯篤実なる循吏なりき。彼の母児玉氏は、賢にして婦道あり、姑に事うる至孝、子を教ゆる則あり、仁恕勤倹、2.カショクの労に任じ自ら馬を牧するに至る。嘗て彼女の写真を見るに、ア.豊頤、細目、健全、温厚の風、靄然として掩うべからざるものあり。母の兄弟に竹院和尚あり、鎌倉瑞泉寺の方丈にして、円覚寺の第一坐を占む、学殖徳行衆に抽きんず。父の兄弟に吉田大助あり、即ち松陰の養父なり。彼剛正にして夙に大志あり。経史を精研し、一家言を為さんと欲す。イ.瘍を病み、自から起たざるを知り、異薬をウ.卻け、特に従容として死す。歳二十九。また玉木文之進あり、硬直、廉幹にして民政に達す。松陰幼時の師は、則ち彼なり。彼は明治九年前原一誠の乱、嫌疑を被り、官囚となるをエ.屑しとせず、自ら六十余歳の3.シワバラを屠りて死せり。
 彼の一家、友交4.シュウボク、忠誠にして勤克。その父もしくは叔父の如き、5.コウガより帰れば、直ちに袴を脱して、田圃にオ.耕耨す。・・・」「吉田松陰(徳富蘇峰)」
(B)「・・・水野が幕府に失敗したる所は、則ち村田が長州に成功したる所なり。
 然りといえども彼が改革は、多少の怨敵を彼の身辺に湧かしめたり。彼の門楹は斫られたり、彼の石矼は毀たれたり、彼の前庭には、二人の刺客の足を印したり。彼自ら歌うて曰く、
国歩艱難にして策未だ成らず、身を忘れ聊か6.ヤキンの誠を献ず。才疎く万事人望に違い、徳薄く多年世情に負く。皎月の門前に誰か石を折り、芳梅の籬外に渠(なん)ぞ楹を斬る。松を撫でてただ託す千秋の後、清風に問う有らば、我が名を答えん。
 斯老襟懐想い見るべし。彼豈粗胆笨腹の慷慨家ならんや。・・・
・・・
 彼らの相見るや、実に嘉永四年江戸においてす。松陰惟えらく、象山畢竟洋学をカ.鬻いで、自ら給する売儒ならんと。乃ち平服のままにて、その門に入る。象山儼然として曰く、「貴公は学問する積りか、言葉を習う積りか。もし学問する積りならば、弟子の礼をとりて来たれ」と。松陰輙ち帰りて衣服を改め、上下を着し、その門に入れり。のち人に語りて曰く、「象山という奴は、並の奴ではないぞ」と。当時松陰二十二の青年にして、象山は既に四十の宿儒、その盛名天下を掩う。山においては富岳の高きを見、水においては遠州洋の深きを見、人においては佐久間を見る。その始めや漢蘭学芸の事を問い、遂に天下の勢に及ぶ。彼らの性質は固より相同じからず、その年齢も相距たる二十年。弟子は卒直に過ぎるほど卒直なり、先生は荘重に失するほど荘重なり。一方は木綿服に小倉織の短袴を着すれば、他方はキ.綸子の被布を纏い、儼然として7.コヒに坐す。一方はク.翰を揮う飛ぶが如く、字体の大小、筆墨紙の精粗を択む所なきも、他方は端書すら奉書紙にあらざれば書せず。一方は謙虚益を求め、他方は昂然天下の師を以て自ら居る。一方は赤裸々の心事を、赤裸々に発表すれども、他方はケ.苟も人に許さず、甚だ一笑一顰を吝しみ、礼儀三千威儀の中に、高く標置す。一方は質樸なるを以て英雄の本色となし、他方は質樸ならざるを以て英雄の本色となす。一方は恒に直径を取りて、打破的運動をなし、今日の事をして、今日の事をなさしめよといい、他方は廟算定まらざれば、一歩も動くを欲せず、その眼界は遠く百年に及ぶ。その相反する実にかくの如し。而してその相反するは、則ち相得る所以なるか。松陰曰く、「象山高く突兀たり、雲翳仰ぐべきこと難し。何れの日にか天風起り、快望せん・・・」と。彼らの関係ここにおいて分明ならずや。
・・・
吾人は阿部伊勢守を以て、庸相というべからず。彼は夏日恐るべき水野の後を承け、冬日親しむべき政略を取れり。如何に彼が大奥の援引によりてその位を固うしたるにせよ、如何に彼が8.コウアンを偸取したるの譏りは免るべからざるにせよ、如何に因循姑息の風を馴致し、また馴致せられ、弊船に坐して深淵に下るに一任したるにせよ、彼は少くとも大臣たるの器を具えたるを許さざるを得ず。彼は一身を以て朝廷、幕府、諸侯を連串するの鉄鎖となり、以て政権を三者に分配しつつも、なお幕府を以て中心点となし、上は朝廷に接し、下諸侯に連なり、以て調和一致の働きをなさんと欲せり。彼はこれがために外藩諸侯のコ.魁たる薩摩と結托せり。幕府の親藩にして朝廷に最も縁故ある水戸を馴撫せり。彼が世を終るまでは、諸侯に違言なく、水戸烈公の如きも、動もすれば牴牾9.カンカクしたるに係わらず、なお幕府の純臣たるを失わざりしなり。彼にして死せずんば、あるいは公武合体の変則制を霎時の間建立したるも未だ知るべからず。惜しむべし彼は安政四年六月を以て死せり。彼一たび死す、水戸老公はあたかも放たれたる虎の如し、その幕閣より遠ざかるに比例して朝廷と密着し、一孔生じて10.センソウ出で、遂に容易ならざる禍機を惹起せり。・・・」「吉田松陰(徳富蘇峰)」
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<29-2向け 漢検1級 模擬試験問題 その5 標準解答>
(一)
1.えつえき(過去問) 2.えんたん:遠くまで及ぶ 3.こうえん4.きょうさく:書物をわきに抱える。 5.ほうせん:抛甎引玉(かわらを投げて玉を引き寄せる。人に和韻を請うことのへりくだった言い方。) 6.しんしょう 7.しゅべん:手をうつこと。 
8.よくそう:あんまをし、かゆいところをかく。よく親に仕えるさま。 9.こびょう:幼いみなしご。藐は、眇で、弱小の意。 
10.げんしゅう・げんしつ 
*漢検2:原隰(ゲンシツ)・(ゲンシュウ) *大字源ほか:原隰 (げんしゅう) :高原と低い湿地。   祁祁(きき):きき:①雨の静かに降るさま。風雨の和して静かなさま。②多いさま。「芒芒原隰、祁祁士女」(曹植の詩) 芒芒:廣大的樣子  「芒芒原隰,祁祁士女」:はるかに平原が広がる、そこには農蚕にいそしむ多くの若い男女のすがたがある。*ブログ過去問:「雨、祁祁として興る(詩経)」
11.ひちょう  12.えんど(過去問)
13.たんたん *大字源「🈪タン(漢・呉音):「驒驒(タンタン)」=疲れあえぐさま。また、盛んなさま。(漢・叙伝下)「王師驒驒」」 
14.せいそう:①馬がいななき騒ぐ。②せみが鳴き騒ぐ。 15.かつかい・かっかい:こざかしい、わるがしこい 16.えつあい:しゃっくり・しゃっくりと、おくび  
17.ちゅうたん:絹織物・絹布 18.さつれい:疫病による若死に 19.ろうるい 
20.れつだ:かじをねじって舟の方向を変える。
21.さか(しい) 22.もじずり 23.わた(る) 24.あざむ(く)
25.かす・おり  26.ねじ(れた) 27.すく(う) 
28.いた(った) (注)異体字しか反映せず。 
29.よろこ(んで) 30.うが(つ):*「踰牆鑽隙(ゆしょうさんげき)」:男女が人目をしのんで会うことのたとえ。また、だらしなくつきあうこと。垣根を乗り越えて密会したり、壁に穴をあけてのぞき合う意から。転じて、正当でない方法を用いることのたとえにも用いられる。(出典:孟子)
(二)
1.葡萄 2.戦渦 3.上巳 4.斉眉(の礼):妻が慎んで夫に仕えること。 *四字熟語「挙案斉眉」*「済美」は別義。 5.鬨頭(ときがしら):鬨の声の初めの発生。「えいえい」の声。 6.和煦(わく):春の日ののどかに晴れて暖かなこと 7.粗朶 *焼(く)べる 8.嚆矢 9.鷓鴣 10.衍字 11.巨擘 12.碩儒 13.侘(佗) 14.詫 15.恢弘・恢宏 16.開闔 17.耿耿 *気に掛かることがあり、心が安らかでないさま。「耿々として眠れない」 18.鏗鏗 19.椙 20.呎 
(三)
1.自歉(じけん):自分自身に引け目を感じ、不満を持つ。(漢検2掲載熟語)  
 (参考)自慊(じけん):自分で心に満足する。自分の良心に恥じるところがない。
2.穹窿(きゅうりゅう):天空。また、弓形・半球状のもの。(過去問)
3.済美(せいび):(左伝)美徳を成し遂げること。子孫 が父祖の立派な業績を受け継ぐこと
4.綴旒(テイリュウ):大字源:結びつけた旗あし。旒は、旗あし・吹き流し。旗あしは下から自由に操作できることから、転じて、主君が臣下に自由にされていることをいう。また、高位にあっても実権のない者をいう。*旒綴(リュウテイ)(漢検2):大字源:旗のなびく部分。旗のたれ。 はたあし。
5.噂沓(そんとう)(漢検2):多くの人が、がやがやと話しあうさま。
(四)
問1
1.振臂(一呼) 2.曼理(皓歯) 
3.柔茹(剛吐)(じゅうじょごうと):弱い者をさげすみ、強い者は畏れるといった世俗の常を表したたとえ。柔らかいものは食べ、固いものは吐き出すというところから。「茹」は「茹(く)う」意。 出典:詩経
4.南箕(北斗)(なんきほくと):名前ばかりで実質が伴わないことのたとえ。「箕」は穀物をふるう農具の箕。「斗」は酒をつぐためのひしゃくのこと。「南箕」は星座の名。みぼし。「北斗」は北斗七星。どちらも箕や斗を名前にしているが、実際には手に取って用いることができないことから。 出典:詩経  類)有名無実
5.笙磬(同音) 6.(万目)睚眥 7.(竜頭)鷁首 8.(兵戈)槍攘 9.(瓶墜)簪折 10.(狐死)首丘
問2
1.かくにく 2.はつもう 3.いせん 4.てんこく 5.ちょうちゅう
(参考)
1.漿酒霍肉:非常にぜいたくなことのたとえ。
2.発蒙振落(はつもうしんらく):非常にたやすいことのたとえ。物の上にある覆いを取り、葉などを振るい落す意から。 出典:史記
3.渭川漁父(イセンのギョフ):偉大な人物のこと。太公望の故事。類義:渭浜之器 渭浜漁父
4.彫虫篆刻:取るに足りない小細工。
5.冢中枯骨:無能でとりえのない人のたとえ。
(五)
1.あまご 2.いいだこ 3.うみほおずき 4.えい 5.エジプト 6.うらしまそう 7.いちはつ 8.なべな 9.はまゆう 10.オックスフォード
(六)
1.ほうふつ 2.にかよ(う)3.たんぱん 4.まる(める) 5.きしょう 6.よろこ(ぶ)*煕笑:他に、「煕(たの)しむ」訓もあり。:(大字源)楽しげに笑う。喜んで笑う。 7.れきふ 8.こす(る) 9.じょこん 10.く(む)
(七)
1.祁寒 2.旁晩 3.挂冕 4.絶巓 5.凡境
6.鴻猷 7.晨曦 8.戎衣 9.善謀 10.尸素
<参考>
祁寒きかん 酷寒(こっかん)極寒(ごっかん) 厳寒 ⇔ 酷暑
碩謀せきぼう:大きなはかりごと。 鴻猷こうゆう:(広辞苑)おおきなはかりごと。 
晨暾しんとん =あさひ。暁暾。晨曦しんぎ。➪(同じく大字源で)朝日の光。
戦袍(せんぽう)=戦争に着る衣服。軍服。戎衣。
払晨、(ふっしん):よあけ。払暁。
旁晩=夕方、晩方、日暮れ時 下舂。
挂冕=挂冠=官職を辞すること 
徽猷きゆう:よいはかりごと。善謀。嘉猷。
苟禄(コウロク):(大字源)務めを怠っていながら、俸禄をむさぼり受け取っている。尸禄(シロク)。 尸禄:・・・尸位、尸素、尸利・・・
凡境(ぼんけい)⇔霊地  (広辞苑)普通の場所。霊地などに対していう。
 cf(広辞苑):凡境(ぼんきょう):凡夫の境地  梵境(ぼんきょう):寺院の境内= 梵砌(ぼんぜい)
(八)
1.鱗甲:「腹中鱗甲」心が険しく、人と争いやすい性質のたとえ。また、陰険で腹黒いことのたとえ。 2.夷険  ✕遺賢  「夷険一節」 3.寸膠 4.小鮮 5.三愆 
6.衢道 7.郢斧:故事(郢の人が鼻の先に土を薄く塗り 、匠石という大工に斧で削り取らせたところ、鼻を少しも傷つけなかったという故事から、詩文の添削を人に請うときに用いる語。 ) 8.漏卮 9.魯縞 10.潰癰
(九)
1.西陬 2.稼穡 3.皺腹 4.輯睦 5.公衙 6.野芹 7.虎皮 8.苟安 9.扞挌(扞格) 10.千瘡
ア.ほうい イ.よう(*原文ルビは“よう”だが、“かさ”“できもの”でも可となると思われる。)
ウ.しりぞ(け)*(注)「卻」は「却」の異体字(別体字)。原文どおりの掲載とした・・・ 
エ.いさぎよ(し) オ.こうどう カ.ひさ(いで) キ.りんず ク.ふで ケ.いやしく(も) コ.かしら
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