@じゃんだらりん

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航空戦艦 伊勢・日向

2007-08-29 | ミリタリー
同名の海自ヘリ空母「ひゅうが」にちなんで、同名の旧海軍の航空戦艦のネタ。

昔この戦艦・伊勢型のプラモデルが結構好きで、何隻が作りましたね。


大概この姿のモデルしか売ってないが、本当はコレ改装後の姿で、竣工当時は格納庫の部分は主砲塔が搭載されてた。

それを空母戦力の増強のため、戦争途中で改造された次第。

"航空戦艦"という”空母”と”戦艦”の利点を組み合わせた今で言うなら”ハイブリッド兵器”

これだけ聞くとプラモ少年の心の琴線には触れまくりだが、実際には逆に欠点をを2乗したような存在だった。

まず、3万トンを超える艦体に対して、写真を見れば判る飛行甲板の小ささ。当然離着陸も不可能。格納庫も22機しか収容できず、空母としての戦闘力は最低レベル。

でも航空機はカタパルトで打ち出してやれば発艦できるし、空襲後は別の空母か陸上基地に降りればよいから、まだいい。

戦艦としては、こらもうまったく駄目で、大砲でガンガンと殴りあってる最中に、燃えやすい航空機用燃料と爆弾を背中にしょって出て行ったら、カチカチ山の狸の運命をたどることは明白。

唯一、改装して役に立ったと思える箇所は、対空兵装。

日本の戦艦は”艦隊決戦”の幻想にしばられ、「副砲」という、対小艦艇用の砲塔を最後まで装備していたが、この伊勢型は改装時にそれを全て撤去。

代わりに当時最新の対空ロケット砲を初め、対空兵装を充実させていた。実際の戦史でも、この2隻が参戦したエンガノ岬沖海戦で生き残れたのは、この装備があったからだと云う。また北号作戦でも、敵の制空権下を強行突破して輸送任務に成功している。


この戦闘結果を踏まえて活躍場所を探すなら、この甲板でも運用可能な水上機を使用して対潜水艦の哨戒、あるいは航空機の輸送などでは有効に働けたはず。



もっともそれだけの使用の為に、莫大なコストをかけて改造した価値があったかとういうと、やはり疑問符がつく。

”アブ蜂とらず”とはよく言ったもので、一つの兵器に万能を要求すると、結局は中途半端な存在になってしまうものなんでしょうか。






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