@じゃんだらりん

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氷山空母ハボクック

2006-12-31 | ミリタリー
「戦争は馬鹿らしい!しかし戦争に注ぎ込まれた狂気ような情熱は面白い!」~某漫画家の台詞より引用。

戦争時下となると、ほとんど全ての国家が多かれ少なかれ冷静な思考能力を失っているらしく、トンデモない無謀な作戦を立案する輩と共に、理解しがたい発想で兵器を開発しようとする人たちもでてくる。

その中で「溶けない氷を使って絶対不沈の空母を誕生させる」という、第2次大戦中に、イギリス人が本気(?)で考えた超巨大空母建造計画があった。

その名は「氷山空母・ハボクック」。

ジェフリー・パイク氏という技術者が発明した「パイクリート」という氷がこの計画の根本で、パイクリートとは、水にパルプを14%混ぜて作った特殊な氷のこと。この製法だと、融点が異常に上昇するらしく、「パイクリート」は摂氏15℃でも溶けないという。この「パイクリート」のブロックを積み上げて「空母」を建造するという壮大な計画だった。それもケタ違いに巨大な船体になったようで、全長600m・全幅90m・排水量は200万t!。搭載する航空機は300機になったという。

しかもパイクリートは基本が”氷”だから、爆弾や魚雷を食らっても、損害箇所にパイクリートの素(?)をホースでかければアラ不思議、すぐに凍って元通りという、SFなみの自己修復能力が備わっており、まさしく夢の不沈艦という訳だ。



当時の敵国ドイツは潜水艦Uボートで通商破壊を行いイギリスを苦しめており、それに対抗する航空機の攻撃でカヴァー出来ない海域にハボクックを浮かべてUボートを駆逐しようという発想に、当時の軍首脳は飛びついたんですね。

島国イギリスにとって全ての物資の輸入が絶たれる事態は最大の悪夢であり、その恐怖心が、この冷静とは言えないハボクック計画に走らせた理由かもしれない。

しかし、文字通り氷で頭を冷やして考えれば、普通に対潜用の護衛空母を量産した方が効率がいいに決まっており、結局、建造計画は中止された。

現在、この発想は形を変えて、メガ・フロートという浮遊物体の基礎になっているといわれ、ある意味、パイク氏は「栄光なき天才」というやつだったのかもしれない。

ちなみに「超巨大な無敵の氷山空母」の発想は小説的には非常においしい素材なようで、多数の架空戦記に「幻の秘密兵器」として登場してます。
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3 コメント

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拙作サイトの参考にさせていただきました (消印所沢)
2009-06-15 00:22:39
 はじめまして.
 消印所沢と申します.
 唐突にメールさせていただくご無礼をお許しください.


 さて,このたび拙作サイト
「軍事板常見問題&良レス回収機構」
におきまして以下のQ&Aを作成する際,
貴ページを参考にさせていただきましたので,
報告させていただきます.
http://mltr.ganriki.net/faq08a05e02.html#Habbakuk


 引用の範囲内かと存じますが,
もし差支えがございますようでしたら,
遠慮なくお申し出いただければ幸いに存じます.


 それでは今後ともよろしくお願い申し上げます.
 草々
初めまして。 (じゃんだらりん)
2009-06-15 23:35:01
ご丁寧なコメントありがとうございます。

当方の稚拙な記事を評価していただき嬉しく思います。こちらこそ今後とも宜しくお願いします。
Unknown (消印所沢)
2009-06-16 00:00:11
 ご返事ありがとうございます.

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