マサ大家のギター近況報告

ギタリストマサ大家のギター近況報告を掲載

身延の麓坊にて演奏しました。

2007-03-31 13:45:24 | Weblog
 3月30日の夜7時頃から、身延町にある日蓮宗の総本山久遠寺からほど近い宿坊
「麓坊」のお庭にてベース奏者パストリアスの金子さんとDuo演奏しました。
彼は甲府にあるカフェパストリアスのオーナーでもありその名もズバリの
ジャコ・パストリアス・フリークであります。
 
 僕は一昨年もこちらで演奏させていただいて、その時は本堂を背に
軒下にて演奏させていただいたのですが、この日は気温も13,4度くらいで安定しており
桜をバックに野外で演奏することになりました。

 満開だった桜はその日の明け方、猛烈な雷とともに豪雨で、
半分くらいは散ってしまったそうです。
山中湖ではまだふきのとうが顔を出し始めたばかりで
富士桜の花が咲くのは1ヶ月くらい後、陽気のちがいにビックリしました。

 7時からの演奏は用意された椅子もほぼ満席になり
スペインから持ち帰ったアルハンブラのギターをメインに弾きはじめました。
 
 FishmanのピックアップとBossのアコギ用プリアンプAD-3はやはり相性抜群です。
なかなか太い音色がてきて単音だけでも存在感がある。なにより耳に優しい音色です。
ネックは4角ぽく幅が広いので、いつものタコマに比べると慣れていない分弾きづらいかな。
 
 ちなみにPAの出音はエレクトロヴォイスのSX300というスピーカーです。
このスピーカーは抜けの良さで定評があり、エレアコなどのサウンドを表現しやすいですよ。
ビレッジのスタジオにはEスタ、ライブホールをのぞいて標準仕様のスピーカーです。

 演奏曲中思いのほか反響があったのは「千の風になって」だった。
ドライブ中にラジオで流れており、すうっと歌詞と曲が良いと思ったから演奏してみました。
会場で聴いてる皆さんはそれぞれこの曲に思いを馳せていたとのことでした。

 あとはピアソラのリベルタンゴも好評。
 こう書いてくるとジャズやってこなかったように思われるかもしれませんが、
CMなどでよく使われるような「What a wonderful world」や「Georgia on my mind」、「Stardust」も演奏しました。

 この夜は星空の下、ライトアップされた夜桜を背景に、金子さんと僕の
デュオ演奏を身延山に参拝に来られた方々、お坊さん達、身延町の音楽愛好家、
僕のギター教室の生徒さん達、ラヴラヴカップルの方達に喜んで聴いていただき
とても幸せな夜でした。




 

都内某所でソロギターを録音しました。

2007-03-24 18:40:39 | Weblog
 昨日は都内某所でソロギターを録音しました。
 先日は日本ビクターの無響室での演奏でしたが
資料作りのため今回もほぼ前回と同じテンポで同じ曲、同じ弦で
同じ20thセンチュリィ記念のオーベイションとのオーダーでした。
 
 同じ曲とは言うもののG7のブルースなので
まったく同じという訳にはいきません。
いきふんでどんどん成りゆきが変わってしまうのが僕の力量です。

そのへんは実験をなさっている方々もご承知されていたようで
演奏に対してのクレームはまったくなく、僕もリラックスして演奏に集中することができました。

 今回も最初はギターのサウンドホールを中心にまわりに8本イヤホンのような形をした
マイクがたてられました。

 今回はモニターすることができたので演奏した音源を聴いてみると
まるで僕がそこにいて弾いている状況、ほんとの臨場感がそこにありました。
言い様のない感動が胸にズ~ンと響きました。(演奏に感動したわけじゃないよ。)

 その後は16個同じマイクを使っての録音、これは音をまだ聴いていませんが
きっとより以上の感動があるのではないかと思っています。この先どうなるのか
本当に楽しみな実験です。

 その後は金曜日ということもあり居酒屋どこも満席!
麓は元気回復、景気よくなってきてるんだと実感しました。

友人のサンタOM

2007-03-23 12:56:03 | ギター
 今日は久しぶりに友人のサンタクルーズOMというギターをひっぱりだしてみました。
ケースを開けるとダダリオの弦だったと思うのですがブロンズの光りが失われるくらい
弾かなかったんだなと思い、オレンジオイルを指板に塗り込み、
 アーニーボールのフォスファー・スタジオ・ブロンズという12~54のゲージの
僕自身初めて使う弦を張ってあげることにいたしました。

 いつも使っているのマーチン緑箱は10~47なので件の弦は僕にはかなり太いのですが、
音色が良さそうなので張ってみることにしました。
 
 いつもながら張ったばかりの弦は低音弦の響きがたまりませんな。
サンタのD-28タイプと比べると4,5,6弦のエッジが立ってる響きですね。
(低音の含み音があまりないというか)
OMはボディの厚みもあまりないので当然でしょうが。
 
 1,2弦などは前に出て来る感じですね。
全体的にはアルペジオなどの1音1音がくっきりしています。
この高級ギターはボディのローズウッド、表板の材質、スノウフレイクの貝殻細工、
サウンドホールもゴージャスな材料が奢られているみたいで壊すととても高そうで
 
 普段から僕の手元にあるのですが、粗雑な性格ゆえ何があるかわからないので
弾きたおすということや、ライブに持ち歩くとかはしておりません
時おりながめては美しいなどと思うカケジク的な存在?
かもしれませんね。(ア~もったいない)

 そういえばこのギターはマーチンのポール・サイモン・モデルに音色は似ているかもしれませんネックの握りはサイモン・モデルはカマボコでOMは明確な3角ネックです。


 僕個人としてはサイモン・モデルの方が好きかもしれません・・・
残念ながら両方とも同じ友人のギターです。

 いつかは漢(オトコ)の1本ということでどれか譲っていただこうかな・・・
 (当分無理とは思いますが)


63年ストラトキャスター

2007-03-21 15:42:14 | ギター
 7年くらい前Texas州HoustonのFullars's Vintage Guitarsというところで
購入したストラトキャスター。
G Bassというギターやベースなどの専門ネットで検索
値段や程度などのやりとりをして見つけたギターです。
 
 オフホワイトの適当なリフィニッシュゆえ塗装は?ですが
ピックアップや配線、パーツは当時のオリジナルのままということが
決め手で購入しました。

 以来数年いろいろなところで弾き、海外までも、つれ歩いたため
ネックの牛骨部分が減ってしまい弦と1フレットがこすれてビョーン、ビィーンと鳴りだし、
チューニングもままならなくなってきた。

 そこで楽器のオーソリティーにして頼れる我らがアニキ、ロミーさんに相談しました。
牛骨を丁寧に削りあげ、ヤスリの一引き、一引きにも息を止めて
僕の納得いくように製作して下さいました。

 6弦から1弦まで弦高の高さもコンマ何ミリの世界
まるでオーダースーツを作るような感覚で僕の押弦の好みに
いろんな種類のヤスリを使って、最終的にコンパウンドがけまで行って、
スムースな弦運びができるようになったばかりか美しい仕上りになりました。

 取急ぎアンプにプラグを差し込んでアンプリファイドされた
開放弦と押弦した時の音色の違和感もなし。いつまでも弾いていたくなる音が
飛び出してくる。

 この先まだまだ使える楽器に蘇りました。

 4月以降は「この娘」の出番を増やしていきたいと思っています。
 





サンタの贈り物

2007-03-19 12:26:56 | Weblog
 今日は3/19日
 何今頃サンタの贈り物などと言ってるの?
というお声が聞こえてきそうなタイトルでごめんなさい。

 僕のまわりにあるギターの中で1番生音がいいギターが
サンタクルーズのD-28タイプのギターなのです。
 
 マーチンのD-28を称して6弦のスタインウェイだと表現される方も
いらっしゃいますが、サンタクルーズもマーチンD-28を祖先に持つ(見習っている)
ギターゆえに(手元にはアナライザーなど持っておりませんのでどのような帯域で美しい響きがでているとは言えませんが)
低音の鳴りから綺麗な高音まで美しく良く鳴っています。

 裏板仕上げも木管に塗料が入りこんでいて塗料はラッカーを重ね塗りしているように思います。 やはり木も息をしてるのでしょうか表板には絹糸のような塗料のクラックも数カ所あります。

 ネックの握りは3角グリップそれもかなりきついほうです。
僕には弾き易く感じます。

 先日RYO君のレコーディングでカッティングしてみましたが音色は自分の耳に聴こえてくるのと
遜色なかった。ソロメロディーではまだ録音したことはありませんがコンプで引き延ばすと
良い音で鳴ってくれそうな1本ですな。
 
 だんだんギター品評のようになってしまいましたが、
アコギと長いおつき合いをするのならこういうギターが良いのではと思えるギターですよ。


 

ミスファイア!

2007-03-18 13:06:06 | ギター
 高校生のころからアコギには通称コンパウンドという
ライトゲージより細い弦を使っていた僕。
いまだにライトゲージよりビブラートのかけやすい弦を
張っています。

 値段も比較的安くてここ3年くらい使っている弦は
MartinのExtra Lightっていう緑色のパッケージです。
適度な滑りで、比較的持ちも良いしあまりはずれのない弦だと思ってました。

滑り心地というのは3,4,5,6弦の芯線に巻きつけてある
ブロンズの溝がそれ程深くなくエッジの立ちがきつくなく、
それゆえフィンガリングでスラーした時も
あまりキュッ、キュッとか鳴かない弦という意味です。

ところが今年1月、コネチカット州ハートフォードで録音した時の事
おニューの緑箱2個持っていき、最初のひと箱をおろしてのでのフィンガリングの悪さは
抵抗のオンパレード指に弦が引っ掛かってしょうがない。
相棒高谷君の手前、「いつもの弦とちょっとちがうかな?」などと軽く言って
ひどいコンディションだということは顔には出さなかったんですが

 本当は首をかしげたくなるほど異質に感じるものでした。
海外録音ということでの緊張もあったでしょうが、あまりにもギスギスしてたため
いつもの簡単なフィンガリングですらままならない。3弦の5フレットから15フレット
あたりのすべりが得にひどくて、その鳴きを押さえるためにいつもとちがう
ポジションで弾いたりする。その結果余計な緊張がはしる。録音もおのずと
NGになりがちだ。

 だめもとでエンジニアの方もギタリストだったのでフィンガーイーズ持ってないと聞くと
「オー・ソーリィ」とのこと「バット・・・
オリーブオイル(天婦羅油?)じゃったらありまっせ!」
ということで、ペーパーに油浸して弦に塗り付けた。
これで問題解決とばかり弾いていると弦が乾いてきてもっと最悪な状態になっちまった。!

 寒い山中湖から寒いコネチカットへの旅、そんなに気候も変わってないし
空気もそれほど違うとは思えなかった。

 取り敢えずその日の夜、弦を張り替えてみたらいつもの滑り心地!!

 なんの事はないロットに紛れた不良品を使ってしまっていたわけだ。
プロ中のプロ、デューク東郷、ゴルゴでいうところのミスファイア(不発弾)
にあたっちまったんだ。

 小さい頃からフェンダー、ギブソン、マーチンと
アメリカ製品に絶大な信頼を寄せ、あこがれ続けてきた僕
普段疑う事を知らない僕はアメリカ発マーチン製の緑色パッケージに
へんなものあるわけないじゃない。!否あるはずがない。との思いで

 このパッケージをもう一度眺めてみた。Made in Mexicoとあった。

 「ウむ・・やはり Made in U.S.Aではなかったのか!」

 やれ一安心!いまだアメリカ神話を信じている僕がいる。





無饗室で演奏しました。

2007-03-16 11:50:39 | ギター
3月14日、石川町の日本ビクター・アコースティック・デザイン・オフィス内の
無饗室でギター演奏をしました。実験的な演奏でマイク8本でマルチ録音。
オーベィションの指板に惑星がいっぱいデコレィトしてある記念モデルで
Key in Gのブルースを熱演してまいりました。
無饗室は天井にも床にもグラスウールが敷き詰められており(表現がうまくできませんが)
壁はでこぼこの吸音材が使われておりました。
オーベィションはこんな状況下でも計算されたというよく響くディープボウルの
サウンドホールから安定した音がでてきます。
僕の好みの音色とはまたちがうのですが、ネックの握りも良く
値段なりのクォリティーの高いギターだなと改めて思った次第です。
その時、僕が持込んだサンタクルーズのD-28も無饗室で試せればより無饗という状況が
味わえたのですが、時間の制約もあってかないませんでした。
無饗というのはギター本来の持つ音色というものを判断するのにはとても良い
状況ということが分かったような気がします。

タコマにヒビ割れ発見

2007-03-15 10:56:35 | Weblog
先日お伝えしたボロボロに割れた表板のタコマの裏板にも
木目に沿った15cmくらいのヒビ割れを発見してしまいました。

もう驚きャしませんよ!

こういうギターなんだもんね。

タコマとかの新興メーカーはより良く鳴らすためにボディ自体に
無理してるから壊れやすいとバナナムーンの松本さんも仰ってました。

これまた力木風に割れ目に沿ってギターの内側に3mm厚、横幅15mmくらいの添え木を
Gと名の付く接着剤にて3箇所施した。

割れ目にボンドもしみ込んだはずでありますが
念のために裏側の板(おなかにあたる部分)側にも
マスキングテープで5mm厚くらいの塗布部分を作り
20cmくらい割れ目に沿って塗っちゃった。

これ塗らなきゃ仕上げは綺麗だったんですが、
塗らなきゃ気が済まない性分ゆえ
ひどい仕上りに!!
でも僕にとったら香港も、バルセロナも、ニューヨークにまで連れて行った
思いでいっぱい詰まってるタコマ

次ぎにどこが壊れても驚きャしませんし
もう風化するまでこのギターを弾き続けちゃいますよ。

今日はギターの話しではありません。

2007-03-11 11:03:18 | Weblog
 4年前に煙草を休憩したことからの影響で口が淋しくなり、
何を食べても美味しいとばかり節操のない食生活に伴い体重増加。
太る原因は運動不足とばかり自転車に乗り出した。
 
 18段もの変則機が付いたホームセンターでは比較的安く買える折畳み式自転車を駆り、
晴れた日には平野から富士スピードウェイへ抜ける通称三国峠の途中にあるパノラマ台まで
何度もハーハー言いながら自転車でこいで上った。
 
 パノラマ台は雄大な富士と山中湖の全貌が見える名所。
晴れた時には南アルプスの山々まで展望できる。

 そこに自生する草花も楽しめる。そんな坂道を自転車に跨がり
ヒィコラ言いながらペダルを漕いでた僕を尻目にフェンダーのヴィンテージカラーでいう
ダフネブルーのカニ目、オープンカー(オースティン・ヒーリー・スプライト)が颯爽と
過ぎ去って行く。
 
 思わず幼少の頃から作り続けてきたF-1フォーミュラカーやオープンカーのプラモデル群が
浮かんできた。

 一度たりとも綺麗に塗装できなかったジムクラークのブリティッシュグリーンと山吹色のストライプのロータス。派手な煙草カラーで被われたグラハムヒルのゴールドリーフロータス49。ジャッキースチュアートの駆るフレンチブルーのマトラ、グランドエフェクトでジェットのごとく疾走したフェラーリT312。
 
 聖地スピードウェイに続くこの道をオープンカーで大自然 を満喫しながら走りたい。
肌で景色の移り変わりを感じたい。   
オープンカーが欲すぃ!という思いがこの日涌き起こってしまった!

 そしてダイエットのことも忘れ、ひたすらカプチーノで風を楽しんでいる僕がいます。

 

タコマの表板がまた割れてきた!

2007-03-09 10:50:31 | Weblog
タコマの表板がまた割れてきた!カメラマンの長塚邸にてライブのリハーサルの最中に発見してしまいました。押せば簡単に動く表板。以前にもめちゃくちゃに壊れた楽器ではありますが、ここのところニューヨークに連れていっても問題なかったゆえショックはかくせませんでした。演奏中のトラブルはありませんでしたが沼津のギター職人バナナムーンの松本さんにも見放された楽器のこと、自分でどうやって直そうかなどと考えてたら長塚さんが良いボンドがあるよ!ごらんのXと名の付くボンドを下さいました。このボンド即乾性がありつつ粘りがあるのでギターに良いかも!?などと掟知らずの僕は割れた表面に1cmくらいの幅でフリーハンドで塗布。表板の裏側には2cm四方くらいにカットした厚さ3mmくらいの割れを繋ぐ木片を木の割れに沿って接着しました。内側は見えない部分だから良いのですが表はご覧のようなすごい世界になってしまいました。でも鳴りは前より良くなったような気もします。昔のお風呂やさんの桶みたいなギターになってきましたな!