マサ大家のギター近況報告

ギタリストマサ大家のギター近況報告を掲載

Now's The Time

2008-03-10 20:32:20 | Weblog
 山中湖を含めた富士五湖地方のお買い物や電車、バスなど発着の中心となるところは
5.3万人くらいの人が住む富士吉田市。うどん屋さんが多いところで、TV、雑誌などでの紹介も多い。
僕たちサウンドビレッジ・スタッフもよく出かける街です。
 
 よしだ生まれの白須敏功さんと東京育ちの佳代子さんが、jazz in Nowというジャズ・スナックをオープンしたのは38年前。
jazzをもっと身近で楽しく聴いてもらいたい、そしてライブができる場所をつくりたいという気持ちでスタートした。
7時頃からオープンし、夜が白む頃までもお客さんがいれば営業してくれるお店。

 マスターの敏功さんはオーディオにもこだわりがあって、アンプは真空管からデジタル・アンプまでいろいろ取り揃え、
ターンテーブルはリム・ドライブのガラード。カートリッジもシュアーを始めいろいろと持っている。
そしてスピーカーはプロユースのTADモニター(38cmウーファー×2、ウッドスコーカー)がお店の壁に埋め込まれている。
 こういったオーディオで再生されると、スタジオのコントロールルームで聴くラージモニターと同じで
録音の善し悪しがはっきりと分かる。
そして大きな棚の中にはjazzの名盤レコードや新譜CDが数千枚入ってる。

 ジャズライフなどで取り上げられる新人jazzミュージシャンの新譜もここで聴いてから購入することが僕は多い。
当たり外れが少なくなるからとてもありがたい。
  
 大好きな歌手ディーディーブリッジウォーターの「ジャスト ファミリー」もここでしか聴きません。
A面最後の曲で声を張り上げて歌ってるディーディーがこれでもかと最後のところでもっと伸びやかに歌い上げ、
ストリングスもからんできて一気に登りつめるさまはここでしか味わえない醍醐味なのだ。

  バーボンはフォー・ローゼズのブラックラベルをロックで飲み、
つまみはサラミ・ソーセージかオイル・サーデンを熱っため、しょうゆと七味を少々まぶしたものをいつも頼む。
おなかが空いたら、ナウピザ。
20年くらい前、今では立派に成長した娘さんたちが足でこねた生地だから
美味しいんだと自慢してたっけ。
 
 音楽好きの老若男女が夜な夜なここに集まっては酒を酌み交わし、音楽を語り合い、、
時には恋人たちが愛も語っている憩いの場。
お酒も回り、興ずればチャス・ユンケルの「愛のコリーダ」をマスターがチョイス、
ソウルフルなBGMをバックにディスコも踊った。

 敏功さんはオープンマインドな人だ。ビレッジで練習して11時を過ぎた頃に出かけていっては
深夜の出前ライブを演らせてもらった。
僕らの演奏に対してもらえるコメントに一喜一憂したものだ。
 
 僕が山中湖のジャズペンション「3361BLACK」でピアニストのデュークジョーダンとウッド・ベースでセッション
してもらった時なんか興奮覚めやらないまま、すぐお店に報告に出かけた時など、
ニールペデルセンとのデュオ・アルバム「フライト トウ デンマーク」でしか彼を知らなかった僕に
「マイルスと共演してる偉大なピアニストと演奏できてすごいね!」などとそんな御大とも知らず逆に驚かされたりもした。
 
 もう1件の敏功さんのお店コンブリオでも、たくさんライブの機会をいただきました。
そしていろんなアーティストのライブも聴かせてもらいました。

 そんな富士五湖地方にjazzをはじめ音楽文化を築いた敏功さんが亡くなられた。

 いつまでも音楽を聴いていたいであろうマスターの気持ちと、演奏を聴いてもらいたい僕らの気持ちと
喪主佳代子さんの思いがかさなってマスターの旅立ちはジャズ葬ということになりました。

 お通夜も本葬もマスターを慕っていたミュージシャン達が集まりみんなで入れ替わっては
スタンダード・ナンバーを中心に演奏しました。

 セレモニーの終わりはもちろん「Now's The Time」。

 いままで僕らを見守り、育ててくれた白須敏功さんに、今はただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
                                  
                                   ありがとうナウマス。








石川酒造に行ってきました。

2008-03-03 12:24:15 | Weblog
 3月1日、福生市の造り酒屋さん、開業以来今の御当主太郎さんで18代にあたるというくらい
歴史のある石川酒造さんで演奏してきました。

 造り酒屋のみならず邸内には居酒屋風なおそばやさん、レストラン、売店、蔵、かま、が立ち並び、
訪問客でいつもにぎわっているところなのですが、今回はビールを再発売をして10周年を記念した音楽会を
ビール蔵の2階で催されました。

 石川酒造は日本で初めてビールを造っていたところと書かれている辞書もあるそうですが、
120年くらい前にはビールを製造、販売していたそうです。
その後、ビールの製造販売を中断し日本酒造りに磨きをかけておられたそうです。

 18代当主太郎氏は自身もいつもブルースハープを身にまとっているくらいのハーモニカフリークで、
ご自身はウッチャン(キャロル)らと活動してるそうです。

 今回のコンサートは山本邦山(都山流尺八演奏家で人間国宝)率いる我々のユニット名「大吟醸」での演奏。

いかにも?!・・・といった名前ですが、造り酒屋で演奏するからといってにわかに命名したものではありませんよ。
2年前に発売した中に同名の曲が収録されています。アルバムのタイトルにもいたしました。

 メンバーには高谷秀司(ギター)、石塚マミ(ピアノ・ボーカル)、西和(パーカッション)が参加。
PAは我々ユニットとの共同体、田口スピーカーの磯野チームが担当しています。というか彼ら以外は難しいと思います。

 石川酒造のビール蔵の2階会場でコンサートは行われました。
尺八音色、ギターの鳴り、ピアノ、パーカッション、蔵のホール、田口PA、すべてがバランスよく響きあい
ふくよかな「大吟醸」サウンドになったのではないかと思われました。

 演奏後、運手者以外には100年ものの銀の器にいれられた吟醸酒が
とても饒舌な御当主のお父さん自ら100年前の湯のみに(大きめのおちょこくらい)振る舞われました。
飲んだ方の感想は言葉にならないそうです。僕が言葉にならないくらいつらかったのは言うまでもありませんね。
オリジナルのビールも「コクがあってキレが良い」極上の味わいでした。
ご家族の方々から手厚いおもてなしを受けて、次に行く時は運転以外でぜひ訪れたい!素敵なところでした。