マサ大家のギター近況報告

ギタリストマサ大家のギター近況報告を掲載

ミスファイア!

2007-03-18 13:06:06 | ギター
 高校生のころからアコギには通称コンパウンドという
ライトゲージより細い弦を使っていた僕。
いまだにライトゲージよりビブラートのかけやすい弦を
張っています。

 値段も比較的安くてここ3年くらい使っている弦は
MartinのExtra Lightっていう緑色のパッケージです。
適度な滑りで、比較的持ちも良いしあまりはずれのない弦だと思ってました。

滑り心地というのは3,4,5,6弦の芯線に巻きつけてある
ブロンズの溝がそれ程深くなくエッジの立ちがきつくなく、
それゆえフィンガリングでスラーした時も
あまりキュッ、キュッとか鳴かない弦という意味です。

ところが今年1月、コネチカット州ハートフォードで録音した時の事
おニューの緑箱2個持っていき、最初のひと箱をおろしてのでのフィンガリングの悪さは
抵抗のオンパレード指に弦が引っ掛かってしょうがない。
相棒高谷君の手前、「いつもの弦とちょっとちがうかな?」などと軽く言って
ひどいコンディションだということは顔には出さなかったんですが

 本当は首をかしげたくなるほど異質に感じるものでした。
海外録音ということでの緊張もあったでしょうが、あまりにもギスギスしてたため
いつもの簡単なフィンガリングですらままならない。3弦の5フレットから15フレット
あたりのすべりが得にひどくて、その鳴きを押さえるためにいつもとちがう
ポジションで弾いたりする。その結果余計な緊張がはしる。録音もおのずと
NGになりがちだ。

 だめもとでエンジニアの方もギタリストだったのでフィンガーイーズ持ってないと聞くと
「オー・ソーリィ」とのこと「バット・・・
オリーブオイル(天婦羅油?)じゃったらありまっせ!」
ということで、ペーパーに油浸して弦に塗り付けた。
これで問題解決とばかり弾いていると弦が乾いてきてもっと最悪な状態になっちまった。!

 寒い山中湖から寒いコネチカットへの旅、そんなに気候も変わってないし
空気もそれほど違うとは思えなかった。

 取り敢えずその日の夜、弦を張り替えてみたらいつもの滑り心地!!

 なんの事はないロットに紛れた不良品を使ってしまっていたわけだ。
プロ中のプロ、デューク東郷、ゴルゴでいうところのミスファイア(不発弾)
にあたっちまったんだ。

 小さい頃からフェンダー、ギブソン、マーチンと
アメリカ製品に絶大な信頼を寄せ、あこがれ続けてきた僕
普段疑う事を知らない僕はアメリカ発マーチン製の緑色パッケージに
へんなものあるわけないじゃない。!否あるはずがない。との思いで

 このパッケージをもう一度眺めてみた。Made in Mexicoとあった。

 「ウむ・・やはり Made in U.S.Aではなかったのか!」

 やれ一安心!いまだアメリカ神話を信じている僕がいる。