下根子桜時代の真実の宮澤賢治を知りたくて、賢治の周辺を彷徨う。
宮澤賢治の里より
189 花巻祭り(その2)
当初は鹿踊りの報告をしようと思ったがそれは次回に廻し、今回はそれを変更して鳥谷崎神社などについての報告させてもらいたい。花巻祭りは”鳥谷崎神社”の祭礼でもあるからである。
鳥谷崎神社境内には
《1 賢治の碑》(平成20年11月17日撮影)
があり、それは
《2 方十里稗貫のみかも・・・の歌碑》(平成20年11月17日撮影)
である。もちろん、碑文は賢治の短歌
方十里
稗貫のみかも
稲熟れて
み祭三日
そらはれわたる
である。
昭和8年、鳥谷崎神社の祭礼(花巻祭りとも、”み祭”とはこのこと)は9月17日~19日の3日間催された。この短歌はこの祭り後の20日に詠んだ2首のうちの一つである。なお、もう一首は
病のゆゑにもくちん
いのちなり
みのりに棄てば
うれしからまし
であり、これらが絶筆となった。そして、翌日21日に賢治は永眠した。
<『校本 宮澤賢治全集 第十四巻』(筑摩書房)参照>
次のことは以前『”木にかこまれし神楽殿”のこと(その2)』でも述べたことだが、一般に『花巻祭りでは必ず一日は強い雨が降る』という信頼度の高い伝統?があるようだ。ところがこの年の”み祭”3日間は珍しいことに毎日晴れ渡ったのだろう。そこで賢治は、祭りの3日間とも晴れ渡ったのは稗貫地方(当時の花巻町は稗貫郡内)の十里四方”のみだったのかも知れない”、と病床で推測したのが”のみかも”という表現になっているのだろう。もちろん、この”かも”に反語の意味はないと思う。
さて、では当日(平成21年9月13日)夕方(6時頃)の鳥谷崎神社の報告を次にしたい。
《1 鳥谷崎神社境内》(平成21年9月13日撮影)
《2 振り返った参道》(平成21年9月13日撮影)
《3 拝殿》(平成21年9月13日撮影)
《4 拝殿の内部》(平成21年9月13日撮影)
以上、この時間帯は参詣者は殆どいなかった。おそらく、花巻祭りが行われている”おまつり広場(上町周辺)”に皆が集まっているせいだろう。
なお、今年の稗貫(花巻市胡四王付近)の
《5 稲田(山並みは岩手山方向)》(平成21年9月14日撮影)
《6 〃(山並みは早池峰山方向)》(平成21年9月14日撮影)
である。稲は見事に熟れている。さぞかし賢治は『うれしからまし』と喜んでいることだろう。
続きの
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鳥谷崎神社境内には
《1 賢治の碑》(平成20年11月17日撮影)
があり、それは
《2 方十里稗貫のみかも・・・の歌碑》(平成20年11月17日撮影)
である。もちろん、碑文は賢治の短歌
方十里
稗貫のみかも
稲熟れて
み祭三日
そらはれわたる
である。
昭和8年、鳥谷崎神社の祭礼(花巻祭りとも、”み祭”とはこのこと)は9月17日~19日の3日間催された。この短歌はこの祭り後の20日に詠んだ2首のうちの一つである。なお、もう一首は
病のゆゑにもくちん
いのちなり
みのりに棄てば
うれしからまし
であり、これらが絶筆となった。そして、翌日21日に賢治は永眠した。
<『校本 宮澤賢治全集 第十四巻』(筑摩書房)参照>
次のことは以前『”木にかこまれし神楽殿”のこと(その2)』でも述べたことだが、一般に『花巻祭りでは必ず一日は強い雨が降る』という信頼度の高い伝統?があるようだ。ところがこの年の”み祭”3日間は珍しいことに毎日晴れ渡ったのだろう。そこで賢治は、祭りの3日間とも晴れ渡ったのは稗貫地方(当時の花巻町は稗貫郡内)の十里四方”のみだったのかも知れない”、と病床で推測したのが”のみかも”という表現になっているのだろう。もちろん、この”かも”に反語の意味はないと思う。
さて、では当日(平成21年9月13日)夕方(6時頃)の鳥谷崎神社の報告を次にしたい。
《1 鳥谷崎神社境内》(平成21年9月13日撮影)
《2 振り返った参道》(平成21年9月13日撮影)
《3 拝殿》(平成21年9月13日撮影)
《4 拝殿の内部》(平成21年9月13日撮影)
以上、この時間帯は参詣者は殆どいなかった。おそらく、花巻祭りが行われている”おまつり広場(上町周辺)”に皆が集まっているせいだろう。
なお、今年の稗貫(花巻市胡四王付近)の
《5 稲田(山並みは岩手山方向)》(平成21年9月14日撮影)
《6 〃(山並みは早池峰山方向)》(平成21年9月14日撮影)
である。稲は見事に熟れている。さぞかし賢治は『うれしからまし』と喜んでいることだろう。
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コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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私などは嬉しくなります
これからもお願いします。
土に叫ぶ、など楽しく拝見しました。
さすがです。
この歌の中の”のみかも”の解釈については他の解釈もあるようです。
上の解釈は、”花巻祭りでは必ず土砂降りに見舞われた”という個人的な経験からくる私の勝手な解釈です。
さすがですと言われて照れるとともに、果たしてこの解釈で良かったのかなとちょっと心配になってきました。
なお、いままでは御輿を担いだり山車を押したりの見られる側だったのですが、今回は祭りを”観客として”も初めてじっくり見ていたく感動しました。特に、鹿踊りについてはすっかり酔いしれてしまいました。