
山梨県北杜(ほくと)市に住む作者が、同市内に「増殖」している太陽光発電施設を撮った作品展。夕陽を受け反射する姿など素晴らしく美しい。耕作放棄地やゴルフ場跡地のパネル群は土地の有効利用に見えるが、山の斜面を綺麗に伐採し設置されたパネル群は環境破壊と映る。またドローンで撮った小さなパネル群の写真の多さから、この場所の発電施設の多さを知ることができた。太陽光発電は善か悪か、是か非か。
他に客がいないタイミングで、在廊していた作者とけっこうお話しできた。作品展として太陽光発電のネガティブキャンペーンの意図はないと言われていたが、施設だけの写真が多数並んでいる展覧会は、過剰設置への批判と感じられてしまうとお伝えした。作者としても土地の有効利用や売電収入、電気の地産地消などのメリットは理解しており、批判できる立場ではないことを自覚しておられるだけに撮り方や展示方法は悩ましい課題なのだろうと理解した。興味深かったのは、「太陽光発電施設に反対している方の多くは、他所からの移住者なのです」と言う話。居住者であるだけマシなのかもしれない。
太陽光パネルは中心部が濃紺色であり、綺麗に撮るのが難しい。さらに施設の周辺風景も含めた構図作りも自由度が低い。そうした制約の中で撮る技術面と、電力供給と言う社会的課題とのどちらについても大いに刺激を受けた。
2024年11月20日 品川・キヤノンギャラリーSにて
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