ぼくは悪党になりたい角川書店このアイテムの詳細を見る |
恩田陸の「夜のピクニック」がまた最近売れているらしい。以前、その本のことを書いたことがあったので、自分のブログを読み返してみた。すると、『(高校生青春小説で)昨年は当たり年とでも言いますか、楽しく読めた作品が2編もありました』と書いてあるではないか。もう一作を紹介してなかったな、と思ったので改めて書きます。
タイトルに惹かれて手にした本だったけど、今にして思えば山田詠美の「ぼくは勉強が出来ない」と語感がカブってる。そういえば設定も何となくカブってる。
自立とか自律とか人生とかを考える。時間だけはたっぷりあるから、もう子供じゃないから、けっこう深く考えてる。けど普通に自分を取り巻く環境が狭いから、ジレンマというか、もどかしさというか、壁にぶち当たる。もっと小さい時は、大人って完璧だと思ってたけど、もうそんなに単純じゃない。だから本を読んだり、音楽を聴いたり、友達やガールフレンドの相談に乗ったり、乗られたり。そんなことして「自分探し」をする。そんな高校時代…、過ごしてませんでした?
「自分探し」って青春のキーワード、なんか恥ずかしくって懐かしい。この作品は、そんな気恥ずかしさに包まれながら一気読みをするのがいい、と思う。