若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

ぼくは悪党になりたい  笹生陽子

2005年07月04日 | 読んでる十四代目
ぼくは悪党になりたい

角川書店

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恩田陸の「夜のピクニック」がまた最近売れているらしい。以前、その本のことを書いたことがあったので、自分のブログを読み返してみた。すると、『(高校生青春小説で)昨年は当たり年とでも言いますか、楽しく読めた作品が2編もありました』と書いてあるではないか。もう一作を紹介してなかったな、と思ったので改めて書きます。

タイトルに惹かれて手にした本だったけど、今にして思えば山田詠美の「ぼくは勉強が出来ない」と語感がカブってる。そういえば設定も何となくカブってる。

自立とか自律とか人生とかを考える。時間だけはたっぷりあるから、もう子供じゃないから、けっこう深く考えてる。けど普通に自分を取り巻く環境が狭いから、ジレンマというか、もどかしさというか、壁にぶち当たる。もっと小さい時は、大人って完璧だと思ってたけど、もうそんなに単純じゃない。だから本を読んだり、音楽を聴いたり、友達やガールフレンドの相談に乗ったり、乗られたり。そんなことして「自分探し」をする。そんな高校時代…、過ごしてませんでした?

「自分探し」って青春のキーワード、なんか恥ずかしくって懐かしい。この作品は、そんな気恥ずかしさに包まれながら一気読みをするのがいい、と思う。

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