蔵の入り口にある百日紅が満開です。夾竹桃(きょうちくとう)と共に夏を代表する花ですね。百日の間、紅色の花を咲かせる、と言われていますが、実際は一度咲いた枝先から再度芽が出てきて花をつけるため、咲き続けているように見えるのです。
先月までは「ナツツバキ」が咲いていました。こちらは白くて可憐な花です。
さて、その名も「百日紅」という題名の本があります。杉浦日向子さんの漫画ですが、これまた傑作ですよ。浮世絵師・葛飾北斎と、娘で彼女も優れた浮世絵師だったお栄、北斎門下の弟子で居候している池田善次郎が主人公の江戸絵巻です。
私は祖母の唄声を思い出します。
夏に咲く花夾竹桃♪
香りって本当に色々な記憶を呼び起こしますよね。
鼻をつまんでモノを食べても味が分からない、って誰しも経験があるでしょう。眼をつぶってモノを食べても同じ感じなんですよ。
目に見えるものと目に見えないもの、それらをつなぐには弱くなってしまった感覚器が最も適しているのかもしれません。