すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

正規・非正規の分断こえて図書館民営化と闘おう

2010年09月22日 | 杉並図書館指定管理をめぐって

 前回(9月21日)記事からの続きです。

  ・・・・ということで、指定管理者制度とその導入としての杉並区立地域図書館全館指定管理とは、そのもとで生きるために働かざるを得ない派遣・非正規労働者にとって、突き詰めて考えれば考えるほど、この世の中をひっくり返さない限り、人間として生かされない=明日が見えない、持って行き場のない苦しさのみが増していく現実だということです。

 そもそも杉並区の12地域図書館全館指定管理の攻撃のもとで、指定管理下の図書館で働いている労働者はパート・アルバイトがスタッフの8~9割であり、その時給は、日本社会の標準時給である1400円~1500円台の6割そこそこであり、東京都の場合の今年の最低賃金である時給821円(30円アップしても821円)そこそこです。

 それは指定管理者企業が使いまわし・使い捨てで雇用する非正規職に限りません。いま正規職・常勤職である公務員労働者も、いま公務員・非常勤職もそこに突き落とすのが、民営化であり指定管理者制度だということです。

図書館まるごと民営化=全館指定管理に絶対反対!非正規職撤廃、指定管理者制度廃止の声をあげよう

 

 ところで、図書館全館指定管理をめぐる区長答弁を受けて、杉並区職労執行委員会では、「(「10月をめどに検討委員会をつくり検証を開始する」と6月24日の組合大会で出した方針を変更し)半年先に延びた。図書館分会を中心に指定管理者制度導入に反撃しよう」という方針を確認したようです。

 6月24日の杉並区職労組合大会では「指定管理者制度導入に反対するなら、10月では遅すぎる、間に合わないのではないか」という批判が代議員から出された経過があります。組合としての検討委員会の発足を区長答弁に合わせて先延ばしするようでは、「執行部は第三者機関任せで本気で阻止・反対する気などないのではないか」と批判の声が上がって来るのは当然です。

 指定管理者制度=まるごと民営化とは労働者と家族にとってその賃金では食っていけない総非正規職化です。しかし労働者(人間)である私たちは生きていかねばならない、家族を養わなくてはならない。そこから出てくるのは「やられてたまるか」ということでしょう。絶対反対ということでしょう。これは一歩も譲れない。「上(組合ダラ幹)」から起きない以上、《下=現場》からの反乱あるのみではないでしょうか?職場末端から声をあげ討論を開始し、現場からの闘いで反対闘争をつくりだす必要があります。今から直ちに絶対反対で闘いを開始し、「半年間」を図書館全職場、区職労一丸となった絶対反対の総決起のためにフルに活用することこそが求められていることではないでしょうか。

 私たちは次のように考えます。そもそも田中区長答弁で、先行6図書館の指定管理の実施以来一年間の運営期間を「第三者機関の設置」で「評価・検証」するとして、今秋事業者募集を先送りせざるを得なかったのも、昨年夏以来の反対闘争があり、図書館現場の労働者、地域の労働者住民が声をあげたからにほかなりません。闘いはやむにやまれぬ想いで現場の職員と地域の労働者住民が反対の声をあげたところから始まったのです。「第三者機関」は図書館全館指定管理の強行のために設置されるということだけははっきりしています。「第三者機関による評価・検証」に幻惑されることなく、昨年を上回る絶対反対の声を図書館職場、区全職場、区の図書館利用者から一層大きく上げていくことこそが、残る6館導入を阻み、12館全館指定管理と指定管理者制度そのものを打ち破っていく総反撃の道です。

図書館職員の全員「異動」、これは全員解雇・不安定雇用化の攻撃だ

 カギは図書館職場から指定管理者制度絶対反対の声をあげることにあります。先行6図書館から職員が全員「異動」させられています。「異動」に際して区は組合に対して非常勤等は雇い止めはしないと言っていましたが、前山田区政下の一方的な「異動」と前区政から田中区政への「転換」で今後の不安定雇用に対する先行き不安は本当に大きい。その想いが非常勤職場にも常勤職場にも渦巻いています。

 「最小経費・最大効果」という田中区政の経営刷新の指針から言えば、指定管理者制度実施で図書館行政のコスト削減ができてもそれまで図書館で働いていた職員を本庁や出先の他部署に「異動」するだけでは区にとってはトータルコストで圧縮に資するということにはなりません。ここから身分保障つきの「異動」ではなく、経営方針の変更を理由とした解雇に切りかえ、再任用の場合には常勤は非常勤に、非常勤の場合には指定管理者企業への採用に転換してくる可能性、あるいはもっと言えば常勤・非常勤まとめて一気に非正規職に突き落とすという可能性はきわめて高いと言わざるを得ません。非正規職か失業かという攻撃が職員には加えられてくるのは時間の問題と思われます。いま声をあげることこそ重要です。

 ですから、この闘いで、まだ指定管理に移行していない6館、とりわけ西荻、高円寺、柿木の常勤・非常勤館の決起が重要なことは言を待ちません。

超低賃金・不安定雇用の非正規職の職場決起は指定管理者制度の根幹揺るがす反乱

 同時に声を大にして訴え呼びかけたい点があります。既に指定管理が実施されている先行6館非正規職の労働者の皆さん、未実施の現在直営・業務委託中の下井草、今川、南荻窪の3館非正規職の労働者の皆さんの苦闘と連帯し、ともに闘いに立ち上がろうということです。正規職も常勤職も非常勤職も「いかなる身分保障」もない民間並みの非正規職におかれる。このとき重要な点は、「非正規職になりたくない」「非正規職はゴメンだ」ということではなく、非正規職になっても非正規職と団結して非正規職撤廃、全員正規雇用にしろと要求して闘うぞ、ということではないでしょうか。同じ労働者なのだから。

 この点こそが重要です。《資本主義》はそうやって、労働者が食っても生きてもいけない「工場法以前に戻す」ことによって「《墓掘り人》を生みだしている」(マルクス「共産党宣言」)のです。

 そのように考えると非正規職の決起が持っている根源的な社会転覆的な力は大きいし、「非正規職が明日は我が身」の正規職が学ぶべき点ではないでしょうか。正規・非正規、常勤・非常勤、官・民という支配階級がつくった分断の「垣根」を打ち破りましょう。ともにスクラムを組みましょう。 

 

★集会案内 

◆11月7日、日比谷野外音楽堂に結集を

  -国鉄1047名不当解雇撤回、民営化・非正規化をゆるすな-

 全国全世界から民営化・非正規化と闘っている労働者がこの集会に集います。仔細は下記チラシで。

http://www.doro-chiba.org/pdf/1107bira.pdf

◆10月3日 首都圏青年労働者集

 たたかう労組青年部をつくろう。非正規雇用‐派遣法撤廃へ‐

 10月3日(日)午後1時~ 千葉商工会議所第1ホール(JR千葉駅から10分、京成千葉中央駅から8分)仔細は集会実行委員会事務局080-4154-5604にお問い合わせを。「労働組合運動に関心、意欲のある人なら誰でも参加できる青年労働者のための青年労働者の手による集会」です(集会案内のちらしより引用・掲載、紹介させていただきました)

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